おすそわけ
オウムの仲間に『 ヨウム 』と言う種がいる。
このヨウムと言う鳥は、
自分が得をしなかったとしても
仲間を助ける行動がとれる。
【 利他的行動 】は、
ヒトを含む動物が、他の個体などに対して行う
自分が損をしたとしても
他者が利益を得られるよう
行動できることを言う。
対して「 利己的行動 」は、
本人は、利益を得るが、
他者が、そのために被害をこうむるような行動
を言う。
実験用のヨウムには、
先に コイン と 餌 とを交換できる事を
学習させてある。
実験用の箱は、
前面に、人間とヤリとりが出来るよう
足元には、コイン用の低い隙間 と
中央には、餌を入れてもらうための穴が有る。
隣合う鳥同士の間にも、
同じように穴が開けてある。
まず、隣接する穴を閉じ、
一方とだけ、コイン と 餌 のヤリ取りをする。
足元から出されたコインを 人が得て、
上の窓から、餌を提供する。
次に、上の窓を閉じて、
鳥同士が隣接する窓を開ける。
もう一方は、コインを持たない鳥である。
先ほどの鳥は、
お金を支払っても 餌 を得られない。
この時に、驚いたことに このヨウムは、
自身が餌を得られないにも関わらず、
隣の鳥へとコインを分けたのだ。
もちろん、隣のヨウムは、
このコインにより 餌 を得るのだが、
もとのヨウムに御返しする事は無い。
このヨウムは、
【 お金 】の概念を先に学んでいます。
カネが有れば、
餌を得られる事を知っているのに
なぜ、身銭をきって 隣の鳥を助けたのか?
人はパンのみにて生くるにあらず。
僕は、誰かが苦しんでいるのを見ていられない
自分のすべてを挺することはしないが、
もし僕の手が、
誰かが躓(つまづ)く前に差し出せたとしたら、
こんなに満たされることはないと思う。
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