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私の海外出産ものがたり。 Part 25 ホノムを去る日

私たちは出産後、帰国予定の日まで、
あるコテージをマンスリーレンタルで借りることになっていた。

このコテージは前に妙に気になったあの場所。

ある森の草原のコテージ。

そこに行くまでは、
マラのところで過ごす予定だった。

けれども、
予定より早く次の場所に移動することになった。
理由は静かに過ごしたいということと
家族だけのプライベートな時間がほしい
そして、母親の安静と赤ちゃんの成長のため。
別の場所に入院して、
アフターケアしてもらうことになった。

この移動は常識的に考えると
少しわがままなようにも感じたが、
ここはアメリカ、
自己の主張が許される国であり、
日本の常識ははっきり言って
あまり通用しない。

自己主張の重要性を
娘の出産時に、散々身にしみていた私は、
赤ちゃんの成長とお乳のために
私の体調改善を最優先として、
考えることにして、この選択になった。

しっかり誠実にマラに伝えたら、
わかってくれた。
出産前と出産後、合わせて2週間の滞在。
マラは短すぎると言っていたけど、
お互いがお互いを尊重する関係でいるためには
ベストな期間だったのかもしれない。

出発の朝、ホノムは気持ちよい程に晴れ渡っていた。
当時のマラのボーイフレンドにお願いし、
カラフルな助産院をバックに
私たちとマラは記念撮影をした。

別れの時、私たちはお互い涙を浮かべた。
いざ別れるとなるとこの2週間が
どんなに濃いものであったかよくわかった。
マラは、私たちに
”新しいアドベンチャーが待ってるね!”と
大きな声で手を振りながら送り出してくれた。

新しいアドベンチャー.....。
そう、人生はいつもアドベンチャー。

私たち家族の人生は、
何年か前からそうなった....。
ただ自分の内側に寄り添いながら、
生きるようになってから、
気がついたら、
外側の世界はアドベンチャーに変わっていった。

枠を大きく外れた
アドベンチャーのような人生。

ホノムの坂道を下りながら......

産後の肥立ちがよくない私は車の後部座席に座り、
ベビーシートに乗った小さな赤ちゃんを横に、
前に座る主人と娘の後ろ姿を眺めながら、
窓から入るホノムの風を感じていた。


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