ビジュアルシンカーとは?『ビジュアル・シンカーの脳』を読んでわかった自分の思考の発見(無料診断もあります)
読むきっかけはお気に入りの番組
『ビジュアル・シンカーの脳』を手に取ったきっかけは、お気に入りのYouTube番組『ゆる言語学ラジオ』での紹介でした。
そのエピソードで語られていたのは、「人間の思考には言語で考えるタイプと言葉以外の“視覚”で考えるタイプ(ビジュアルシンカー)がいる」という内容。これを聞いた瞬間、「もしかして私もビジュアルシンカー?」と胸がざわつき、さっそく本を購入して読みました。
自分の思考タイプに気づく
実際、私の頭の中をのぞいてみると——例えば人と会話しているとき、話の内容がイメージとして浮かんできます。何かを話すときも、まず脳内にイメージが現れて、それを言葉に変換するプロセスをたどります。ただ、急に自己紹介を求められたときなど、その場に適した言葉をすぐ出すのは苦手で、「あ…えっと…」とつい詰まってしまうこともしばしば。
インプロでの体験
わたしは趣味で即興劇(インプロ)を長年やっているのですが、そこでも同じです。シーンを演じるとき、私の脳内には鮮やかなイメージがパッと広がり、それに基づいて動きます。
でも時々、そのイメージが先走りすぎて、共演者や観客には伝わらず、
「なんでそんな展開になるの?」
とポカンとされることも。その後で
「こういうイメージが見えてて…」
と説明すると納得してもらえるのですが、その場で言語化するのはどうにも難しいのです。
ビジュアルシンカーの才能と社会
この本によれば、学校教育や社会の仕組みは、言語思考者によって設計されているため、ビジュアルシンカーの才能が埋もれがちになるとか。
この本によれば、学校教育や社会の仕組みは、言語思考者によって設計されているため、ビジュアルシンカーの才能が埋もれがちになるとか。
たとえば、アインシュタインは「言葉よりもイメージで考える」と語り、思考を視覚化することが彼の発明に繋がったといわれています。また、エジソンも従来の教育方法になじまず、独学で才能を開花させた例として知られています。こうした具体例を見ても、ビジュアルシンカーの価値が理解されにくい現状を考えさせられます。
また、本書では現在の建築物や乗り物の設計過程で、ビジュアルシンカーの能力が十分に活かされていないことが、事故の増加につながっているという指摘もあり、非常に興味深い内容でした。
判定テストで自分を探る
興味をそそられるのは、本書に掲載されているビジュアルシンカー判定テストの一部です。例えば、
考えるときは、言葉でなく、おもに絵を使う。
物事がわかるが、その方法や理由は説明できない。
目で見たことは覚えているけれど、耳で聞いたことは忘れる。
行く先は言葉で説明してもらうより、地図を見るほうがわかる。
ほかの人の気持がわかる。
周囲が思っている以上に物知り。
コンピュータに熱中する。
人前で話すのは苦手。
注:もちろん、言語思考者とビジュアルシンカーはパキッと二分されるわけではなく、グラデーションがあるそうです。
著者の背景と驚きの教育方法
この本の著者は、自閉スペクトラム症の当事者であり、自身がビジュアルシンカーであることに気づいたことで、建築設計などでその才能を発揮しました。また動物学博士としても活動し、動物の行動理解にも優れているのですが、動物もおそらくビジュアルシンカーだとのこと。
さらに、著者のお母様の教育方法が素晴らしいのです。それを読んでいると、
「私も、娘が小さかった頃にもっとできることがあったのでは…」
と反省してしまいました。
私と娘の子育て体験
実は、私の娘は就学前に広汎性発達障害と診断されました。おそらく彼女もビジュアルシンカーで、言葉でのコミュニケーションはスムーズではないことが多かった。私なりに、発達障害に関する本をたくさん読み、言語だけでなく視覚を活用する工夫をしてきましたが、手探りで不器用な子育てでした。それでも、今、彼女が自分らしく幸せに生きていることは、何よりもありがたいことです。
新しい視点を持つ
自分に対しても、周りの人に対しても、「もしかしてビジュアルシンカーかも?」という視点を持つだけで、これまでとは違った景色が見えてくるかもしれません。
気になる方、ぜひご一読ください。
追記
自分でこの文章を読み返してみて、「パキッと二分」や「違った景色が見えてくる」といった表現も、やっぱりビジュアルシンカーらしい言い回しだなぁ、とつい笑ってしまいました。
思考タイプ診断で新しい発見を
さて、この記事を読んで思考タイプに興味を持ったあなたへ。
実は、この本をもとにした『あなたの思考タイプ診断』をChatGPTと一緒に作ってみました。
たった8つの質問に答えるだけで、自分がどのタイプの思考をするのかが分かります。たった8つの質問に答えるだけで、自分がどのタイプの思考をするのかが分かります。
診断結果をきっかけに、新しい発見があるかもしれません。ぜひ気軽に試してみてくださいね。