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僕とコウモリ攻防記 第三章:素泊まりメッセージ [動画]


はじめに
コウモリは『鳥獣保護管理法』の下で保護されており、生態系において重要な役割を果たしています。本動画では、コウモリとの共存をテーマにした物語をお届けします。

Bats are protected under the Wildlife Protection and Management Act, and they play an essential role in maintaining the balance of our ecosystem. This video explores the theme of coexistence with bats.

[補足] 語り:音源+Cute+Sweet Airy Vocal , indie pop rock, washboard
動画内にコウモリの家族写真がありますが、コウモリが一度に産む子どもは、通常は1匹だけ(双子はまれ)で、数は少ないですが、その分しっかり育てます。生まれたばかりの赤ちゃんは母乳だけで育ち、約1か月で羽ばたきの練習を始めます。2か月ほどで自分でエサを捕まえるようになります。とのこと。


僕とコウモリ攻防記 第三章:素泊まりメッセージ

午後3時、いつもの時間。第一章や第二章の経験から、コウモリが動き始める時間を見極めた僕は、外に出て空を見上げた。すると、黒っぽい影が2匹、家の周りを飛んでいるのが見えた。

最初は鳥かと思った。でも、その飛び方は明らかに違っていた。蝶のようにひらひらと舞い、どこかそわそわしているような動きだ。しばらく観察していると、その影は家から離れたり、また戻ってきたりを繰り返していた。

さらに近くで見たい。僕は少し家から離れた場所に移動して、再び空を見上げた。その黒い影は、今度は家の屋根の「とい」辺りに近づいていた。その瞬間、確信した——これはコウモリだ!

「よし!」と急いで屋根の方に走り寄ったが、その気配に気づかれたのか、コウモリは音もなく、夕暮れの明るい空に溶け込むように飛び去ってしまった。

コウモリが家の周りを飛んでいることは確信した。だけど、このままずっと監視を続けるわけにもいかないので、その日の観察は一旦終了することにした。

しかし、それからの日々、夜になると不思議な音が聞こえ始めた。ある日は「カサカサ」という物音。また別の日には「チリチリ」と何かが鳴いているような音が、かすかに耳に届く。でも夜中だし、寝ぼけているせいか、そのまま寝直してしまった。

朝になって窓のサッシを見ると、そこにはまた「素泊まりしましたよ!」というコウモリのメッセージ(=糞尿)が残されていた。そして、日に日にそのメッセージの量が増えていく。

さらに時間が経つにつれ、「カサカサ」「チリチリ」という音が耳につくようになってきた。ある夜、ふと起きて窓を半分くらい開けて内側から軽く叩いてみた。すると、シャッター付近から「ごそごそ」と何かが動く音がした。次の瞬間、暗がりの中で、何かが頭に当たり、目の前を飛び去っていった。薄明かりの常夜灯の下で確認するが、どうやら一匹ではない様子だ。

シャッターの中にはまだ何かがいる気配がある。慌てて窓を閉め、事なきを得た。

翌朝、サッシにはやはり「素泊まりメッセージ」が残されていた。しかし、今回はメッセージが窓の片側、特に網戸の近くに集中していることに気がついた。

そこで思いついた実験。網戸を反対側に移動させてみた。するとどうだろう——今度は反対側に「素泊まりメッセージ」が増え始めたのだ!

どうやら、網戸とコウモリの行動には何らかの関係がありそうだ。この発見が、新たな対策のヒントになるかもしれない。


第四章へ続く。



最後までご視聴ありがとうございました。




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