入籍前夜
明日籍を入れる。
いまの姓で過ごす最後の夜。
お互いの家族への挨拶とか指輪選びとか諸々を済ませていつも通りの夜。
1年前から一緒に住んでるふたりの家にいつも通り帰る。
特に何も変わらない夜。
だけどちょっとだけ浮足立ってる今の気持ちはちゃんと覚えておいて、何年か後にちゃんと振り返って、しみじみしたい。
ひねくれてるけどまっすぐ素直で、髪はくるくるで、人間よりいきものが大好きで、好きなものに対する愛情が人一倍大きい彼と、その彼がたくさんたくさん褒めてくれるいまの私がいつまでも幸せでありますように。
苗字が一文字増えてもだんだん馴染んで、新たなアイデンティティとなりますように。(人生でふたつの姓を持てるなんてお得かもしれない)
ふたりで平凡だけど楽しいことをたくさん見つけられる家族になって、あわよくば子どもにたくさん恵まれて、その子どもたちにとって理想の夫婦になれますように。
いつまでも、お互いが大事な人であり続けられますように。
たくさんの季節を毎年祝福できるようなそんなおうちがいいな。
たいていのこだわりよりは、彼と私がご機嫌に過ごすことが大事。
ふたりが幸せであることが1番大事で、それ以外のすべてはそのための目的に過ぎないことを忘れない。
ふたりの幸せが一致しないときはどうして一致しないのか考える。
眠かったり疲れてたりお腹減ってたりしたら一旦休憩する。
彼を悲しませるようなことはしない。
会話はたくさんするしスキンシップはたくさんとる。
たくさん話を聞くことを忘れない。
ひとりの人間として尊重する。
自分もひとりの人間として自立する。
なあなあにしない。
大事に思うタイミングをちゃんと持つ。
いまはまだ想像もつかない10年後20年後その先が、いつまでも想像つかないままで、だけどずっと一緒にいられますように。