#94 ”海洋大循環” お気に入りのTED talk(9)

「水」は巡る

アニメと粘土(クレイアニメ)でわかりやすく説明されている、4分半の短い「海の水の流れ」に関するお話です。

毎秒2から3センチメートルしか進まない海水の流れがあるとは知りませんでした。風、月の引力、地球の自転、塩分濃度などなど、いろいろな効果が重なり合って、地球上の水は循環しているんですね。水は比熱が大きく、プランクトンなど生物の栄養分も含んでいるので、水の循環ということは熱の平均化と、栄養分の補充にも大きな役割を果たしています。1000年かけて海の中を”一巡”するというこの大循環、スゴイです。

 水は重力の影響で平らになろうとして、温度の上昇で水蒸気となり、冷却で雨となって降ってきます。

「お金」は巡る?

 さて、「カネは天下の回り物」というけれど、本当に循環しているのでしょうか?水とは違い、おカネに対しては人間の”欲”が作用するので、なかなか”大循環”は起きていないような気がします。(毎秒2センチメートルの移動があるのかもしれませんが(笑)。でも方向は外向き??)

「情(なさ)け」は巡る

「情けは人のためならず」というのは、誰かにかけた恩は巡り巡って、きっと自分に返ってくるというコトワザだそうです。英語では、"pay forward"というのだと思います。私自身も、ずいぶん前に米国ボストン市の地下鉄で、MITの前からホテルまで帰ろうとして地元の交通切符を買おうとしたところうまく自販機で買えずにいて困っていたら、通りすがりのビジネスマンが話しかけてきてくれて説明したら、「買ってあげるよ」と言って私にくれました。お金を払おうとしたら、”pay forward, please.” と言われたことがあります。あの体験をしてから、外国の方が日本の町で困っていそうだったら、以前よりも積極的にこちらから声をかけるようになりました。

親子、兄弟、親戚、友人以外にも、見ず知らずに人の間でも「優しさ・情け」は、きっと伝わっていくと思います。(毎秒2センチメートルかもしれませんが、、、。)人間の寿命は、さすがに1000年もないので、自分のところに帰ってくるのを感じることはありませんが、”バトン・リレー”は続くと思っています。