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かいしゃのPC-98のHDDをSDカード化した話 Part2/x DOS起動まで

うまくいった手順

今回は結論から。

うまくいった組み合わせ

用意しておくもの

PC-98でMS-DOSが起動可能なフロッピーディスクに以下のツールをいれたもの

DOS起動用FDは98上のWindowsかDOS上でフォーマットして作ってください。
DOSV機上のWindowsからDOS起動用にフォーマットしたFDってPC-98に挿しても起動できないんですね。わたし最近まで知りませんでした。

※ツール作者のまりもさんは神↓

SDカード

PC本体の年式によって認識できる最大容量がありこれを超えるものは使えません。
~1994/6出荷モデル:544MB →512MBのSDカード推奨
~1997/5出荷モデル:8.46GB →4GBまたは8GBのSDカード推奨(FAT32で使うのなら2GBは非推奨)
1997/5~出荷モデル:33.8GB →同上(でも16GB以上は非推奨)

一部は限界突破する方法があったりしますが本筋から外れるので割愛します。必要でなければネイティブで認識できる容量のSDカードを使えばいいと思います。

IDE変換アダプタ

PC-98のなかでも型番によって使える組み合わせが違いました。

変換名人SDHC-M40B(JAN 4571284888401) ※変換チップ=FC-1306
→9801BX2、9821V13、9821V20で動作した。
→9821Xa20では認識されなかった。接続していると起動できなくなる。

ノーブランドSD35VC0 ※変換チップ=FC-1307
→9821Xa20で動作した。

ノーブランドExtreme CF Adapter ※変換チップ=FC-1307
(さらに任意のCF-IDE変換を組み合わせて使います)
→9821Xa20で動作した。

ケーブル

4ピンペリフェラル→4ピン小(FDD電源変換)変換ケーブル
98のPSUから出ているFDD用の電源コネクタは12Vが未結線で5Vしか供給されていないんですね。それで動く変換アダプタが多いようなんですが4ピン大から変換するのが良いと思います。

4ピン電源延長ケーブル
電源が届かない場合のみ。

IDEケーブル
これもM/B直挿しタイプの変換アダプタを使用する場合は不要です。
「80芯」「長さ46cm」で「両端40ピン対応」の「フラットケーブル」が望ましいです。
2024年12月現在、PN-ATA-45という型番で280円くらいで売られているものがずばりそれでした。

理由など

  • 付属の短いケーブルではPCIスロットのブラケットを利用するタイプの変換アダプタを設置する場合にそこまで届きません。46cmのものが万能(46cmは信号の反射も考慮した指定長でありこれより長くても短くても通信エラーが出やすいそうな)

  • PC-98にもともと使われているの40芯ケーブルは品質が悪くファイルコピー中にトラブルが起きやすいので交換推奨

  • 後発のATA100や133に対応の80芯タイプ(40ピンだが信号線とGNDを交互に配置)がIDEケーブルの最高品質品です(ラウンドのシールドケーブルよりもリボンのほうがトラブルが少なかった)

  • 一般的なIDEケーブルは39ピンだがPC-98シリーズのM/B側のコネクタは40本ピンが立っており物理的に挿せません。40ピン対応の全穴タイプのケーブルを見つけるか39穴タイプをドリルで加工して挿せるように改造します・・。

DOSが起動するところまでのセットアップ手順

作業をする前に念のためBIOS設定を工場出荷状態に戻しておく

キーボードのHELPボタンを押しながら電源を入れるとBIOS画面に入れます。
ここでHOMECLRボタンを押すと工場出荷状態に戻るので、その状態で↑↓キーで項目を選択して終了を選ぶと変更が反映されて起動します。

MS-DOSを起動する

IDEポートにSDドライブを接続した状態でFDD(または別のHDDなど)からMS-DOSを起動します。
認識できる容量のSDカードのはずのに起動しない場合はその機種と変換アダプタが動作しない組み合わせなのかもしれません。
ここで諦めた人も多いみたいです。
私はここから5種類も6種類も変換アダプタを買ってしまい沼りました・・。

領域確保する

fdsk98をつかいます(Windows9x系に付属のfdiskでも可)

  1. DOS上でFDSK98とタイプする

  2. 内蔵固定ディスクの一覧にSDカード(表示名は変換アダプタによるので容量で判断する)があることを確認し、それを選択する
    まずボリウム管理→フォーマット形式初期化から98形式を選択する
    (実行するとSDカード内のデータはすべて消える)

  3. 領域確保を選択し任意の容量でパーティション領域を作成する
    ディスクの全体容量が表示されるので最大容量を確保する場合はそれを見て同じ数字を入力する、4GBのSDカードなら3771MB等。
    4GBのSDカードの時に2048MB、8GBのSDカードの時に4096MBなど半分程度で確保しておいて後で第二、第三パーティションを作成してもよいでしょう。

※どうもWindows95A(=OSR1のこと)はFAT32を認識できないようなので、95Aで利用する場合はFAT16でフォーマットします。FAT16が対応している最大容量は2047MBなので1領域のサイズを2047MB以下で作成します。

確保した領域をフォーマットする

formatxをつかいます(Windows9x系に付属のformatコマンドでも可)

  1. DOS上でFORMATXとタイプする

  2. 内蔵固定ディスクの一覧→そのディスクのパーティション領域の一覧が表示されるので先ほど作成したものを選択してフォーマットする

※クラスタサイズの選択について
FAT16形式→選択不要
FAT32形式→2~8GBの領域は8kBを推奨

「電源を切らずに」再起動

alt(GRPH)+ctrl+delで再起動し再び1.と同様にMS-DOSを起動させます。
こうすると例えばSDカードのドライブ1つとFDD1台の構成でFDDから起動した場合
A:=FDD
B:=SDカード
という状態で起動するはず。
※PC-98のドライブレターは自動割り振りのみで任意に変更ができません。

一部のIDE変換チップではここで電源を切ってしまうと未フォーマットに戻ってしまうので注意!!

conv98atをかけます

この工程には
一部のIDE変換チップの不具合(電源を切ると未フォーマットに戻る)への対処
SDカードの内容を98とDOSV両方で読み込めるようにする
という2つの目的があります。神ツールだなあ・・

  1. DOS上でconv98とタイプする

  2. 内蔵固定ディスクが自動選択された状態で起動するのでSDカードのドライブが選択されていればそのまま、違っていれば選択しなおして先へ進む

  3. 上記の一覧で固定ディスクの表示名が「FC-1307」となっていたらこの後の「一部のSD-IDE変換器用の特別な対策を行いますか?」にはyと答えて実行する。
    1306等別の型番であればこの質問にはnと答えて実行する。

MS-DOSをインストールする

DOS上でsys b:を実行(b:部分はSDカードに作成した領域を指定)
その時起動しているDOSのシステムがSDカードにもインストールされます。

ここまでで内蔵HDDとしてPC-98上でMS-DOSが起動可能なSDカードが完成します。お疲れ様でした!

起動がHDDよりちょい速いくらいになるのを体感できるかも知れません。できないかも知れません。
たぶん多くの人は速度よりも、この時代の超うるさいHDDが完全に無音になる快適さをまず感じられるのではないでしょうか。
また壊れたときに簡単に差し替えできることや、普通のPCのカードリーダーでこのSDカードの中身にアクセスできる利便性がすごいです。
お仕事に必要なファイルはカードリーダー経由でコピーしちゃいましょう。

つづく
次回は98のSDカードドライブからWin95を起動させた手順です。

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