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【Greenspoon×アイザック対談 前編】挑戦するスタートアップの様々なカタチ〜企業の挑戦と資本政策の関係とは?
アイザック公式note企画「非上場志向スタートアップ対談」。第二回目は、食体験を通じて「自分を好きでいつづけられる人生を」をビジョンに掲げ、今年江崎グリコ株式会社へのグループ入りを発表した株式会社Greenspoonより、取締役COOの黒崎 廉氏をお招きしました!アイザック執行役員COOの細田と共に、「様々な形で挑戦を続ける、スタートアップの魅力」について深掘りします。
💡「非上場志向スタートアップ」とは
一般的にスタートアップとは、新しいビジネスモデルや市場を開拓し、社会にイノベーションを生みだすことで、起業から短期間で急成長を遂げる企業のことを指します。近年では早期の事業・組織拡大を目的に外部から資金調達をしながら、上場を目指す潮流が生まれています。
一方で私たちアイザックのように、必ずしも上場することをゴールとせず様々な形で挑戦し、成長を目指す企業を「非上場志向スタートアップ」と定義しています。
スピーカー紹介
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ITサービスやAIの開発を行う株式会社ワンオブゼムにて事業開発PMを担当し、様々なWebサービスのグロース事業に従事。その後、2019年5月に代表の田邊、小池と共に株式会社Greenspoonを共同創業。 現在は事業責任者として顧客体験に紐づくサービス設計、マーケティング全般を担当。
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2011年より楽天オークション株式会社に入社しマーケティングチームのマネージャーを務める。その後、株式会社ミクシィでCtoCサービス、マッチングアプリのマーケティング責任者を歴任。フリーランスで20社以上のマーケティング支援を経験した後、トリコ株式会社にCOOとして参画。ポーラオルビスグループへのM&Aを経験した後、退任。2023年1月よりアイザック株式会社のCOOに就任。
企業の挑戦と資本政策、「本質的には全然関係のない話」
――今回の対談実現の経緯について聞かせてください。
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(細田)一般的に「スタートアップ」として話題になるのは上場を目指し外部調達をしている企業が多く、アイザックのように自己資本経営だからこそ事業の成果を早期に求めず「自分たちが本当にやりたいこと」に向き合う企業の挑戦は、世の中に見えにくいのではないかと感じています。
資金調達や上場は自分たちが目指す世界に近づくための一つの選択肢であって、挑戦するスタートアップの形は色々あるのに…もっと挑戦そのものにフォーカスしてスタートアップで働く魅力を伝えられないかと思い、今回の企画に至りました。
前回は播口が、上場を目指さずとも大きく成長し続けているDMMのCOO村中さんにお話を伺いましたが、僕が話をするなら(黒崎)廉くんしかいない!と思いお声がけさせてもらいました。
(黒崎)細田さんとは前職共通の知人も多くて、いつかCOO同士で対談できたらおもしろいねと話してはいたんです。Greenspoonは今年6月にGlicoグループ入りをしています。この経緯については代表の田邊もnoteで語っていますが、グループ入りは決してゴールではなくて、これからもさらに挑戦をしていくよということをお話させてもらえたらなと。
ーー「挑戦するスタートアップ」で働きたい人にとって、上場・調達というのはキーワードになっていると感じられますか?
(細田)採用活動をしていると、特にビジネス職の方は情報感度も高く数字に対する意識も強いので、資金調達や上場への関心は強いなと思いますね。
(黒崎) 面談や採用面接で「上場を目指すのか」という質問は結構されますよね。職種によっては、自分のキャリアとして「上場」を経験したいという方もいるんじゃないかなとは思います。
(細田)完全自己資本で面白いチャレンジをしている企業の数って多くはないですよね。もしかしたら、スタートアップにとって資金調達に関するニュースこそが社会的にインパクトがあるものとして拡散されやすく、挑戦している企業=外部調達というイメージがついているのかもしれません。
アイザックであれば自己資本100%だからこそできるニュース、今のGreenspoonだからこそできるニュースの出し方があって、結局その自身が決めたフィールドで頑張るしかないんですよね(笑)
(黒崎)色々な制約がある中で、僕達は調達リリース以外で話題を作ってきました。挑戦しているかどうかと外部調達って全然関係のない話で、どういう資本政策でも良いチームで高い熱量を持ちながら良いプロダクトやサービスを出していれば、ニュースは作れるはずです。
求められるコミットメントと、スタートアップならではの熱い組織づくり
ーープロダクトを生みだす上でチーム作りは大切ですね!Greenspoonさんはどんな組織ですか?
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(黒崎)今は20人くらいです。人を増やしたら伸びるビジネスモデルではないので、スモールチームでここまできています。もう少し増えても良いとは思いますが、その分成果を一人ひとりにちゃんと多く返したいという意図もあります。
(細田)Greenspoonって「仲間」感が強いですよね。(代表の)田邊くんの成果やコミットメントを求める熱い性質が影響しているのかな?
(黒崎)していると思います。田邊は創りたい未来ややりたいことに熱量があるので、それに共感したメンバーみんなで実現しようとしている感じですね。それが会社のビジョンということなんですが、同じ未来を共有しながらみんなで走ってます。
あと人が好きなんですよね、田邊も僕も(笑)。ありのままの人間性で仲間と接して組織作りをしてきていて、それはちょっと特殊かもしれません。
(細田)アイザックは70人規模になりましたが、事業は今10個以上あってそれぞれが小さな会社のようになっています。事業部ごとにカラーは違いますが、Slackでの達成報告に直接関わらないチームのメンバーからもたくさんスタンプがついたり、悔しさや感動で時には涙を流すメンバーもいたりとスモールチームならではの熱い組織づくりができているかなと思います。公式イベント以外の飲み会も盛んですね。
お互いを補完し合う、CEOとCOOの関係性
ーー代表のお話が出ましたが、CEOとCOOの距離感や役割ってどういうものなんでしょうか?企業ごとに違いますか?
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(細田) 理想の関係性は、お互いの不足を補完し合うことだと思っています。ただ田邊くんと廉くんって、キャラクターは全然違うけど同じ方向に向かっているじゃないですか。どういう関係なのか結構気になるかも。
(黒崎) 大前提として本当に仲の良い友達で、役割で言うと田邊が「あっちに行こう!」と指し示して、僕がそれを実現するような関係性です。何か新しいものを生み出そうとしたときに、「あっちに行こう!」と言うだけではたどり着けない。二人で一緒にやった方が早く遠くにいけるよね!という感覚でこれまでやってきていますね。
細かい特性は似ている部分もあるけど、やっていることは補完し合っていると思います。
(細田)社長という生き物って、あっちに行きたいって譲らないじゃない? やり方はわからないけど、行きたい!みたいな(笑)。
(黒崎) 僕と田邊はそのあたりの感覚が近いんですよね。田邊の「行きたい」に共感できるし、その先にどういう未来があるのかをパッと想像できる。根底にあるのは「誰かのことを楽しませたい、喜ばせたい」ということで、昔よく結婚式の2次会の幹事とかいつも2人でやっていたんですが、会社もその延長に近い感覚がありますね。
(細田) なるほど。僕とはちょっと違いますね。僕は振り回されたいタイプで(笑)トップの描く無茶な未来予想図を聞いて「しゃあないな、やりますか!」というのが心地よかったりします。
僕自身が結構振り回すタイプなので、トップにはさらに自分の想像の斜め上を行ってもらわないと満足いかなくなる時とかはありますね。
COOの仕事は、COOの役割をなくすこと?
ーーCOOならではの苦悩ってあるのでしょうか?
(細田)COOは意外と好き勝手できるんですよね。社長がどれだけ強引で無茶なゴールを指し示しても、そこにいくまでのルートって実は結構ある。
アイザックの田中も播口も、きっと田邊くんも達成の方法についてはあれこれ口を出さないんですよね。そこに連れて行くから信じて!という気持ちは持っています。
緻密な戦略なしにいきなり「やろうぜ!」で始まる事業を形にしていく、届けていくことが、COOの存在意義なんじゃないかと思いますね。
(黒崎)COOって何だろうってたまに話すんですけど、本当に各社違うんです。経歴も元CFOやHRまで色々で。とあるカンファレンスでこれに近い話があって、1番大事な経営アジェンダを解決していく人がCOOであるというのを聞いて、すごくしっくりきました。
(細田)事業や会社が成長していくと、各分野ごとのプロをいっぱい採用できるようになりますよね。ファイナンスのプロやマーケのプロが入ってきた時にCOOのキャリアってどうなるんだろう?僕ら人間性でも勝負してるじゃない?(笑)
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(黒崎)その疑問はある(笑)。事業や組織のあらゆる課題を解決することがCOOの役割なので、究極は「自分の仕事をなくすことそのものが仕事である」みたいな感じがありますよね。
このポジションに自分よりすごい人をアサインしよう!を続けていく。でもまた新しい重要なアジェンダが生まれて、それに必要なことをやっていく。本当に未来は何をやっているのか、分からないですよね(笑)。
(細田)ちなみに、「社長がやりきって、新しいことにチャレンジしたい」パターンで社長になるCOOって結構いるじゃないですか。
万が一そうなったとしても、僕はその時に「お前も来いよ」って言ってほしいんですよね。あとはよろしく!と託されるより、また無茶なチャレンジをするから、お前が必要だと思ってもらえるような成果を、色々振り回されながらも残していきたいと思っています。
ビジョンを生み出したのが一番の成果⁉︎
ーーこれから先も、社長とずっと一緒にチャレンジを続けたい?
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(細田)アイザックの「面白いことやろうよ!」の良さは多事業展開にあると思っているので、今ある伸びている事業を残して新規事業を全く別の会社でやるからよろしく!と社長がなることはないと思いますが(笑)
(黒崎)アイザックは、社長が実験する組織や場所作りをしたくて立ち上がった会社なんですか?
(細田)田中はエンジニアなので、ゼロから作りたいんですよね。常に0→1、0→0.5の事業立ち上げを無限にやりたくて、100にするのはメンバーに託せる人です。そのためには優秀な人材が必要だから、組織づくりにも注力していますね。
(黒崎)なるほどなあ。会社立ち上げの目的や会社を創ったことによる成果って各社いろいろですね。
Greenspoon創業からの一番の成果は、すごい極論を言えばビジョンである「自分を好きでいつづけられる人生を」を作ったことだと思うんですよ。
このビジョンをつくった時点で、あとはもうこれに向かうのみで、組織をつくって採用していったら、勝手にそういうものになっていった感覚。
だからアイザックも根源の興味が湧くところ、今までになかった「世の中を実験する」というコンセプトの会社を生み出した時点でひとつ仕事が終わっているのかもしれないですね。
(細田)たしかにうちは本当にずっと昔から「実験したい」というのを言い続けていますね。自己資本100%を貫いているのもそれを叶えるためというのが大きいですね!
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今回は、Greenspoonとアイザックを例に「挑戦するスタートアップ」全体のお話から、COOの役割について伺いました!後編では企業の成長過程における組織の変化や、ユーザーへの価値提供を大切にする文化についてお届けします!お楽しみに!