【Greenspoon×アイザック対談 後編】「楽しくないことのほうがリスク」挑戦するスタートアップで活躍するのは、意思決定を恐れない人
アイザック公式note企画「非上場志向スタートアップ対談」。第二回目は、食体験を通じて「自分を好きでいつづけられる人生を」をビジョンに掲げ、今年江崎グリコ株式会社へのグループ入りを発表した株式会社Greenspoonより、取締役COOの黒崎 廉氏をお招きしました。
前編ではアイザック執行役員COOの細田と共に、資本政策と企業の挑戦の関係性からCOOの役割についてなど幅広く深堀り!後編の今回は、組織づくりの考え方や、両社に共通する"ユーザーの幸せ"の追求についてお届けします!
▼前編はこちら
スピーカー紹介
グループ入り後も変わらない、ユーザーへのフルコミット
――Greenspoon社がGlicoグループ入り後、変化した事はありますか?
(黒崎)「自分を好きでいつづけられる人生を」というビジョンを叶えるためにグループに入ったわけですが、より純粋にユーザーの幸せに向き合えるようになったと感じています。
まだまだプロダクトを届けられていない人たちがたくさんいるので、より多くの人に届けたい、誰かを幸せにしたいという思想でやってきました。そこはグループ入り後も変わりませんね。
結果的にグループ入りはしたけど、決してそこをゴールにしていたわけではなくて、ユーザーはこうだったら幸せだよな、楽しいよなということを考えてのビジョン実現のためのアクションです。少なくともGreenspoonは、上場とかイグジットをゴールにしている会社ではなかったし、これからもそうではない。誰かを幸せにしたいということをやりたいから、Greenspoonがあるんです。
ビジョンに向き合うという点では、資本政策の異なるアイザックですが似ているところがあるのかもしれないですね。
(細田)ユーザーの幸せに向き合うのは大前提でありつつ、アイザックは「全ての挑戦者が、生涯働きたいと思える場所をつくる」とパーパスに掲げているので、会社として作りたい世界は「僕ら自身」にフォーカスしていますね。
例えば採用時に「めっちゃイケてる優秀な人が来ました!でも、フィットする既存事業がないな...」となったら「挑戦したいことはありますか? それアイザックでやりましょうよ!」とその人に新規事業をやってもらうこともあります。
自分の幸せと向き合い、意思決定ができるか
――挑戦するスタートアップで活躍する人材の要素ってなんでしょうか?
(黒崎)自分の人生の責任を自分で持てる人が大事だと思っています。Greenspoonでは「自責」という言葉をよく使います。自分のことを幸せにできるのは自分だけだから、その覚悟がある人はすごく活躍するし、できないとしんどいはずです。
(細田)すごくウェットな組織ですよね。僕もめちゃくちゃウェットだから(笑)、そういう相手には無限に1on1したり、とことん向き合います。スキルアップやキャリアアップのサポートは惜しまないけど、自分を幸せにするという覚悟や意思決定が本気じゃないと、どうしようもないなって思っちゃいます。
(黒崎)そうですよね。採用でその点はとても意識しています。過去の意思決定を聞けば、その人が自分の人生に責任を持とうとしているかどうかが大体わかるんです。
やってきたことのサイズとか、大学を卒業しているかどうかは関係ない。究極的には「私はこう思って意思決定したんです」と言えるかどうかがめちゃくちゃ大事。意思決定って怖いから向き合えない人も多いと思うんですが、そこから逃げないかどうかは、その人自身の特性としてあると思っています。
「楽しくないことのほうがリスク」意思決定を恐れない
(細田)『HUNTER×HUNTER』のキルアみたいに、危険なことをしようとすると体が勝手に止まっちゃう針が頭に埋め込まれているみたいな人っているんですよね。周囲とは違う意思決定をすることへの不安だったり、親に反対されることへの不安だったり。
スタートアップ系の意思決定って基本的に誰にも肯定されないじゃないですか? そういう意思決定が死んでいく人を見るたびに、辛いなって思います。
(黒崎)僕たぶんそこの設定がバグってるんですよね(笑)。そういう意思決定をすることに抵抗がなくて。自分で選べばリスクじゃないと思っているから。
数年後を想像して「この選択、後悔するかな」と考えた時に、やらないことの方が後悔しそうだったら行動する。どんなに一般的に見たらリスクが高そうなことでも。Greenspoonを始める時も本当に5秒くらいで決めましたし、前職への転職も一瞬でした。
(細田)むしろ楽しくないことの方がリスクなんじゃない? グダグダ言ってる時間がもったいないじゃん、もっと楽しく生きればいいのに!って思います。
(黒崎)本当にそう思います。幸せの基準や、自分が何をしたら幸せかということへの理解もそうですし、周りからの評価に依存しているとそういったことがより気になってしまう。
でも僕は、ずっと自分で選んでいるということが幸せだという納得感を持っているから。一般的にはバグっているのかもしれませんが(笑)。
(細田)結局スタートアップって、全員が意思決定できないと進まないじゃないですか。人数がたくさんいれば別だと思うんですけど、やっぱり少数精鋭で行くなら意思決定できる人じゃないと活躍できないですよね。
ホウレンソウ一つとっても意思決定だと思うんです。ゼロから何かをするっていう意思決定な気がするので。ホウレンソウは社会人としての超基本事項ですけど、不安なことをそのままにして明日になっちゃう…みたいなことをなくすのも意思決定の一つだと思いますね。
より多くの人の暮らしを豊かにするために
――Greenspoonさんの今後のビジョンについてぜひ教えてください。
(黒崎)もっと多くの人に届けたいなと思っているんです。今は忙しい30代から50代の女性のお客さまが多くて、サブスクリプション型の宅配というスタイルですが、全然そこに限らずいろんな人に届けたい、いろんな場所で買えるようになったらと思っています。
コンビニやスーパー、リアル出店や海外で販売したり、ごはんでないものを作るとかもあったらいいなと。
少なくともサブスクだけでGREEN SPOONが完成という未来は想像していないので、世の中のいろんな食生活の中でGREEN SPOONが使われている未来を作れるようにしていきたいです。
(細田)野菜を取れていない人って多すぎじゃないですか。おじいちゃん、おばあちゃんもそうだし、若い人も外食ばかりだったり。まだまだ手軽にできるはずなんですけど、やっぱりカルチャーを作っていかなきゃいけない。
(黒崎)難しいですよね。日本はまだまだ健康に対する意識ってすごく低いし、特に日本は保険制度もしっかりしているから予防医学的な考え方がない。でも、最近はヨガなど体を動かすことへの意識は確実に高まってきている。少しずつでも、健康にも気を使えるような未来が来るといいですね。
(細田)世の中の価値観を変えるため、数字で成果を測れないような施策が増えるフェーズに入っていきますよね。
(黒崎)そうですね。マスに向けてそういうものにもチャレンジしていかないとですし、 よりブランドイメージも大事にしていきたい思っています。
(細田)それを思うと、やっぱりイグジットや上場を一旦終わりとして捉える人も多いけど、むしろここからの方がスタートアップとしての挑戦がはじまるという感じですよね。
アイザックも今、ちょうど第二創業期のような段階に来ています。これまではがむしゃらに新しい事業を生み出すことに注力してきましたが、今は各事業で優秀なメンバーが増えて、それぞれの事業をしっかりと伸ばしていくフェーズに入ってきました。
今後は自分たちの挑戦をもっと社会に向けて発信していければと思います。それぞれの事業が持つ可能性や創り出す価値を、より多くの人に知ってもらい共感してもらえる機会を作っていきたいですね。
ーーありがとうございました!
後編は、挑戦するスタートアップで活躍する要素として「意思決定」の大切さと、資本政策はビジョン実現のためのひとつの手段であることについてお届けしました!
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