労働基準法・年少者、妊産婦等
40.使用者は、交替制によって労働させる事業については、行政官庁の許可を受けて、満18歳に満たない者を午後10時30分まで労働させることができるが、この規定に基づき満16歳の者を午後8時から午後10時30分まで労働させた場合には、使用者は、午後10時から30分間の労働につき深夜業の割増賃金を支払う必要がある。
労働基準法第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)
使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
②前項の政令は、労働者の福祉、時間外又は休日の労働の動向その他の事情を考慮して定めるものとする。
③使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項ただし書の規定により割増賃金を支払うべき労働者に対して、当該割増賃金の支払に代えて、通常の労働時間の賃金が支払われる休暇(第三十九条の規定による有給休暇を除く)を厚生労働省令で定めるところにより与えることを定めた場合において、当該労働者が当該休暇を取得したときは、当該労働者の同項ただし書に規定する時間を超えた時間の労働のうち当該取得した休暇に対応するものとして厚生労働省令で定める時間を超えた時間の労働のうち当該取得した休暇に対応するものとして厚生労働省令で定める時間の労働については、同項ただし書の規定による割増賃金を支払うことを要しない。
④使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要と認める場合においては、その定める地域又は時間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
⑤第一項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。
第六十一条(深夜業)
使用者は、満十八歳に満たない者を午後十時から午前五時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によって使用する満十六歳以上の男性については、この限りでない。
②厚生労働大臣は、必要であると認める場合においては、前項の時刻を、地域又は期間を限って、午後十一時及び午前六時とすることができる。
③交替制によって労働させる事業については、行政官庁の許可を受けて、第一項の規定にかかわらず午後十時三十分まで労働させ、又は前項の規定に関わらず午前五時三十分から労働させることができる。
④前三項の規定は、第三十三条第一項の規定によって労働時間を延長し、若しくは休日に労働させる場合又は別表第一第六号(土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業)、第七号(動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業)若しくは第十三号(病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業)に掲げる事業若しくは電話交換の業務については、適用しない。
⑤第一項及び第二項の時刻は、第五十六条第二項の規定によって使用する児童については、第一項の時刻は、午後八時及び午前五時とし、第二項の時刻は、午後九時及び午前六時とする。
第六章 年少者
第五十六条(最低年齢)
使用者は、児童が満十五歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了するまで、これを使用してはならない。
②前項の規定にかかわらず、別表第一第一号から第五号までに掲げる事業以外の事業に係る職業で、児童の健康及び福祉に有害でなく、かつ、その労働が軽易なものについては、行政官庁の許可を受けて、満十三歳以上の児童をその者の修学時間外に使用することができる。映画の製作または演劇の事業については、満十三歳に満たない児童についても、同様とする。
別表第一(第33条(災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等)、第40条(労働時間及び休憩の特例)、第41条(労働時間等に関する規定の適用除外)、第56条(最低年齢)、第61条(深夜業)関係)
一 物の製造、改造、加工、修理、選別、包装、装飾、仕上げ、販売のためにする仕立て、破壊若しくは解体又は材料の変造の事業(電気、ガス又は各種動力の発生、変更若しくは伝導の事業及び水道の事業を含む)
二 鉱業、石切り業その他土石又は鉱物採取の事業
三 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体又はその準備の事業
四 道路、鉄道、軌道、策動、船舶又は航空機による旅客又は貨物の運送の事業
五 ドック、船舶、岸壁、波止場、停車場又は倉庫における貨物の取扱いの事業
第五十七条(年少者の証明)
使用者は、満十八歳に満たない者について、その年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けなければならない。
②使用者は、前条第二項の規定によって使用する児童については、修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書及び親権者又は後見人の同意書を事業場に備え付けなければならない。
第五十八条(未成年者の労働契約)
親権者又は後見人は、未成年者に代って労働契約を締結してはならない。
②親権者若しくは後見人又は行政官庁は、労働契約が未成年者に不利であると認める場合においては、将来に向かってこれを解除することができる。
第五十九条
未成年者は、独立して賃金を請求することができる。親権者又は後見人は、未成年者の賃金を代って受け取ってはならない。
第六十条(労働時間及び休日)
第三十二条の二から第三十二条の五まで、第三十六条(時間外及び休日の労働)、第四十条(労働時間及び休憩の特例)、第四十一条の二の規定は、満十八歳に満たない者については、これを適用しない。
②第五十六条第二項の規定によって使用する児童についての第三十二条(労働時間)の規定の適用については、同条第一項中「一週間について四十時間」とあるのは、「修学時間を通算して一週間について四十時間」と、同条第二項中「一日について八時間」とあるのは、「修学時間を通算して一日について七時間」とする。
③使用者は、第三十二条の規定にかかわらず、満十五歳以上で満十八歳に満たない者については、満十八歳に達するまでの間(満十五歳に達した日以後の最初の三月三十一日までの間を除く)、次に定めるところにより、労働させることができる。
一 一週間の労働時間が第三十二条第一項の労働時間を超えない範囲内において、一週間のうち一日の労働時間を四時間以内に短縮する場合において、他の日の労働時間を十時間まで延長すること。
二 一週間について四十八時間以下の範囲内で厚生労働省令で定める時間、一日について八時間を超えない範囲内において、第三十二条の二又は第三十二条の四及び第三十二条の四の二の規定の例により労働させること。
第三十五条(休日)
使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
②前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
第六章の二 妊産婦等
第六十四条の二(坑内業務の就業制限)
使用者は、次の各号に掲げる女性を当該各号に定める業務に就かせてはならない。
一 妊娠中の女性及び坑内で行われる業務に従事しない旨を使用者に申し出た産後一年を経過しない女性 坑内で行われるすべての業務
二 前号に掲げる女性以外の満十八歳以上の女性 坑内で行われる業務のうち人力により行われる掘削の業務その他の女性に有害な業務として厚生労働省令で定めるもの
第六十四条の三(危険有害業務の就業制限)
使用者は、妊娠中の女性及び産後一年を経過しない女性(妊産婦)を、重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所における業務その他妊産婦の妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせてはならない。
②前項の規定は、同項に規定する業務のうち女性の妊娠又は出産に係る機能に有害である業務につき、厚生労働省令で、妊産婦以外の女性に関して、準用することができる。
③前二項に規定する業務の範囲及びこれらの規定によりこれらの業務に就かせてはならない者の範囲は、厚生労働省令で定める。
第六十五条(産前産後)
使用者は、六週間(多肢妊娠の場合にあっては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。
②使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。
③使用者は、妊娠中の女性が請求した場合のおいては、他の軽易な業務に転換させなければならない。
☆出産当日は産前六週間に含まれる。
第六十六条
使用者は、妊産婦が請求した場合においては、第三十二条の二第一項、第三十二条の四第一項及び第三十二条の五第一項の規定にかかわらず、一週間について第三十二条第一項の労働時間、一日について同条第二項の労働時間を超えて労働させてはならない。
②使用者は、妊産婦が請求した場合においては、第三十三条第一項及び第三項並びに第三十六条第一項の規定にかかわらず、時間外労働をさせてはならず、又は休日に労働させてはならない。
③使用者は、妊産婦が請求した場合においては、深夜業をさせてはならない。
第六十七条(育児時間)
生後満一年に達しない生児を育てる女性は、第三十四条の休憩時間のほか、一日二回各々少なくとも三十分、その生児を育てるための時間を請求することができる。
②使用者は、前項の育児時間中は、その女性を使用してはならない。
第六十八条(生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置)
使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。
42.使用者は、産後8週間(女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせる場合は6週間)を経過しない女性を就業させてはならないが、出産当日は、産前6週間に含まれる。
第四十一条(労働時間等に関する規定の適用除外)
この章、第六章(年少者)及び第六章の二(妊産婦等)で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
一 別表第一第六号(林業を除く土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業)又は第七号(動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業)に掲げる事業に従事する者
二 事業の種類に関わらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
三 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの
女性労働基準規則
第二条(危険有害業務の就業制限の範囲等)
法第六十四条の三第一項の規定により妊娠中の女性を就かせてはならない業務は、次のとおりとする。
43.労働基準法第67条第1項に規定する生児を育てるための時間(育児時間)は、1日の労働時間を8時間とする通常の勤務態様を予想し、その間に1日2回の育児時間の付与を義務づけるものであって、1日の労働時間が4時間以内である場合には、1日1回の育児時間の付与をもって足りる。
44.
1.使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはならないが、法別表第1第1号から第5号までに掲げる事業以外の事業に係る職業で、児童の健康及び福祉に有害でなく、かつ、その労働が軽易なものについては、行政官庁の許可を受けて、満13歳以上の児童をその者の就業時間外に使用することができる。映画の製作又は演劇の事業については、満13歳に満たない児童についても、同様とする。
2.使用者は、上記1の行政官庁の許可を受けて使用する児童を、休憩時間を除き、修学時間を通算して1週間について40時間を超えて労働させてはならず、1週間の各日については、休憩時間を除き、修学時間を通算して1日について7時間を超えて、労働させてはならない。
45.
1.使用者は、妊産婦を、重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所における業務その他妊産婦の妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせてはならない。
2.使用者は、上記1の業務のうち女性の妊娠又は出産に係る機能に有害である業務には、妊産婦以外の女性に関しても、就かせてはならない。
3.使用者は、6週間(多胎妊娠の場合にあっては14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。