見出し画像

『忍者カットイン』フットボールペアレンツ112

こんにちは。マコトです。

今日は「忍者カットイン」についてです。
そういう名称の技があるわけではないのですが、この動きをしてみるとまるで忍者の軽やかさを手に入れたような気分になれるので忍者カットインと命名しました。まず動画でどのような動きか確認してください。

このカットインを研究するにあたり「ボールと身体を分離する」という考え方から出発しました。サッカーがわかる人だけの表現になってしまいますが、エラシコのコツと似ていて、「体全体でやるエラシコ」みたいな感じです。

エラシコを右足でやる場合、右足のアウトサイドでボールを押しだしたら、先に行ったボールを追い抜かすように右足が追いかけていき、ボールを抜かした地点で左方向へ引き戻すような動きですよね。

エラシコを成功させるコツとして「ボールの軌道と足の軌道を一致させなくてもよい」とか「ボールが転がる速さを少し遅めにして(ボールを泳がせるようにして)自分の足は素早く回り込む」みたいなものがあると思います。また右足のエラシコなら、身体全体が右に振られない、左に持ち出せるように上体を突っ込ませずに残しておくというようなコツがあると思います。

つまりボールの挙動と身体の挙動を完全に分離して考えて「身体を自由に動かしていたらボールがいい感じの位置にあった」みたいな感覚でやりたいという方針で、ハルキとトレーニングしてきました。

7枚の写真で説明します。

いつものように上から下の矢印でボールをなめる(転がす)

まずは上の写真のような動きから入ります。この時点で身体が先になりボールを待ち合わせの場所で、良い姿勢で迎えることができます。このときのコツとしては身体のスピードを上げて置くことと、転がす足を大きく使って、右への動きを大きく出すことが大事だと思います。

つづいて一番大事な局面です。

ボールを追い越してボールの右側に身体を移動することができました。ボールにタッチした①の足はブレーキ足として機能しています。このときに、身体はまっすぐになっています。①の足のアウトサイドめがけてボールが遅れて転がってきてます。このときに右に行くか左に行くかを、相手を見て決定します。この時点で決定しておくのが、実戦で使うための最大のポイントだと思われます。「何もしないコマを無くす」「次の局面の準備をしておく」というのが今、私たち親子が心掛けているテーマです。

そして「用意していた選択を実行する場面」です。左に行きたかったら②の足を反発に使って「スッ」という擬音がふさわしい感じで、右足の②の接地から間髪置かずに左へ持ち出します。この持ち出す感覚はとても滑らかでやっていてすごく気持ちいです。持ち出したあとは、その持ち出した左足自体も加速足に使って一気に走り出します。はた目から見ると転がってきたボールと身体がうまく合流された感じになります。トンビやカラスが飛んできて転がっているボールをかっさらっていくようなイメージにも似ていると思います。

そしてこの「忍者カットイン」の一番の利点は、キャンセルが容易だということです。カットインの動画はネット上にわりとあると思うのですが、キャンセルもできないと決め打ちになってしまいます。この忍者カットインでは、2枚目の写真の時点でカットインのキャンセルを選択できます。

カットインのキャンセルは触らないだけです。下の写真でいえば、これから出す左足を、ボールにぶつけなければいいだけで(跨いだり手前をすかしたりするだけで)キャンセルが成立します。

結果的にバスケットで言うところのジャブステップをしたみたいな感じになりますが、最初からジャブステップやカットインを狙ったわけではなく、結果としてジャブステップになったりカットインになったりするだけです。

触らないと下の写真のような状態になります。
このときボールは写真では向かって左方向へ流れていきます(もともとボールが転がっている方向)。

触らなかった右足を加速足に使ってボールと合流します。

一歩も無駄にせず、それぞれの足を加速足に使います。

この「キャンセル自在の忍者カットイン」の原理は、さまざまなプレーに応用できると思います。

フットボールを楽しんでいる人の参考になると嬉しいです。

以下、バックナンバーです。

◎01~10

01 『親としてはやめてほしくない』
02 『できない子を笑わない』
03 『サッカー選手になれなかった人がフットサル選手になる』
04 『サッカーに熱心な親だらけ!』
05 『左足で走るのが苦手とかあり得る? 個人的には画期的な大発見』
06 『走る(ドリブル)は誰でもできる』
07 『子どものプレーにイライラしがちなお父さんお母さんへ』
08 『両足で蹴ればシュート力は2倍になるぜ!!!』
09 『セレクションは気にしない!~12打数12安打11ホームランでも、まぁまぁはまぁまぁ』
10 『パパはゲームメーカー! ボールにいかないと世界がまったく変わります!』

◎11~20

11 『思い出しただけでイラつく経験を語っても……』
12 『ボールにいかない派とかじゃなく、目的は何かっていう話なんだけど』
13 『ボールにいかないと1人目のディフェンスはいないも同然。味方はグラウンダーでパスを出さなくてもいいし、利き足じゃなくてもかまわない』
14 『子どもが主役の合宿は、世代を超えて受け継がれていた』
15 『イノシシやゴリラにプレスされても大丈夫! ~今が未来につながっている~』
16 『リフティング(1) ボールを拾って役立てようと 僕は思ったわけでもないが』
17『リフティング(2) 空に向かって蹴るのが楽しい!』
18 『リフティング(3)親と性格が違い過ぎると怒っちゃう問題はこうして解決した』
19 『リフティング(4)私たち親子が回数を目標にしなかった理由
20 『親視点(1)みんなドリブルでいっちゃうツライ日々』

◎21~30

21 『牛若丸ターン! ターン後の着地の姿勢で勝負がついていた』
22 『ドリブルの練習をやめたら劇的にうまくなりました』
23 『質問です。未来を意識していた人は誰でしょう? ゴールの角上とつながる』
24 『原文ママさん 手持ちの動画について意見を交わし合う場を作りました』
25 『世代なので死ぬまでにマラドーナのドリブルを身につけたい――運動神経がダメダメな私でも走れば抜けます
26 『ゴールへの意識があればレアルマドリードにもたどり着ける
27 『4ステップはつまずきそうで怖いという質問への回答』
28 『ギュンです! ボールに触れた瞬間に超絶加速する――写真の次のコマの形を当てられたらあなたは名選手に違いないです』
29 『続ギュンです! たいして傾いていなくてももちろん抜けます』
30 『ハルキの自主練なんて一回もみたことないです』

◎31~40

31 『内田史上最強の動き――研究手を基本動作にするプロセス』
32 『7番と9番へ! ディフェンス目線で整理する走る(ドリブル)2022年8月バージョン』
33 『トップ選手との対決で学んだこと――真夏の微妙な大実験』
34 『ボールにいっちゃっている状態とは何かよくわかります』
35 『手を動かしてイラストにしてみるとフォームを覚えられます――中西を描いてみる』
36 『フリーキックの練習を初めてしました』
37 『4ステップがない世界はもう考えられない』
38 『パパさんでも5人ダイレクト成功』
39 『ボールのレイヤーと身体のレイヤーが違うことで、滑らかなスーパープレーが生まれる』
40 『身体はオートマチック、判断はコース取り』

◎41~50

41『プロは目指すものじゃない――どうしても怒っちゃう自分を克服したきっかけ』
42 『ボールなしの練習は最重要!! しゃべるが先で飴玉は後』
43 『走りながらボールに合流する方法』
44 『すべてのプレーはゴールへ続く』
45『景色のプレーと脳内のプレー』
46『試合を動かす選手になる』
47 ルールは拘束的なものではなく、創造的なもの』
48『ドリブル超得意だけど、、、ドリブルのドの字もみせないぜ!
49 『親視点(2)止める蹴るを正確に!! なんてまったく考えていません』
50 『そもそもシュート練習をする前に・・・

◎51~60

51 『なぜ父親が練習しているのか』
52 『 身体を止めずにシュートを打つ』
53 『常識よりも前提。短い距離でもインステップ 』
54 『三手一組の準備ができていれば得点王も夢ではない 』
55『あわや大ケガ……準備も確認も怠らないこと』
56『日本人ってメチャ楽しそうにプレーするね!』
57『忍者?! 一瞬の速さだったら体格差は関係ない』
58『メッシはボールコントロールではなく、身体のコントロールが正確なのでは』
59『ワンステップシュートで文字通り✨超一流✨』
60『このドリブルの最大のコツは、ディフェンスの矢印に意識を払うことだけど』

◎61~70

61『動画編集=宝さがし』
62『ディフェンス時における身体操作(第1歩目)』
63『攻撃の手を緩めない 足を止めたりしない』
64『上手く止めることを目的にしない』
65『次の展開を予想しないでプレーする方がずっと難しくないですか?』
66『親の自分もビビッてしまうけど・・・何ができないかを知りにいく! 』
67『守備の意識が劇変しました』
68『ジンガやフリースタイルのように見えるかもしれないけど』
69『引き込みドリブルのbefore after
70『自然に思えたプレーがエラーだと気づく』

◎71~80

71『自分も味方も等価で全員を一緒に動かしているイメージ』
72『すべては自分次第。ボールウォッチャーになる? それとも得点者になる?
73『オレは基本的にダイレクトでプレーするぜ!
74『決め打ちを見破れれば超一流』
75『スピードが遅い人は 矢印をたよりに!』
76『ハルキの即接地トラップ、イニエスタ選手のトラップ、日本代表のトラップ』
77『毎日プレー動画を編集。研究を続ける』
78 『シュートはすべてギリギリのコース。狙うは角上!』
79『練習後のお楽しみ』
80『練習すると下手になることもある』

◎81~90

81『AIが判定するベストプレイヤーになる』
82『ステップ2回はマジで慌てるんですけど』
83『好プレーのショート動画を編集する』
84『ハードスルーは超便利!』
85『トラップとターンとシュートが一つの挙動になる
86『大前提を忘れない』
87『引き込みターン~ボールと身体の分離』
88『100%のキャンセルが出来たのは史上初かも』
89『親子リフティングで意識したいくつかのこと』
90『毎日もうやめたい、下手くそすぎると思ってプレーしているけど、たぶん明日もやめない』

◎91~100

91『走りながら蹴る』
92『ジャゴナウのような新しい動きを学ぶときも、決め打ちでトレーニングしてはダメ』
93『100パーセントキャンセルと半歩ズラしシュート』
94『反発ステップで大事なのは1歩1歩の加速。7番9番で大事なのは勇気』
95『ブロックカットインと2段階加速ドリブル』
96『カットインキャンセルとコンビネーション』
97『いろいろ動画を上げてるけど、トッププロ相手に勝てるのか問題への解答』
98『キック&ダッシュではなく、ダッシュ&キック』
99『いつか、この空の美しさを思い出す日がきっと来る』
100『連載を100回続けて見えた景色』

◎101~110

101『バックステップでスペースと勢いを作る』
102『アウトサイドキックの利点とその活用方法』
103『パスの受け渡しの位置とタイミングを再考する』
104『味方をブロックに使う工夫』
105『こんな動きが存在するなんて思ってなかった』
106『身体を操作しているところにボールが合流する』
107『パスは芸術的に~身体を後方に飛ばすトラップと自ら2人を縛りにいってフリーを作る動き~』
108『走るために出した足にボールがついてきた』
109『子どもの守備の寄せが甘くてイライラする!』
110『”三歩シュート”の分析 』


ここから先は

0字

■なにをするサークル・コミュニティか 学習に関する相談とフットボール(サッカー・フットサル)に関する…

フットボールペアレンツ プラン

¥700 / 月

学ビ舎&フットボールペアレンツ プラン

¥1,000 / 月

読後📗あなたにプチミラクルが起きますように🙏 定額マガジンの読者も募集中です🚩