パリから爆走、全2500キロの記録3
パリから爆走、全2500キロの記録1、パリから爆走全2500キロの記録2の続きです。
ライプチヒの新居で一晩を過ごし、今度は家中の部屋に掃除機をかけた(夫が)。私は掃除、特に掃除機をかけることがとても嫌いなので見学。すぐにパリに戻らないといけないので、荷造りをしていたが、ここでケンカ勃発。やっぱり私たちにケンカのない平穏な日々なんてムリだった…。いつも通り人が聞いたら「どうでもいいわ…」って感じのくだらないやりとりを経て、数キロ先にある巨大スーパーへ。当面の水(フランスやヨーロッパで水道水は飲めるけれど、日本から持ってきたいいお米を炊く時用の軟水と、枕元に置いておく用のミネラルウォーターが欠かせない)などを買い込んだ。
それからすぐに、パリに向けて出発だ。明日の11時までにバンを返さねばならない。けれど、ノンストップはさすがにつらいので、どこかホテルに泊まるつもりだ。でもできるだけパリの近くまで行っておきたい。
ライプチヒからアウトバーンをかっ飛ばす。出発したのは15時頃、ヨーロッパは既に日が延びていて20時過ぎまで明るい。夏になれば、23時を過ぎても明るいままだ。明るいうちは、菜の花が咲き乱れる田畑や、大きな風車を眺めながら、時折あらわれる小さな街のかわいらしさにうっとりする。暗くなってからは、教科書の文字列でしかなかったあの「ルール工業地帯」の工場夜景を眺め、まるで矢向みたい!なんて思う。
アウトバーンは国によって本当にちがって、ドイツの道はよく整備されているけど灯りがまったくないので本当に暗い。日が暮れた後は、ハイビームにしても見通しの悪い道を進むことになった。しかしひとたびベルギーに入ると、道は多少(かなり?)デコボコしているものの、水銀灯が燦燦と灯り、遥か彼方まで見通すことができた。
この3日間は、ヨーロッパ中大荒れの天気だった。パリとロンドンでは雪、ストックホルムは嵐だったそうだ。ドイツはというと、晴れ、曇、お天気雨、みぞれ、雹、雪、嵐と全部入り。走っているとめまぐるしく天気が変わる。雨の切れ目にあったときは、「ハチクロみたい…」って思ったけど、夫にはわかってもらえなかった。
そうこうするうちに、9時間ほど走り、フランスとドイツの国境の街に着いた。ここまで来れば、パリまではあと2〜3時間。既に2000キロ以上走っている夫は疲労困憊。私は車中で少し寝たけれど、ナビもしたし、そもそも体力もないのでやっぱり疲れていた。ホテルに着くなり、ベッドにすべりこみ、そのまま朝まで眠った。もちろんケンカもした(笑)