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【ライターの本棚】『おつかれ、今日のわたし』ジェーン・スー
日々を過ごしてると嫌なことってある。
そんなつもりじゃなかったのに思わぬ攻撃を受けることになったり、全力でやったことを評価してもらえなかったり、やらなきゃいけないからやってるのに心を削がれたり。「今大丈夫なフリしたけど、わたしは傷ついた」と思うことが沢山あったりする。
わたしにも非がある場合もあるし、完全にもらい事故の場合もある。いずれの場合にもそういう気持ちになった時は、とにかくわたしは傷ついたんだ!って、悲しかったんだ!って、自分の中で声を大にして言うようにしてる。相手にそんなことは言えないけれど、少なくとも自分の中で認めてあげる。わたしはそれだけで心が軽くなる。
こんなふうに思えるのは、まさにこの本のおかげだ。
『おつかれ、今日の私。』ジェーン・スー
著者本人の経験や友達のエピソード通じて、ただただ読み手を優しく包んでくれるような48篇のエッセイ集だ。タイトルの通り、読み手に「おつかれ」って言ってくれる内容が溢れている。
「わたしに向けての言葉か!?」と思うくらい、モヤモヤを抱えて、我慢してしまいそうなときにグッとくる。
読み終わった時、自分自身にちゃんと「おつかれ、今日のわたし」って思わず言ってしまった。
とにかく著者のジェーン・スーさんは、相手を思いやる愛情と、物事を俯瞰して見る冷静さを兼ね備えているように思う。だからついつい引き込まれて、一気に読み終わってしまったほど。
Webでの連載も読んでいたのに、その時よりもはるかに今の方がグッと刺さった気がする。それはわたしが今この瞬間にかけて欲しかった言葉が散りばめられていたからだと思う。
こっちまで来て寄り添ってくれる書き手
わたしは20代の終わり、大失恋をしたときにスーさんの本『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』に救われた。特にその中に「女友達がピットインしてきました」というエッセイがあり、まさに失恋をした友達への想いを綴ったもの。スーさんも落ち込むその友達を見守りながら、心がギュッとなったり揺れ動いたりしながら書いたんだろうなぁと思うようなエモーショナルで優しさが端々から溢れる内容だった。
その後わたし自身の人生に大きな変化がたくさんあったけど、スーさんの新刊は必ずチェックしていたし、スーさんがパーソナリティを務めるラジオやポッドキャストを聞いたりして、常にスーさんに寄り添ってもらっている。そんな気がしている。(実は、ラジオの生放送でスーさんにプロポーズを後押ししてもらったことはわたしたち夫婦の一生の思い出。)
人に認められることより、まず自分に寄り添えること
この本を通じて痛いほど感じたことは、いかに「自分に寄り添ってあげる」ができていなかったか、ということ。
最近、全部もう嫌だなって疲れちゃったなって思うことがたくさんあって。がんばってるのにな。もういっぱいいっぱいなのにな。って。
でもそれって、多分誰かから評価されたいとか、頑張ってるって言ってもらいたいとか、そういう外的要素を求めているからが故に思うのであって、がんばっている自分をわたし自身が認めてあげられないのかもしれない。
この本を読んでそんなことに気付かされた。
だからわたしは今日から「自分自身に寄り添う」って決めた。誰に評価されるわけでもなく、わたしが頑張ったって思えればそれでいい。周りのことを気にしすぎる自分とはお別れしよう。
そしてわたしにはスーさんの言葉があるから大丈夫!そう思ってまた明日から頑張れそうだ。