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#44 "fragile teen" は強い

脆い(もろい)と言うと、何となくネガティブな意味が思い浮かびますが、時には”強み”だと思います。”ワレモノ注意”というステッカーと一緒に”Fragile”という英語表記を見かけます。「ガラス製品は脆い」”Glassware is fragile”のですが、脆いものが、必ずしも”固いもの”というわけでもありません。例えば、”豆腐” tofu も脆いですよね。

 人間が”子供”から”大人”へ成長する”ある時期”は、”取扱注意”で”脆い”時期と言えると思います。「ガラスの10代」とは、13~19歳のティーン・エイジ(teenager)のことで、”傷つきやすさ”と、限界を超えると変形せずに折れやすく、まるで”ガラス”のようです。(キラキラしていて”透明”という意味もあるかも知れませんが。)20過ぎたら身体の成長は止まり、精神の成長が継続・熟成する時期になります。

 自分の高校生活を振り返ると、ガラスのような”繊細さ”からは遠く、”オソレとケイサンを知らない10代”だったと思います。通学バスの中で友人との会話では「芥川はいいけど、志賀はイカン!」と呼び捨てにし、夏休みの読書感想文には「志賀直哉の暗夜行路、自分でも書ける!」と書き提出していました。国語の先生からは授業中に、「この中に”小説の神様”と呼ばれる作家に、無礼な言葉をのたまう若さゆえの恐れを知らぬ”ご仁”がおる。」と、ニコニコ顔で私の方を見ながらクラスメートにお話しされました。”大人”になってから思い返すと、確かに簡単には書けないなとは思っています。(まだ、私小説ならかけると少しは自分でも、、、まだ若いです。)

 歯並びの矯正をするときには、金属の冶具を用いてストレスをかけ時間をかけ思う方向に移動させるようです。急がない、適当なストレス、長く根気よく、がポイントのようです。アゴや歯は固いですが、ある時期は土台が意外と”flexible”です。中高生の時期は、いわば人生の土台を作る時期で、その時々の目標で方向が変わるので、時々?ストレスをかけて方向を”矯正”・”対応”できる時期だと思います。(大人になってからも可能ですが、ストレスが大きかったり、”反作用”があったりします。)

 タイトルの”fragile teen”は、私が勝手につけたものなのですが、いい訳が浮かびません。「柔らかく脆い10代」? 「作りかけの10代」??