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海外FinTechサービス③フランス発のチャレンジャーバンク「Qonto」

大学院の夏季休暇期間に週1で海外のFinTechサービスをリサーチして記事にするシリーズ。

第3回となる今回はフランス発のSMB向けオンラインバンク/ファイナンスサービス「Qonto」を取り上げます。

<お断り>
・情報は記事公開時点のものです
・ChatGPT等を活用して翻訳していますが、翻訳や解釈に誤りがある可能性があります


サービストップページ

会社・サービス概要

2016年にパリで創業。ミッションには、
to create the finance solution that energizes SMEs and freelancers
を掲げ、フリーランスや中小規模の事業者に最適な銀行ソリューションを提供することを目指しています。2017年7月に「Qonto」をリリースし、今では50万社に利用されています。

累計で€622M(約1,000億円)を調達済みで、直近ではドイツの同業であるPentaを買収、今年にはフランス発の会計自動化SaaSを提供するRegateを買収するなどM&Aでの事業拡大にも取り組んでいる模様。加えて6月には海外送金プラットフォームの「Wise Platform」との戦略パートナーシップを発表するなど、事業拡大のスピードを早めています。

参考:

「Qonto」でできること

「Qonto」では主に以下4つの機能を備えています。

①オンライン銀行口座 & ビジネスカード
②請求書管理
③経費・支出管理
④会計管理

①オンライン銀行口座 & ビジネスカード

サービスページより

この機能では、以下が謳われています。

・10分以内にフランスのIBAN(※1)を使用してビジネス用の銀行口座を開設
・リアルおよびバーチャルのビジネスカード(Master)の発行
・SEPA(※2)即時送金および国際送金が可能に

利用には月額利用料がかかり、プランはBasic、Smart、Premiumの3つがあります。

カードの種類には、「The Metal X Card」というメタルカードがあります。月額€20万を支払うことで、外貨での支払手数料が無料になり、コンシェルジュサービスが付いてきたり、航空会社のラウンジ利用が優遇されます。

※1…欧州銀行協会と国際標準化機構(ISO)により策定された、銀行口座の所在国、支店、口座番号を一意に特定するための統一規格のコード
※2…EU加盟国を含めた32カ国において、国内外の区別なくユーロ建ての小口決済が行える地域・およびそれを実現するスキーム。SEPA決済対象となる取引は、送金・口座振込、自動引落し、カード決済の3つ。

また、オンライン銀行口座を開設することで資金調達も利用できるようになります。

資金調達方法はQonto後払いとQontoの資金調達パートナーからの調達の2つ。

Qonto後払いは、サプライヤーの請求書の支払いのために、最大€10,000を即時口座に入金でき、実質月利1.16% で3回に分けて返済する仕組みとなっています。

資金調達パートナーには、前回取り上げたSilvrなどSMB向けのサービスが並んでいます。

資金調達デモ画面 前回取り上げたSilvrも掲載

②請求書管理

請求書管理のトップページ

請求書管理機能のポイントは以下です。
・数クリックで請求書と見積書が発行できる
・ルールの設定により、請求書の支払いを自動化
・収入及び支出を一元管理

今では当たり前になりましたが、OCRでの読み取りやメールで受け取った請求書の自動取り込みなどの機能ももちろん備わっています。

③経費・支出管理

経費・支出管理機能のトップページ

"Painless bookkeeping"を謳っており、予算管理、経費処理、支払管理、キャッシュフロー管理等の機能があります。

予算のデモ画面

予算管理では部署ごとに割り当てた予算をリアルタイムで管理し、超過しそうになったら通知してくれます。ここはビジネスカードの利用と紐づけているでしょう。

キャッシュフローのダッシュボードデモ画面

ダッシュボードでキャッシュフロー全体を確認することができます。

④会計管理

ほぼ②、③で紹介した機能でカバーされるのですが、加えて80ものツールと連携しており、これにより決算がスピーディになります。

感想

銀行口座からビジネスカードの発行、会計処理まで一気通貫でできるので便利そうだなーと思いました。デモ画面が充実していて利用イメージが湧きやすかったです。

日本でも類似の領域をカバーしているSaaSが多く登場しているので、今後も注目していきたいなと思います。

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