海外FinTechサービス⑧"Capital as a Service"「Pipe」
大学院の夏季休暇期間に週1で海外のFinTechサービスをリサーチして記事にするシリーズ。
第8回となる今回は、"Capital as a Service"として資金調達プラットフォームを提供する「Pipe」を取り上げます。
来週から秋学期が始まるので今回で一旦終了です!
<お断り>
・情報は記事公開時点のものです
・ChatGPT等を活用して翻訳していますが、翻訳や解釈に誤りがある可能性があります
会社について
Pipeは2019年に設立されました。
2020年2月に業界初のサブスクリプション・ファイナンス・プラットフォームと謳うSaaSプラットフォームを立ち上げました。「売上のナスダック」と呼ばれるこのサービスは、SaaSの売上をもとに投資家から資金調達を受けられるマッチングプラットフォームです。
事業は順調に成長していましたが、2023年2月、CEOにLuke Voiles氏が就任。彼はSquareでSquare Bankingのゼネラルマネージャーとして、Square Loans、即時送金、Square Checking、Square Savingsのグローバル展開する組織を率いていた経歴を持ちます。
そして2024年4月に組み込み型金融の"Capital as a Service"をリリース。Podcastでは「直接融資から組み込み金融へ: ルーク・ボイルズが語る Pipe の価値提案の進化」というタイトルで、ビジネスモデルの変更がなされたことがわかります。
今回はその"Capital as a Service"について取り上げます。
プレスリリースによると、"Capital as a Service"を通じてすでに80万以上のマーチャントに利用されており、GPV(Gross Payment Volume)は1,000億ドルを超えているとのことです。
何ができるのか
「Pipe」は、事業者に対して資金調達ができるサービスの提供と、プラットフォーム向けに資金調達できるサービスを組み込めるソリューションの2つを提供しています。
このシリーズで紹介してきた、直接事業者に資金調達サービスを提供する「8 fig」と、プラットフォーマーに資金調達サービスを組み込むソリューションを持つ「Parafin」の両方の機能を兼ね備えていることになります。
<参考>
事業者向け
資金調達のオファーを受けるには、StripeもしくはSquareとChase Bankとのアカウント接続をするのみのようです。
オファーのデモ画面を見ると、SquareやStripeといったプラットフォームでの売上を基にしてオファーが出ていることがわかります。
支払いは、売上に対して一定割合が充てられるようです。デモ画面ではデイリーでの支払額を確認できるようです。
パートナー向け
Pipeのプラットフォーマー向け機能では、プラットフォーマーがわずか数日でユーザーに資金調達サービスを提供できます。
組み込み方は様々で、開発なしのターンキー方式でもリリース可能ですし、APIを利用して完全にカスタマイズすることも可能です。それぞれの組み込み方に合わせて、デザインテーマやSDK、APIドキュメントが用意されています。
テスト利用も可能で、パイロットプラグラムではインテグレーションなしでマーチャントのオファーを提示することができます。
感想
初期のサービスも非常にユニークですが、そこからエンベデッドファイナンスのイネーブラーとビジネスモデルを変革していった点も興味深かったです。今回のシリーズで紹介したように、トランザクションデータをもとにした資金調達サービスが多くあるので、イネーブラーへと戦略変更を余儀なくされたのは必然かもしれません。