見出し画像

海外FinTechサービス④住宅資産を担保に融資が受けられるクレジットカード「Aven」

大学院の夏季休暇期間に週1で海外のFinTechサービスをリサーチして記事にするシリーズ。

第4回となる今回は住宅資産を担保にした融資が受けられるクレジットカード「Aven」、を取り上げます。

<お断り>
・情報は記事公開時点のものです
・ChatGPT等を活用して翻訳していますが、翻訳や解釈に誤りがある可能性があります


会社概要

HP Aboutより

2019年に創業されたAvenは、5年でユニコーンとなるなど急速に成長しているスタートアップです。

これまで顧客に提供した資金は$15億(約2,200億円)、顧客が節約できた利息は$1億(約150億円)。

2024年7月にはシリーズDで1億4,200万ドル(約200億円)を調達、累計調達額は$2億8,000万(約400億円)にものぼります。今回調達した資金は、アメリカ全50州でのサービス提供、金融アドバイザリーツールの拡大、自動車担保ローンや住宅ローン借り換えなどの新たな領域への拡大に使われる予定とのこと。

今後の成長も目が離せません。

参考:
Aven Reaches Unicorn Status with $142 Million Series D Investment

「Aven」でできること

まずは、サービスのプロモーション動画を見てみましょう。

冒頭でAvenの金利の低さを謳っています。通常のカードローンでは無担保であるが故に金利が高いと指摘し、Avenは住宅を担保にするので金利が低いとその根拠を説明。カード発行がわずか15分で完了するスピードも推しています。

サービストップページ

Avenはクレジットカードの機能とHELOC(Home Equity Lines of Credit)がセットになっているのが最大の特徴です。通常のクレジットカードとして支払いができることに加えて、住宅資産を担保にした融資を受けられます。

※HELOCと住宅ローンの違い

HELOCと住宅ローンはどちらも住宅を担保にしたローンですが、住宅ローンは不動産を購入するための融資で毎月固定額を支払うのが一般的ですが、HELOCは、住宅を購入した後に住宅の改修や改築のために利用されるリボクレジット枠(支払いが行われる間も限度額まで利用可能な枠)のことです。

参考
Home Equity Lines of Credit (HELOCs) vs. Mortgages: Similarities & Differences

利用までの流れ

最短15分で利用開始できると謳っていますが、利用までの手順は以下となっており、オンラインで完結するようです。

  1. オファーの確認:いくつかの質問事項に回答することでオファーが確認できる

  2. 収入の確認:銀行口座との接続または給与明細等の書類をアップロード

  3. オンライン署名の予定設定:Avenの公証人との文書への署名の予定を設定

それでは、各機能の特徴を見ていきます。

クレジットカード

通常のクレジットカード同様に普段の買い物などでの支払いができます。カードブランドはVISAです。年会費は無料、わずか15分で発行できます。そして目玉はなんといっても、2%のキャッシュバックが無制限で受けられることです。

なおクレカを保有するには、①資産価値のある住宅を保有している、②毎月の支払いを賄える収入がある、③信用スコア、収入、不動産価値等の特定の信用基準を満たしている、という条件をクリアしている必要があります。

HELOC

他融資との金利比較表

金利は年利7.99〜15.49%(2024年9月1日現在)の変動金利で、他のクレジットカードやローンなどと比較して圧倒的に低いことが謳われています。

上記の表にもありますが他の金利がどうかというと、アメリカにおける信用度の高い人向けの他のカードの平均年利は24%超だそうです。これと比較するとかなり低いですね。

月々の支払いは通常のクレジットカードと同様に行われるとのこと。支払いプランは2つあるようで、残高リボプランの場合は月の最低支払額は元本の 1%に未払い残高の月々の利率を加えた金額、固定月々支払プランの場合は毎月同じ金額を支払います。

残高移行

2.5%の手数料を支払えば、他のクレジットカードや個人ローンの債務を移行することもできるようです。移行後はAvenの低い利息で支払いを行える模様。

感想

アメリカの住宅ローン事情や日本との法制度の違いなどに疎いので、裏側の仕組みが色々と気になるところですが、不動産を担保にしたローンがこんなに便利かつスピーディに利用でき、利息の支払いも抑えられるのであれば利用者へのメリットは大きそうだなと思いました。また、サービス提供側として利息を下げる仕組みの作り方は参考になりました。自動車担保のローンなど今後のカテゴリ拡大もウォッチしていきたいなと思います。

いいなと思ったら応援しよう!