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Startup Weekend審査基準解説その③~Business Model

はじめに

前回に引き続き、Startup Weekendの審査基準について解説していきたいと思います。今回は三つ目の審査基準「Business Model」すなわち「ビジネスモデル」についてです。

一つ目と二つ目の審査基準「Validation」「Execution and Design」については下記記事をご参照ください。

また、SWって何?という方は、先だってのファシリテーター就任所信表明内で記載しておりますので、そちらをご覧いただければ幸いです。

審査基準③~Business Model~

ということで、三つ目の審査基準について。「ビジネスモデル」というと、「あぁ、はいはい、ビジネスモデルね」という声も聞こえてきそう、かつ、それぞれの人が思い浮かべる含意は異なるのが世の常ですが、SWではもう少しブレイクダウンして表現しています。

項目①~How do you plan on making this a successful business?~

日本語訳すると「このビジネスをどのように成功させるつもりですか?」あるいは「このビジネスを成功させるためにどのような計画を立てていますか?」ですね。

さて、ビジネスの成功って何でしょう?
ここは、正直なところ審査員によっても解釈が分かれますし、それこそファシリテーターとしても解釈が分かれます。SWの公式見解として何か正解があるわけではないと(少なくとも私は)捉えています。
だからこそ、この審査基準の解説を公開しても優勝できるわけではない、という事でもあったりします。いくら優れたレシピを公開しても「美味しい」という基準が人それぞれである、というのと一緒ですね。

なので、私がファシリをする際に審査員にはこう伝えています、という点を書かせていただくと「規模の大小は問わず、行政の助成金や補助金を使わずに持続的に発展し続けられるビジネスになっているか」です。

意外に思われる方も、異議を唱えられる方もいらっしゃるかもしれません。「スタートアップとはJカーブを描いてなんぼ」と言われる方も居るかもしれませんが、私的には、少なくともこのSWを通じて、きちんと、まずは特定の誰かにでも構わないので価値を提供してそこからきちんと対価を得られるような構想を描き行動できるような人たちが増えていってほしいと考えています。

これが東京で行うSWだったりそれこそシリコンバレーなら話は変わってくると思います。その辺にVCはゴロゴロいるでしょうから(言い過ぎとは思いますが)。

ただ、現実的にはSWは全国各地で開催されており、中には人口数万人の地域(あるいはそれ以下)もあります。その様な中でJカーブの話をしてもイベント後に続くでしょうか?絶対に続かないとまでは言いませんが、少なくともSWが目指しているのは起業家を増やしていく事であって、その起業家が起こす業の戦略がStartupに限る必要はないはずです。

であるならば、地域の中で次につながるような、応援されるようなビジネスを構築するのも一つの意義があると思っています。
また、補助金や助成金を完全否定するものではありませんが(実際に私もその担当をしていますし)、ビジネスとして考えたときに、それをあてにするのは二の次として捉えたほうが間違いなく良いと捉えています。

ということで、この項目についてはファシリによっても考え方は違うでしょうからこの位にしておきます(という割には長すぎますが)。

項目②~Are you solving a problem?(value proposition)~

こちらは訳すと「あなたは課題を解決していますか?」ということです。
どこかの誰かの「対価を払ってでも解決したい痛み」をきちんと解決できる、すなわち対価を支払っても良い、と思わせられているかどうかです。

流行に乗って課題の深掘りをおざなりにしてませんか?
安易に広告モデルに逃げてませんか?(というより、広告モデルをなめてませんか?)
それこそ補助金、助成金頼りになってませんか?

そんな問いかけを自らに行ってみていただきたいです。

項目③~Is your idea unique?~

こちらは「あなたのアイデアはユニークですか?」という事です。もはや訳しているとも言えませんね(笑)

要は競合に対してきちんと考慮されていますか?という事です。
ただし、競合という概念は結構誤解されています。
この辺りは私が説明するよりも、知人であり私の知る限り最も分かりやすい言葉でマーケティングの概念を解説してくれている”みんなのマーケティング”Qちゃんのこちらの動画を見てください。

…見ていただいた前提でいうと、競合比較として並べる相手を間違えてませんか?という話ですね。

また、別の角度でいうと、「今世の中に存在しないことはこれまで誰かがやって失敗した事ばかり」という考え方もあろうかと思います。
同じことを思いついた人は1万人いて、その中に実際に行動へ移すのは1%すなわち100名以下、その中で成功するのは1%と考えると、新しいことを思いついたところで、実際には思いついたこと自体に価値はなく、行動で実証することに意義があるという事です。すなわちNo Talk, All Actionですね。

終わりに

三つ目の審査基準、「ビジネスモデル」についても簡単に解説しましたがいかがでしたでしょうか。

ざっくりいえば「頭を使ってビジネスを考えたか」という事ですが、結局はフィードバックを得ながら経験しないと分からなかったりしますよね。

ですので、SWを活用し、ビジネスについて考える機会を増やしていっていただきたい次第です。
「最もヒットを打つのは、最も打席に立った人である」と同時に、「アウトにならないヒケツは打席に立たないことである」というのも事実です。
皆さまはどちらの道を歩みたいと思いますか?

さらに言えば、SWはあくまでも「体験の場」です。体験を積むことはとても大事ですが、いくら体験ばかりを繰り返していても、実践にはなりません。
「学びて習う、また楽しからずや」という言葉もある通り、学んだあとは習う(実践する)ことが楽しみとなるよう歩みを止めないで進み続けていただければ幸いです。

そんなこんなでSWの審査基準、お楽しみいただけたでしょうか?
これらの記事が読んでいただいている皆さまの次の一歩の一助となれば幸いです。

それでは、私は今から初開催となるStartup Weekend人吉球磨を楽しんで来ようと思います。(集合時間遅刻中)
皆さまもNo Talk, All Actionで参りましょう!

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糸川郁己
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