【おとなの読書感想文:34】お嬢様はお仕置きが好き
どうもコウノです。
小コミという、ティーンネージャーの女子がどっかしらのタイミングで出会うコミック雑誌があります。
「りぼん」「なかよし」「ちゃお」という少女マンガの登竜門的存在に対して、まあちょっぴりエッチなお話が多いんですよ。
北川みゆき、渡瀬悠宇、篠原千絵など、名だたる大御所達がえぐい位にヒット作を連発してるのも特徴。
そんな小コミことフラワーコミックスの別レーベル、&フラワーたる存在については、何となくどっかで見た気がする程度でした。
要はエッチみが増したやつかな、と。
所謂女子が読みやすいエッチなマンガって、昔はレディコミ(かハーレクイン)しかなくて。可愛い絵柄の18禁コミックスに勇気を出して手を伸ばせば、中身がガチの成人向で色々カルチャーショックを受けた若かりし頃の思い出。
そんな「女の子だってエッチなのが読みたい、でも男性向はちょっと……」という、きっと私だけではないだろうニーズに対して現れたティーンズラブという言葉。
そうそう、こういうのが読みたかったのよ。
とお陰でタイトル数がグンと増えましたが、正直鳴かず飛ばずの同人作家さんが本当はBL描きたいはずやのにオファー貰って渋々書いてるイメージで、気に入った作家さんが出来てもなかなか2作目が出ないジレンマ。
が、そこへ満を持して小コミの参入。
そりゃクオリティ高くなるわな。
というわけで、たまたま見つけたら「これは凄い!」というのがあったので紹介します。
皆大好き「スパダリとのいちゃラブ」。
ちょいSM。
製薬会社の箱入り一人娘の桃子は、お隣さんの(これまた金持ち)の夏樹くんの事が幼い頃から密かに大好き。
夏樹くんの好みのタイプが「品のある女性」として、それを健気に目指した結果、JD桃子ちゃんはすっかり「品のあるお嬢様」。
家庭教師もしてくれる夏樹くん。ある日ケアレスミスが続いて、その改善策として「次ミスったらお尻ぺんぺん」を命じられます。
大好きな夏樹くんにお尻叩かれて、痛い中に快感を得る桃子ちゃん。
第1話で両想いと発覚、お尻ぺんぺんから男女交際がスタートします。
実は夏樹くんも桃子ちゃんの事が幼い頃から大好き。で、桃子ちゃんが自分の理想の女の子になるよう誘導してって「言われるがままに箱入り上品に育った桃子ちゃんを自分の手でいやらしくするのが理想」という計算高いスパダリ。
「経てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花」なレディに「時には娼婦のように」を掛け合わせる。まあ男の夢だよね、うん。
で、家庭教師夏樹くんの罰は少しずつソフトSMに。桃子ちゃんも盲信しきってるので首輪付けられてドン引きするでもなく、ちゃんと犬になろうとする。
で、少しずつ少しずつ桃子ちゃんに快感を植え付けて、まー所謂AとかBとかどんどん進めてって、時にソフト監禁して、いよいよ5巻、2人の思い出のヨーロッパの地で結ばれます(なるべくR-18タグ付けなくていいように表現してますが、ABCて昭和過ぎん?)。
本編通して思ったのが
「令和でなく大正ロマン辺りだったら原作:谷崎潤一郎になってそうだな」。
桃子ちゃんだけだと「エロかわ」って言葉でいいんでしょうが、6巻以降夏樹くんのなかなかメンヘラ激重感情が明るみになるので、夏樹くんが桃子ちゃんにしてきた光源氏計画にも近いそれは、最早「耽美」のレベル。
尚、なるべくR-18タグ付けなくていいように今回は引用する画像も全年齢な物をチョイスしてますが、本編は予想以上にガッツリ描写入ってます。R-15でいいと思う位。
なので苦手な方はお気を付けて。