社会保険に関する一般常識・企業年金制度、社会保険労務士法
☆確定拠出年金・確定給付企業年金の仕組み
☆社会保険労務士の業務、社会保険労務士の義務、懲戒処分、罰則等
1.確定拠出年金法
・平成13年に制定、公的年金に上乗せされる年金の新たな選択肢。あらかじめ拠出額を確定させ、加入者個人が自己責任で掛金を運用し、その運用結果がそのまま年金額となる。
・確定拠出年金法は、少子高齢化の進展、高齢期の生活の多様化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定供出年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。
・企業型年金と個人型年金の2種類
・厚生年金保険の適用事業所の事業主が従業員を加入者として単独で又は共同して、実施する企業型年金を実施しようとするときは当該事業所に使用される第一号党厚生年金被保険者の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該被保険者の過半数で組織する労働組合がないときは当該被保険者の過半数を代表する者の同意を得て、企業型年金に係る規約を作成し、当該規約について、厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
・個人型年金は、国民年金連合会が自営業者、企業年金を実施しない企業の従業員やその配偶者を加入者として実施する。連合会は、個人型年金に係る規約を作成し、当該規約について厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
・企業型掛金拠出者等は、企業型年金と個人型年金に同時に加入することができない。
・運用関連業務を行う運営管理機関又は事業主(運用関連運営管理機関等)は、運用の方法のうち政令で定めるもの(対象運用方法)を、3以上(簡易企業型年金にあっては、2以上)35以下で選定し、企業型年金規約又は個人型年金規約で定めるところにより、加入者及び運用指図者に提示しなければならない。
・企業型年金又は個人型年金の給付には、老齢給付金、障害給付金、死亡一時金及び脱退一時金の4種類がある。給付を受ける権利は、受給権者の請求に基いて、記録関連運営管理機関等(積立金のうち当該加入者等の個人別管理資産について運用の指図を行う加入者等が、運用関連運営管理機関等に提示された運用方法の中から1又は2以上の方法を選択し、かつ、それぞれの運用の方法に充てる額を決定し、これらの事項を示す、記録関連業務を行う運営管理機関又は事業主のこと)が裁定する。
・事業主は、政令で定めるところにより、給付に充てるべき積立金については、資産管理機関と資産管理契約を締結しなければならない。
・個人型年金の場合は、企業型年金のように資産管理機関は設置されず、連合会が資産管理機関を兼ねるが、実際には資産管理の業務は連合会から金融機関に事務委託されることになる。
・確定拠出年金法において、事業主は、政令で定めるところにより、運営管理業務の全部又は一部を確定拠出年金運営管理機関に委託することができる。
・個人型年金は連合会が運営するが、運営管理義務は政令で定めるところにより、運営管理機関に委託しなければならない。
・確定拠出年金法において、事業主は、事業主掛け金を企業型年金規約で定める日までに資産管理機関に納付するものとする。
2.確定給付企業年金法
・(目的)確定給付企業年金法は、少子高齢化の進展、産業構造の変化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、事業主が従業員と給付の内容を約し、高齢期において従業員がその内容に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定給付企業年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。
・規約型企業年金は、労使合意の年金規約に基づき外部機関で年金原資を積み立てる。開始に当たっては、厚生労働大臣の規約の承認が必要となる。
・基金型企業年金は、事業主とは別法人の企業年金基金を設立して実施する確定給付企業年金。開始に当たっては、厚生労働大臣の基金の設立認可が必要となる。
・確定給付企業年金の給付には、老齢給付金及び脱退一時金の2種類がある。ただし、規約で定めるところにより、障害給付金又は遺族給付金を支給することもできる。
・確定給付企業年金の年金給付の支給期間及び支払期月は、政令で定める基準に従い規約で定めるところによる。ただし、終身又は5年以上にわたり、毎年1回以上定期的に支給するものでなければならない。
3.社会保険労務士法
・(目的等)社会保険労務士法は、社会保険労務士の制度を定めて、その業務の適正を測り、もって労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資することを目的とする。
15.確定拠出年金法
個人型年金の掛け金の額は、個人型年金規約で定めるところにより、個人型年金加入者が決定し、又は変更する。
16.確定給付企業年金法
事業主は、給付に関する事業に要する費用に充てるため、規約で定めるところにより、年一回以上、定期的に掛金を拠出しなければならない。
17.社会保険労務士法
個別労働紛争解決促進法に規定する紛争調整委員会におけるあっせんの手続並びに障害者雇用促進法、労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法、労働者派遣法、育児介護休業法及びパートタイム・有期雇用労働法に規定する調停の手続や、都道府県知事の委任を受けて都道府県労働委員会が行う個別労働関係紛争(一定の紛争を除く)に関するあっせんの手続については、単独で紛争の当事者を代理する場合の紛争の目的の価額の上限は設定されていない。
18.社会保険労務士法
何人も、社会保険労務士について、社会保険労務士法第25条の2や第25条の3に規定する行為又は事実があると認めたときは、厚生労働大臣に対し、当該社会保険労務士の氏名及びその行為又は事実を通知し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。
19.社会保険労務士法
開業社会保険労務士は、その業務に関する帳簿を備え、これに事件の名称、依頼を受けた年月日、受けた報酬の額、依頼者の住所及び氏名又は名称その他厚生労働大臣が定める事項を記載しなければならず、当該帳簿については、その関係書類とともに、帳簿閉鎖の時から2年間保存しなければならない。
20.確定拠出年金法
確定拠出年金法第1条では、「この法律は、少子高齢化の進展、高齢期の生活の多様化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定拠出年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする」と規定している。
21.社会保険労務士法
1.社会保険労務士法は、社会保険労務士の制度を定めて、その業務の適正を図り、もって労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資することを目的とする。
2.社会保険労務士は、社会保険労務士法人を設立することができる。なお、社会保険労務士法人を設立するには、その社員になろうとする社会保険労務士が、定款を定めなければならない。
3.社会保険労務士法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。