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不適合状態は一発アウト!絶対に外せない航空身体検査の項目。
パイロットの就活の一番の鬼門とも言って良い航空身体検査。
私の知っている限り、心身ともに健康的な就活生が集まっても、通過率は30%程度です。
なぜでしょう?
答えは簡単で、マニュアルで決められている不適合状態があるからです。
検査時に不適合状態であれば、絶対に受かりません。
現在は完治していても、不適合状態の既往歴があるだけで、かなりシビアに見られます。
現在合格基準に達しているかではなく、定年まで基準内の身体で働くことができるかという点を見られています。
間違った取り組みをしている方も多いので、非常に重要なことを言います。
身体検査は、1つでも基準外があればアウトです。
やるべきことは、検査全体の対策をするのではなく、自分の身体において基準外になるかもしれないポイントを重点的に対策することです。
引っかかりやすいポイントや、マニュアルだけでは分かりづらい部分は別のnoteで解説していきたいと思います。通過するための日々のノウハウや対策についても、追ってご紹介します。
以下に「航空身体検査マニュアル」から、不適合状態としているものを書き出します。もしこの中に心当たりがある場合、早急な対策をお勧めします。
1. 全身状態
航空業務に支障を来す奇形、変形または機能障害
酸素マスク等航空装具の着用を妨げる奇形、変形または機能障害
過度の肥満(BMI 30を超えるもの)
2. 腫瘍
悪性腫瘍またはその疑いがあるもの
悪性腫瘍の既往歴
悪性腫瘍に関わる治療中のもの
航空業務に支障を来すおそれのある良性腫瘍
3. 感染症
後天性免疫不全症候群(AIDS)
治療中のHIV感染症
活動性のある結核
航空業務に支障を来すおそれのあるその他の感染症
4. 内分泌および代謝疾患
治療を必要とする甲状腺疾患
下垂体疾患、副腎疾患または副甲状腺疾患
常時インスリンまたは経口血糖降下薬を必要とする糖尿病
痛風または痛風発作の恐れがある高尿酸血症
臓器障害のおそれがある脂質異常症
腫瘍またはその既往歴もしくは疑いがあるもの
内分泌疾患の手術歴があるもの
5. リウマチ性疾患、膠原病および免疫不全症
リウマチおよびリウマチ類縁疾患
膠原病および膠原病類縁疾患
先天性または後天性免疫不全症
6. アレルギー疾患
高度の鼻閉を伴うアレルギー性鼻炎
アレルギー性結膜炎またはアレルギー性眼瞼炎
アレルギー性皮膚疾患(重度)
7. 睡眠障害
睡眠時無呼吸・低呼吸症候群(AHI ≥ 15の場合)
その他航空業務に支障を来す睡眠障害
8. 呼吸器系疾患
気管支喘息
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性拘束性肺疾患
サルコイドーシス
腫瘍またはその既往歴もしくは疑いがあるもの
活動性のある肺結核症
自然気胸またはその既往歴があるもの
9. 循環器系および脈管系疾患
高血圧(収縮期血圧160mmHg以上、拡張期血圧95mmHg以上)
自覚症状を伴う起立性低血圧
心筋症またはその疑いがあるもの
心筋炎またはその既往歴があるもの
心筋梗塞または狭心症またはこれらの既往歴があるもの
無症候性心筋虚血またはその既往歴があるもの
冠動脈障害に対する治療歴のあるもの(PCI、CABGなど)
チアノーゼ群または遅発性チアノーゼ群の先天性心脈管異常
後天性弁膜疾患(大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症など)
心膜炎またはその既往歴
心不全またはその既往歴
洞機能不全症候群、心房粗細動、WPW症候群など
10. 視機能
遠見、中距離、近見視力の基準未達
屈折矯正手術の既往
色覚異常
11. 耳鼻咽喉
聴力基準未達
平衡機能障害
慢性副鼻腔炎
声帯麻痺、喉頭浮腫
12. 運動器
骨折の治療中または後遺症
頸部または腰部の著しい可動域制限
13. 神経系
パーキンソン病
てんかんまたは発作既往
神経伝導障害または感覚機能の低下
14. 精神状態
精神疾患(うつ病、統合失調症、双極性障害など)
アルコールまたは薬物依存
15. 消化器
消化器腫瘍または重大な手術歴
重度の逆流性食道炎
16. 泌尿器
腎機能低下または腎疾患
尿路結石またはその既往歴
17. 内分泌系
糖尿病、甲状腺機能亢進または低下
内分泌腫瘍またはその既往歴
全ての不適合状態を包括的に記載しましたが、個々の検査対策は別のNoteで詳細に解説します。