色材つれづれ(その0)「経緯とコンセプト」
こんにちは。aiwendil (@aiwendil1 )です。
このたび、Twitterに放流していた色材情報をまとめる場所としてnoteを使ってみることにしました。
初めましての方に少し自己紹介。筆者は基本的には研究者くずれの技術者なのですが、作家活動もしておりまして、科学と芸術の架橋をテーマに色々と変なものを作っています。
作家として取り組んでいるプロジェクトの一つに「色材と絵画」というものがあり、その活動の一環で、色材そのものを "情景を表現するメディア" と考え、一種の作品として水彩絵の具を手作りしています。(そのあたりの詳しくはこちらをご覧ください。→http://aiwendil.secret.jp/Project_Test/Projects/enogu )
その関連と個人の興味の両方があって、顔料をはじめとした色材について理解を深めるため少しづつ勉強を続けているところです。ここでは、好きな顔料等についてマニアックにつらつらと書き連ねてゆく予定です。
ところで、筆者はいわゆる絵の具沼の住人でございまして、自分でもびっくりするぐらい色材にどっぷりとはまってしまっております。それも元をたどれば、発端は古典技法と水彩絵の具でした。
それらについて色々調べるうちに色材の歴史や顔料の世界に興味が行き着いたわけなのですが、当初は『どうして顔料の情報ってこんなふわっとしたものしかないんだろう?』と感じていました。ざっくり顔料といっても、青とか赤とかそういう物質があるわけじゃないはずで、そこに顔料名はあるけれど具体的にはそれ is 何? と思ったわけですね。
結論から言うと、私はその物質を規定するケミカルな物性情報が欲しかったわけなのですが、そこにはなかなかたどり着けず、文献をあっちこっちさまよった挙句に業界学術誌を見つけてようやく手がかりをつかんだ感じです。で、そこでやっと、画材分野での顔料情報と工業分野での顔料情報とケミカル分野での顔料情報は微妙に守備範囲が違うな〜というのに気付いたような格好で、これは広範囲にまたがる分野の業界あるあるなのかなと思った次第です。
今は関連学会に加入してゆる〜く情報を眺めながら少しずつ勉強させてもらっているわけなのですが、ようやく業界にどんな分野があるかとか、それぞれの分野の大枠とか、自分がわからない & 知りたいのがどの部分なのかがなんとなく分かり始めたところでもあります。
なので、こちらには、まだまだ勉強中のなかで興味のおもむくままに調べた事項をダラダラと書き連ねていくというのが基本スタンスです。
色材関連は情報が公知扱いされていたり、特許が絡んでいたりして文献の孫引きがしにくくて、なかなか一次情報にたどり着かない印象です。馴染みのある分野とはちょっとお作法が違うなと感じています。
ですので、なるべく文献情報も併記するつもりではありますが、総説や成書が多めになることをあらかじめご容赦ください。
それでは、色材つれづれ、気が向かれましたらお楽しみいただけると幸いです。