タバコの話【前編】
2日に渡って、タバコは禁煙じゃなく卒煙が正しいというお話を。
喫煙者は毎日大変な努力をしてタバコを吸っている。タバコを切らさないように気を使い、お金を払い、周囲を見渡して吸える場所を探し、タバコをくわえて火をつける。
タバコをやめると聞くと、すごいことを始めるように感じるが、タバコを吸わないことをするのではなく、タバコを吸うことをしなければいいだけなのだ。つまり、何もしなくていいということ。
そう考えればこんなにも単純で簡単なことはない。何もしなければ、タバコをやめたことになるのだ。しかし、タバコの罠がやめることを少し難しくしている。
多くの喫煙者は習慣でタバコを吸い続けていると答えるが、それは違う。タバコは習慣ではない。喫煙者は必要に迫られ、タバコを吸わなくてはいけないから仕方なくタバコを吸う。
なぜ吸いたくもないタバコを吸ってしまうのか。それは依存性が非常に高いニコチンという麻薬物質が原因だ。タバコに含まれるニコチンは、ヘロインやコカインなどの麻薬と同じ精神刺激物。
タバコは吸うたびに肺から脳にニコチンが運ばれる。1本のタバコに火をつけると約15回吸引するため、つまりそれは15回麻薬を摂取したことになる。
喫煙後、体内のニコチンはすぐに減少を始め、禁断症状を引き起こす。ニコチンの禁断症状は非常に弱く、何かを失ったような喪失感や少しイライラするストレスがある程度。そこでタバコを吸えばすぐさま脳にニコチンが届き、不安は安心に、緊張はリラックスに変わる。
どの麻薬も手口は同じで、吸わないと苦しくなるがその時はタバコのせいだとは気付かない。タバコを吸えばその苦しさがなくなるため、タバコは良いものだと思い込み、中毒になる。
体内のニコチンは1時間で4分の1程度まで減少し、再び禁断症状を引き起こす。なぜひと箱20本入りで売られているか。それはニコチンの禁断症状に合わせての1日分が計算されているから。
喫煙者は習慣でタバコを吸っているのではなく、ニコチン中毒だから仕方なくタバコを吸っているのだ。
しかし、禁断症状のほかにもうひとつタバコをやめることを難していることがある。それについてはまた明日に。
まとめると、ミミズは心臓が複数個あるらしい。