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『夢はホペイロ3』ホペイロ的生活術

こんにちは。Jの先生/藍澤誠です。

先日ラジオに出たのですが、そのときに『ホペイロ』(ブラジルの言葉で、サッカーの用具係)の話をしたら、対談相手のMr.コーセーさんが思った以上に反応してくれたので、コーセーさんのため&ラジオを聞いてくれた人のアフターサービス、およびホペイロを目指しているサクラジマ君へのメッセージとして、以下、書きたいと思います。

私が考えるホペイロ的というのは、『道具を大切にする→その道具からたくさんの情報を得る→選手が高いパフォーマンスを得られるようにする』という思想というか生き方です。

これはいろいろな場面で活かせます。たとえば

子育て(私自身は、子育てという意識はないですが、一般的な意味合い)においては、親がホペイロ、子どもが選手。
塾(J)においては、私がホペイロ、生徒が選手

という形になります。

さらに一見、主人公側にまわるようなラジオ出演(私の立場)においても、

ゲストの私がホペイロ、番組のレギュラー陣が選手

という形に持っていくこともできます。

実例を挙げて説明しますね。先日の私がゲストとして招かれたラジオ出演においてのホペイロ的動きを解説します。

まず、出演する前にお菓子を用意しました。人数分でいうと、レギュラー出演者のコーセーさんとNAOさんのお二人の分を用意すれば良いのですが、私は3つ用意しました。それは先月、別の番組にラジオ出演したときに、ミキサー(?)というかもう一人ラジオの機械を扱う人がいたので、その人の分も必要かな、と思ったからです(実際はもう1つ必要でした)。わずか数百円の準備で選手のテンションがアップするなら迷いなく動くのがホペイロです。

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次に番組中の振る舞いです。ゲストコーナー(私が出演するコーナー)の前の30分くらいのオープニングのパートで、コーセーさんとNAOさんがスポーツの話題をしていたのですが、そこで話されている話題はすべて持参したiPadのノータビリティ(デジタルノート)にメモし続けておきました。これは選手のパフォーマンスを記録する、少しでも役立つ情報を拾うというホペイロ的(厳密な意味ではホペイロはデータ分析はしませんが)な振る舞いです。

私がしていたのは、自分が後にするであろう話と、お二人が話している内容とのリンクを探っていました。そういう事前準備をしておくことで、自分がトーク中に具体例として何かを挙げるときに、「先ほどコーセーさんがしていた話と関連するのですが」という感じで結びつけることができます(実際、井上尚弥選手のパンチのヒット率の話に言及しました)。

自分の出した情報を誰かが引き継いでくれる、自分のメッセージを誰かが拾ってくれることは、人間はとても嬉しいものです。私はゲストというつもりは全然なくて、レギュラー番組をアシストするような視点でいました。そうすることで選手(ここではコーセーさんとNAOさん)の気分を上げることに寄与できます。

また、私が出演の前日に「かけたい曲はないですか?」とNAOさんにLINEで聞かれていたので、Awesome City Clubの『Okey dokey』をリクエストしました。その曲紹介を、当日番組内で自分でやるのかな、と思っていたのですが、番組打ち合わせのとき、NAOさんが持っていた番組進行表をチラ見すると(私は配られてなかった)予想と段取りが違いました。自分が出演するゲストコーナーの前にその日のゲストのリクエスト曲が流れ、それからゲスト呼び込みみたいな流れだったのです。

そこで念のため、紹介曲が読めなかった場合に備えて、「オーサムシティークラブ オキドキ」というメモをノータビリティに書いて、すぐに渡せるように準備しておきました。それが役立って、曲紹介をしてくれたNAOさんをアシスト(初見のバンド名が読めないという状況を救う)できたわけです。試合会場に行って、ピッチコンディションや芝の状態を見てスパイクを変えたりするのと同じで(これは選手自身がやることでもありますが)これもホペイロ的と言えるでしょう。

ホペイロは、プレイヤーのミスを減らす、パフォーマンスを高めるために振舞いますし、その役割はつねに自分は目立たないように裏方であり続ける(選手がすごいという状態を作るために振舞う)。このように説明するとホペイロが目立ってしまいますが、、、ことば遊びみたいですが「ホペ色」が出ないように工夫し、さらに同じくホペイロを目指す人のために、自分のとった行動をこのように説明し、さらなる反省点がないか検討するのが、私の解釈するホペイロ的です。

また番組中ではドリブルデザイナー岡部将和さんの新刊『ドリブル講座』という本を持っていき、何気なくスタジオの机に出しておきました。そしたらさすがプロ、コーセーさんが本番で目ざとく拾って、サッカーの話題に持って行ってくれました(打ち合わせの段階で、その本は何ですか?とは聞かれていない)。

これも道具によって選手(コーセーさん)を動きやすくするというホペイロ的な手法の一つです。さらに、後に岡部さんの方にもTwitterを通して「今日のラジオで本を紹介しました」と伝えましたが、これは選手のステップアップやコラボの可能性(番組の可能性)を広げていくためのホペイロ的動きです(本当のホペイロはここまでやらずに道具に特化するのかもしれませんが、私はホペイロを広義に解釈しています)。

自分が出したばかりの新刊を、頼まれていないのに自分の知らないメディアで紹介してもらえる、というのは嬉しいことであり、逆から見ると私は「岡部さんのホペイロ」として動いたとも言えます。

そして試合後、ここではラジオ収録後ですが、まずNAOさんがご出演されている別のラジオを聞き、その感想を画像にしてLINEしました。また手書きのメッセージをお二人宛てにノータビリティで書き、「次回の出演があればこのような話をしたいです」というように、感謝の言葉を伝えました。これは番組内で「手書きの字が上手くない」みたいなことが話題になっていたので、あえて手描きにしたのと、次の試合のセッティングでもあります。本当は手書きは大嫌いでも(笑)、ホペイロは感情で動いてはだめです。

そして次回の番組出演交渉です。私自身は自分を主人公にしてしまうと、「番組後にも自分をグイグイ売り込んでいく人」みたいに思われる可能性が頭をよぎり、そういうのはいいやって思ってしまう控えめなタイプ(軟弱なタイプ)なのですが、選手側(番組側)が、社交辞令ではなく、「また今度来てくれたときは」みたいなことを言ってくれた可能性もあるので、番組側の選択肢を広げる&次の展開をスムーズにするために、「次があるとしたらどのようなトピックがあるのか」「スケジュールではいつがあいているのか」を明確に伝える必要があり、そこには気恥ずかしさや遠慮があってはならない、というのもホペイロ的です。

準備しておくべきことは、着想したらきちんとする。自分の感情ベースで動かない。採用するかどうかの判断をするのは自分じゃなくて選手(相手側)

自分が用意した物や選択肢が採用されなくても「なんだよ」とか「いいじゃん、そのくらい」とか「ぜったいこっちの方がいい」みたいなことは言わずに、単純に選手の選択肢を増やし、選手が快適に動けるようにするのがホペイロ的であり、それがあれば自分という枠を超えた、柔軟かつ建設的なアクションが取り続けられる可能性が高まるという話でした。

その他にも、帰る前に今回の音声をファンとして収録してくれた方へお土産を買ったのもホペイロ的ですし、今回のリクエスト曲は、ラジオ出演につなげてくれた方が好きそうな曲をかけたわけですが、その人に報告をしたり、そもそもホペイロになりたいといっていたJの子に、さっきホペイロの話をしてきたよ、と伝えることもしましたし、こうしてホペイロ的な感想戦記録を書いて整理し、アフターサービス・アフターケア・ネクストゲームに備えるのもホペイロです。ホペイロ的な生き方は実ににぎやかで忙しい。

はたからみると、Jの先生という自分が、ゲストで自分の話をしたと華やかに見えるとは思うのですが、ホペイロ的な動きがずっと裏で作動し続けています。関わった人をできるだけ楽しい気持にしたい、楽しそうにしている人を見るのが楽しい、という方向性です。

誰かの何かの参考になれば嬉しいけど、もし参考にならなくても嬉しい――ホペイロ的なJの先生としてはそう思っています!

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Jの先生 / 藍澤誠
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