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203.ハーブカレーはカツカレーに適しているのか? 問題

カツカレーには色々と好みがある。
とんかつ店のカツカレーと洋食店のカツカレーとカレー店のカツカレー、どれが好きかみたいなことはこの記事にも大昔に書いた記憶があるけれど、僕は、やっぱりしゃばしゃばっとした形状のカレーソースにこんがり揚げたとんかつの組合せが好きだ。
カツがしっかりした味わいがあるからか、どろっと濃厚で重たいカレーソースだと食べていて途中からしんどくなってくる。
それでいえば、カレーソースの形状以外に風味もスパイシーで切れ味の良いものがいい。

オリジナルのカツカレーを作るイベントがあった。
鹿肉のカツと豚肉のカツに合わせるカレーソースをそれぞれ開発し、それを現場で調理する。開発段階でカレーソースは3種(ダークブラウン、ライトグリーン、オレンジ)あったが、オレンジ色のソースを却下して、ダークブラウンソースを鹿カツに、ライトグリーンソースを豚カツに合わせることにした。

ライトグリーンソースは、何かと言えば、ハーブカレーである。ハーブカレーとはその名の通り、ハーブを使ったカレーで、ここ数年流行しているスパイスカレーに対抗する形で、2年以上前から僕が提案し続けているカレーである。(反響は薄いけれど)

ハーブカレーがカツカレーのソースとして相性がいいと判断した理由はいくつかある。

・  そもそも豚肉とハーブの相性がいい。その組み合わせの料理がたくさんある。
・  さらっとした形状のソースに仕上げやすい。
・  香りがさっぱりするため、濃厚なとんかつとバランスが取れる。
・  他で食べたことのない組合せだから新鮮なカツカレー体験になりそう

などなど。開発時のレシピはこんな感じ。

●ハーブカレーのレシピ(完成量:850g)
【材料】
植物油 30g
*ペースト用A
→クミンシード 3g、コリアンダーシード 5g、にんにく(つぶす) 10g、しょうが(つぶす) 13g、香菜の根 7.5g、玉ねぎ 40g
*ペースト用B
→スイートバジル 30g、パクチー 35g、スペアミント 10g
ナンプラー 12g
とりがらスープ(濃い目) 200g
ココナッツミルク 300g
塩 5g
砂糖 5g

【作り方】
1.     ペースト用AとBをそれぞれ適量の水(分量外)とミキサーでペーストにする。
2.     鍋に油を熱し、ペースト用Aを加えて青臭い香りが飛ぶまで炒める。ペースト用Bを加えてさっと煮る。
3.     スープとココナッツミルク、ナンプラー、塩、砂糖を加えてさっと煮る。

いつもの悪い癖が出てしまい、イベント当日は、このレシピに習いつつも、現場で次々とアレンジを加えてしまった。

・  つぶしたレモングラスとパンダンリーフをスターターで炒める。
・  ハーブペーストにタイムやディルなども追加する。
・  ココナッツミルクを加えてから煮込むときにこぶみかんの葉を加える。
・  水分に対してココナッツミルクの比率を低くした。
・  とろみを補うため、煮た玉ねぎのペーストを少し加えた。
・  青唐辛子を使ったペーストは、後半に加える。
・  ペーストの材料としていたクミンとコリアンダーのシードは、後半に油でテンパリングして加えることに変更。
・  辛味が足りないので、煮込み時にフレッシュのチリを投入。

結果、よりおいしいハーブカレーができあがった。
が、イベントを終えて、「もっとこうすればよかった」というアレンジが次々と出てくる。中でも一番大きいのは、こちら。

・  仕上げにレモン汁をたっぷり絞って全体の味わいを引き締めたかった。

ともかく、ハーブカレーはとんかつにとてもよく合う、と僕は思う。これからも「ハーブカレー×カツ」を追求していきたい。

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