小説家チャレンジ5日目。
きのうもスキーパンツ、ニット帽、手袋にロングコートの完全防寒スタイルで、マシューの小学校まで往復3km。夜も2人の息子が寝つくと自分も眠くなり、10:30にはベッドに入る。起きられるか心配で5:00に初めてアラームかけたら、その音で隣でねてたJJがおきちゃうハプニング。
カナダでは、前任者のホテルスタッフが私と入れ替わりで帰国する段取りになっていて、まだかまだかと催促されてるのに、まさかビザでないなんて考えてもみなかった。今さらどうしよう! まゆみはパニックになった。
とりあえずカナダの関係機関に電話して、申請書のどこが引っかかったのか確認。改めて申請し直すことにした。でも当初は一回却下されてしまったら、再申請したってビザはおりないだろうし、カナダ行きはもうダメかな。。と思った。
何とか知りあいをたどって、ビザ申請したことがある人を探し、電話で事情を説明したが「一回却下されてしまったら、ビザ取得はもう無理じゃないか」と、もう一度ダメ押しされた。
「でも」とまゆみは思った。審査をしてるのは、その機関じゃなくて そこで働く誰か、おなじ「人間」だ。カナダのルール通りいけば、もう私に可能性はないけど、組織は決まりどおり動く機械じゃないはず。人間の集まりだ。わたしが「カナダに行きたい!」という熱意を伝えれば、もう9割がたダメだけど、もしかして1割、まだ可能性はあるかもしれない、と思った。
気をとりなおして、ダメもとで新しい申請書をとりよせ、また一から書き直し、今回はなぜ自分はカナダに行きたいのか」という英語の手紙を、自分なりに一生懸命かんがえて書いて、申請書といっしょに郵送した。
ホテルの支配人には現状を説明して、しばらく結果を待ってもらうことにした。今までビザ申請を却下されたスタッフはいなかったらしく、向こうも「今さら何やってるんだよ」という反応だった。でも失敗してしまったものは仕方ない。
2週間後、また通知の封筒が届いた。これですべてが決まる。。まゆみは誰もいないところで、ひとりドキドキしながら2度目の封筒をあけた。
中には「このたび、あなたの申請が許可されました」という通知と、カナダ行きのビザが入っていた。やった!!やっぱりいちどダメでも、いっしょうけんめい伝えれば、相手が国の機関でも、ちゃんと熱意は伝わるんだ!やることはやったけど、カナダ行きはほぼあきらめていただけに、この知らせはうれしかった。