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モネの睡蓮と振り返るわたしの2024年

この年末、仕事納めの前日(年休)に新幹線でビューンと上野へ。その目的は、国立西洋美術館 企画展「モネ 睡蓮のとき」へ行くこと!

どうしても、2024年のうちに行きたかった理由。たくさんの「睡蓮」と出会えたこの1年の締めくくりに、モネにひたりたかったから。

今回の展覧会のキャッチコピーは、
「ひたる。光に。モネに。」

会場前から並んでいたけど
とってもいい天気で、
そんなに寒くなかった!

さて、2024年は印象派が誕生して150周年の記念すべき年。わたしにとっては、たくさん旅行に行って、たくさんの美術に触れ合って、たくさん本を読んで、大切だなと思う人との時間を大切にして、自分を見つめ直すことができた1年だった気がする。

たくさんの「睡蓮」に出会えたので、あらためて、振り返ってnoteにまとめてみたい。

長くなると思うので、今回の展覧会について知りたい方は目次から最後の方に飛んでください!

そもそものはじまりは1年前、2023年の12月。上野の森美術館で行われていた「モネ 連作の情景」へ行き、モネの人生をもっと知りたいと思ったのがきっかけ。

そこから、原田マハさんの「モネのあしあと」や「ジヴェルニーの食卓」を読んで、さらにモネを身近に感じるようになった。

2024年4月@郡山「印象派 ウスター美術館展」

東北の地にこんな美術展が来てくれるなんて!という気持ちで開幕してすぐに足を運んだ。
わたしは4月生まれなので、素敵な31歳の幕開けだった!

パステルカラーの睡蓮
絶妙な色の重なり、輝きにうっとりした

2024年7月@直島「地中美術館」

夏のひとり旅にて。地中美術館のクロード・モネ室で、自然光に照らされながら5つの睡蓮と出会った。なんとも言えない贅沢な空間。時間を忘れて、心ゆくまで堪能した。

公式サイトより
自然光が降り注ぐクロード・モネ室
美術館までの道中は、ジヴェルニーの庭を模して
たくさんの植物が植えられていた

2024年7月@徳島「大塚国際美術館」

おなじく夏のひとり旅にて。大塚国際美術館で、オランジュリー美術館にある大装飾画の複製画(陶板絵画)を見た。屋外に展示されていて、まさに光に照らされていた。いつか必ず本物を見にフランスへ行きたい🇫🇷

夏の日差しに照らされる睡蓮
ぐるりと睡蓮に囲まれる

2024年8月@倉敷「大原美術館」

こちらも夏のひとり旅、最終日。大原美術館は、見応えたっぷりで時間があと2倍は欲しかった。絶対に再訪したい美術館の1つ。

睡蓮の蕾が可愛らしく、
爽やかな青や緑が印象的だった

そして、

2024年12月@国立西洋美術館「モネ 睡蓮のとき」

今回のモネ展で、モネが晩年まで表現を探りつづけた様子、情熱をあらためて知ることができた。そして、いかに自然や時間の移ろいや光、自然の生命力などをキャンバスに表現しよう奮闘としていたのか、ということを。

初めは「睡蓮」そのものにスポットライトをあてて描いていたが、後に「水面」へとモネの関心は移っていくことになる。

1897年≪睡蓮-夕暮れの効果≫
特に好きだった作品のひとつ
この頃はまだ睡蓮そのものにスポットが。なんとも言えないピンク、青、緑の組み合わせにキュン

連作としてのアイリスや日本の太鼓橋、柳。あらためて、モネが植物や花々をいかに愛していたかが伝わってきた。藤、アガパンサス、キスゲなどモネの庭の花々達が生き生きと描かれていた。

1914-1917年頃≪アガパンサス≫
今回アガパンサスのモチーフを初めて見た
なんとも言えない紫と緑、曲線の感じが素敵

モネの作品には不思議な力がある。
とにかくずーっと見ていたくなる。

近くで見ると色彩の美しさや筆のタッチ、色の重ね方に圧倒される
そして、遠くから見ると、水面に映る空や柳がちゃんと見えてくるから不思議

近づいて、離れて、近づいて。
その場から動きたくなくなる感覚。

近くでは決してわからないことも、少し距離をとって見てみると、それまで全然見えなかった全体像や色のハーモニーが目に飛び込んでくる。物事も一緒かもしれないな、なんて思ったり。

1916-1919頃≪睡蓮≫
今回のメインビジュアルにもなっているこの作品
水面の揺らぎや揺れる柳、ピンクの鮮やかな睡蓮が愛らしく嬉しそうに花開く様子にうっとり

この睡蓮の前で、たしかに風を感じた。少し経ってからは、人・人・人・・・で囲まれてしまっていたこの作品。早起きして、まだ人が少ない時に、この絵の前に来れてよかったなと思った。ほんのわずかの幸せなひとときだったと思う。

さて、幸せな気持ちはもちろんだけど、今回は見ていて苦しくて涙してしまう瞬間があった。それは、白内障を患い、見え方が変わってしまったモネが苦難しながら描いた作品たちもたくさん展示されていたから。

1918-1924頃 ≪日本の橋≫

これまでとは全く違う赤くて荒々しい感じの作品もたくさんあった。とてもとても苦しんでいても決して描くことをやめなかったことが伝わってきた。

白内障の進行とともに、「赤が泥のようだ」というようなことも言っていたらしい。幸い白内障の手術は成功するけれど、モネにとって見え方が変わるということがどれほど辛かったか。それでも創作を決してあきらめなかったモネの強さにも胸を打たれた。

行きの新幹線で小説「ジヴェルニーの食卓」を読み返していて、義理の娘のブランシュや親友のクレマンソーといったモネの周りの人たちにも思いを馳せてしまったから、余計泣けたのかもしれない。(PMSの感受性。笑)

そういえば、同世代の画家、ルノワールもリウマチを患っていて、晩年は腕に筆をくくり付けて描いていたということを思い出した。(10年前くらいにルノワール展へ行った時に知った)

芸術家はもう死ぬまで描くことをやめられないのだと思う。そこまで、人生に没頭できるテーマがあるというのはとても幸せで、一方でとても苦しいことでもあるのだろうということは、凡人のわたしでも想像がつく。

さて、いつまでも感想書けそう&いつものごとくまとまりがなくなってきたので、この辺りで終わりにしておきます。笑

色々と言葉にしようとしてしまったけど、本当に心でたっっぷりモネを感じる時間をこの年末に取ることができて、とっっても幸せなひとときでした。

最後に、音声ガイドの石田ゆり子さんの解説&テーマソング「私のモネ」もとても素敵だった。曲は、帰ってきてから何回も再生して、余韻に浸っている。

年末は休館のようですが、上野では2月まで。そのあと各地に巡回するそうです。興味のある方はぜひ〜!!モネにひたり、幸せな気持ちになれます!!

1914-1917年≪睡蓮≫
この作品も大好きだった
心が洗われる

モネにひたった1年

この1年、たくさんのモネ作品に出会った。
モネの絵を見ると、その色彩に心が癒される。そよいだ風を肌で感じる。緑や水の動き、光の移ろい、花々が喜んでいるように感じる。

一瞬で引き込まれるモネの絵にたくさんのパワーをもらった。モネに導かれ、本当に素敵な1年になった。

もともと好きだった美術鑑賞がさらに大好きになった2024年。わたしにとっては、「きっと振り返った時にターニングポイントの1つになるだろう」という予感のしている1年。

この気持ちを、ずっと覚えていたい。これからも、モネの睡蓮を見て、自分の初心を思い返そう。

時間の移ろいを大切に。
自分のやるべきことをこつこつと。
家族を大切に。周りの人たちを大切に。
歳を重ねても自分の表現を追い求める。

大変おこがましいけど、モネにとっての「睡蓮」のような、わたしにとっての「何か」をいつか見つけたいな、とも思う。

映像が見られるコーナーで、たぶん大学生くらいの女の子達が「髭がふさふさでサンタクロースみたい〜!」ってモネのことを言っていて、たしかに😊と微笑んでしまった

長生きして、たっっくさんの素晴らしい絵を描いてくれてありがとうと伝えたい

いつか必ずジヴェルニーを訪れたい!という夢もできた2024年になりました🌟🇫🇷

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。


おしまい。

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