ドイツ語の語学学校に3週間通って思うこと
初日、頭が沸騰しそうなほど集中&負荷のかかった学校、二日目にして慣れ始め、気がついたらあっという間に3週間が経っていました。
相変わらず先生は素晴らしく、クラスメイトはみんな陽気でやさしく、一生懸命で、とても楽しい時間を過ごしています。そもそも私は「学校」という空間が好き。何かを学ぶことも楽しいし、「また明日ね」って言い合えることが、なんだかとても幸せだなと思うのです。
それから私にとってドイツ語は、中学からの英語、大学での中国語、パリに住んでからのフランス語に続き、人生4つ目の外国語ということもあり、はっきりいって全然気負いがありません。
というのも、語学ってそこに住んで、学校行ってれば(普通は)そのうちできるようになるってことを身をもって知っているので。もちろんネイティブのようになろうとしたらキリがないけれど、私はあくまで日常的に問題なく使えて、仕事に必要なコミュニケーションができればいいと思っているので、目指すところがそこまで高くないというのもありますが。
それからよく言うように、言語ってやればやるほどラクになるというのは確かにあります。例えば日本語はもちろん、英語にもないドイツ語の表現がフランス語にはあったりするので、「あ〜これはフランス語でいうあれね!」と理解の助けになったりします。女性詞・男性詞の概念もフランス語でイヤというほどやっているので、それによる混乱もなし。英語よりさらに面倒な活用も、暮らしてるとそのうち覚えるってことがわかってるので、特に焦ることもありません。
けれど英語圏のクラスメイトの何人かにとっては、おそらく初めての外国語のようで、英語にはない概念には苦戦している様子。Itの代わりに、SheとかHeとか使うんだよって言われても、ピンとこないみたい。むしろアラビア語には女性・男性の概念があるので、アラブ系のクラスメイトたちはスルッと理解しています。
あとこの手の授業って、やることは似通ってるので、外国語を学ぶ経験があると、言葉がわからなくても先生のやらせたいことが分かったりするけど、今までにそういう機会がない人は、え?今なにやってるの?となったりしてます。
私はムダにいろいろ学んで来てるので、話せないのになんで意図がわかるの?って思われてます。
クラスメイトのことは置いておいて、3週間学んで思ったのは、「語学は始めが一番楽しい」ということ。学んだことがすぐに使えて、どんどん伸びていく。今まで飾りでしかなかった街中にあふれている文字が、意味になって入ってくる喜びと発見は本当にうれしいものです。ものには名前があるって知ったときのヘレン・ケラーの気持ちって、こんな感じじゃないのかなと思うくらい。
さっき、英語やフランス語がドイツ語を学ぶ助けになると書いたけれど、逆に足を引っ張ることもあって。フランス語の影響で、私は語尾の音をつい落としてしまうのです(フランス語は最後が子音のときは基本的に発音しない)。けれどドイツ語は、最初から最後までハッキリきっちり!先生に何度も注意されています。
それからこれは仕方のないことだけれど、住んで間もないので語彙がない。けれどクラスメイトたちは住んで1〜5年とか、大学に行ってるヨーロッパ系の学生なので、内心みんなA1.1じゃないじゃんと思うことも。
ただ話していることはわかっていて、流暢に話しているように見えても、動詞の活用を知らなかったり(たぶん早口でごまかしてる)、文法が分からなかったりするので、四技能バランスよく学ぶって難しいんだなぁと思ったり。
私は圧倒的に「話す」が弱いけど、フランス語で鍛えた「知ってる単語でどうにか文をつくるスキル」を活用してのりきってます。日本人はついつい「言いたい表現」ベースで文章を作りがちだけど、実際は「言える表現ベース」で話す方が伝わるし、効率がいいのです。
例えば、名前をききたいときに「What's your name?」って言いたくても、What's yourの部分が出てこないとき、完璧じゃないとダメだと思いがちな日本人はそこで止まっちゃう。でも意外と「name?」で通じるってことです。「name?」とききながら、yourを思い出したら、your name?って言えばいいし、まぁとにかくシンプルに知ってる単語つなげればなんとかなったりします。恥ずかしがらず大きな声で言うのがポイント!
とにかく、他人と比べても仕方ないし、私は私のできることを増やしていけばいいと思っています。前の私は「バカだと思われたくない!」と必死だったときもあったけれど、今はあまりそういうのも感じない。できないことを分かってもらって、クラスメイトから教えてもらった方が全然いい。それに私は、「語学はそのうちできるようになる」っていう確証を持っているので。
だって私、人生でこんなにいろいろな言語を話すようになるとは思っていなかったから。英語は好きだったけど、前よりもっと話せるようになったし、フランス語だって問題なく使えてる。そして、出来るようになるとみんなが喜んでくれたり、自分の世界が広がっていく楽しみも知っている。
なんか思ったより全然とりとめのない文章になってしまったけど、きっと読み返したとき、今の自分の気持ちをまとまりのなさも含めて思い出せるような気がしています。そういう自分の文章、きらいじゃない。