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プロジェクト ザ・ガーデン-移住編④-

冬がやってきた

南アルプスの山々

だんだんと寒さが侵攻し、山の稜線が青黒く綺麗に見えてくると、高原地帯の冬の到来である。出勤前に車のフロントガラスが凍り、野畑が霜で覆いつくされる。虫もいない。雑草も生えない。ただ、ただ寒さが身に染みてくる。
繁忙期の喧騒や忙しさを若干恋しくなるくらい、自然も人の交流も観光客も落ち着いてくる季節。
簡単に言うと”暇”になる。そんなわけで、飲み会も増えてくる。

田舎の飲み会事情

田舎では車社会であり、居酒屋やレストランは徒歩圏内にない。よって車で行くのだが、お酒を飲むと飲酒運転で帰れない。そんな田舎事情にマッチしているのが、”代行運転”だ。タクシーを利用して家から飲み屋まで往復するよりは、はるかに安い。

というわけで、飲み会を開催するハードルは都会よりもかなり高い。気軽に人も誘えない。すると、私は家飲みが中心になり、友人が自分の家に泊まっていったり、自分が友人宅に泊まって飲むことが多くなった。都会ではめったにないことだが、こういうことが普通な事として気にならなくなるのも田舎暮らしの特徴なのかもしれない。

地域おこし協力隊、辞めなきゃいけないの?

農業は補助金で手厚く保護されている。
補助金を申請するには、まずは”認定農家”になっていることが必須条件である。この”認定農家”というのは、市町村に農業経営計画を提出して、その実現性が高いと認められれば認定農家になれる。

「認定農家になったら、地域おこし協力隊辞めなきゃだめですね」

地域おこし協力隊に参加しつつ、補助金をさらに貰おうと認定農家になっても大丈夫か?と市役所に問い合わせたら、こういう返答が返ってきた。
地域おこし協力隊の補助金は総務省、農業の補助金は農水省からそれぞれ出ている。財源が違うはずなので特に問題はないと思っていた。

総務省、農水省、地域おこし協力隊本部に直接確認しても、
「市町村に問い合わせてください」
としか返答が得られない。しょうがないので、直接市役所に交渉しに行った。

「そりゃ認定農家として認定されたら、日々の仕事が自分のところの畑が中心になっちゃうんだから、地域おこし協力隊の仕事なんてできないでしょ?」と、市役所側は主張する。

「いや、まて、それは野菜や米の話であって、果樹は植えてから5年後くらいにしか売上立たないから、それまで忙しくないから両立可能なんだけど」と私は主張するが、果樹だけ特別扱いはメンドクサイらしい。

「では、個人ではなく、法人として認定を貰うのはどうか?地域おこし協力隊員は会計年度任用職員であり、副業も認められているので私が法人を設立し、そこに雇われている形になればよいのではないか?」
と、若干複雑なことを主張し始めると、担当の役所に人間では対応ができなくなっているようで、「うーん、どうなんだろ?」としか返答はなかった。

基本的に市役所の人間は余計な仕事を増やしたくない(大きな市では、通常でもそれなりに忙しい)ので、解決策は彼らから決して出てこない。グレーゾーンかもしれないが、自分で解決策を作って実現していくしか手はない。

法人設立!

というわけで、真夏のくそ忙しい繁忙期に株主を募り、会社設立の準備を行った。遅かれ早かれか法人は設立する予定だったが、一刻も早く補助金の申請をしたいがために、法人を設立した。

でも、やっぱり面倒くさい!
株主の押印もらうために東京行き来したり、実印間違ってたり、忘れたり、四苦八苦しながら設立を終えた。その後も税務署やら労働基準監督署から資料が足りん!提出せよ!と命令がきたり、銀行から開設するのに農場見せろなどなど、くそ忙しい繁忙期中に雑多な処理がはいった。

なんでこんなメンドクサイことしなきゃいけないのか?
自分のためだけならとっくに放棄している。
皆が楽しめる大きな果樹庭園ができたらいいなという思いだけでプロジェクトを進めている。
そこそこ儲かって、かつ自分の好きな生活スタイルを続けることができる場があれば、楽しい生活を送れると思うからだ。法人化はそういう場所を拡大していくためのツールの一つとして必須であると思っている。

まだこんな状況ですが、楽しんでやっていきます。興味のある方は是非一緒に果樹園作りを楽しみましょう!

これから植樹です!




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