雇用保険法・日雇労働求職者給付金と就職促進給付
雇用保険法
第4節 日雇労働被保険者の求職者給付
第42条(日雇労働者)
この節において日雇労働者とは、次の各号にいずれかに該当する労働者(前2月の各月において18日以上同一の事業主の適用事業に雇用された者及び同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用された者(次条第2項の認可を受けた者を除く。)を除く。)をいう。
一 日々雇用される者
二 30日以内の期間を定めて雇用される者
第45条(日雇労働求職者給付金の受給資格)
日雇労働求職者給付金は、日雇労働被保険者が失業した場合において、その失業の日の属する月の前2月間に、その者について、徴収法第十条第二項第四号の印紙保険料が通算して二十六日分以上納付されているときに、第四十七条から第五十二条までに定めるところにより支給する。
第46条
前条の規定により日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる者が第十五条第一項に規定する受給資格者である場合において、その者が基本手当の支給を受けたときはその支給の対象となった日については日雇労働求職者給付金を支給せず、日雇労働求職者給付金の支給を受けたときはその支給の対象となった日については基本手当を支給しない。
第47条(日雇労働被保険者に係る失業の認定)
日雇労働求職者給付金は、日雇労働被保険者が失業している日(失業していることについての認定を受けた日に限る。)について支給する。
2.前項の失業していることについての認定(失業の認定)を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをしなければならない。
3.厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、日雇労働被保険者に係る失業の認定について別段の定めをすることができる。
第48条(日雇労働求職者給付金の日額)
日雇労働求職者給付金の日額は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額とする。
一 前2月間に納付された印紙保険料のうち、徴収法第22条第1項第1号に掲げる額(その額が同条第2項又は第4項の規定により変更されたときは、その変更された額)の印紙保険料(第一級印紙保険料)が24日分以上であるとき 7500円
第一級給付金
二 次のいずかに該当するとき 6200円(その額が次条第1項の規定により変更されたときは、その変更された額)
第二級給付金
イ 前2月間に納付された印紙保険料のうち、第一級印紙保険料及び徴収法第22条第1項第2号に掲げる額の印紙保険料(第二級印紙保険料)が24日分以上であるとき(前号に該当するときを除く)
ロ 前2月間に納付された印紙保険料のうい、第一級印紙保険料及び第二級印紙保険料が24日分未満である場合において、第一級印紙保険料の納付額と第二級印紙保険料の納付額との合計額に、徴収法第22条第1項第3号に掲げる額(第三級印紙保険料)の納付額のうち24日から第一級印紙保険料及び第二級印紙保険料の納付日数を差し引いた日数に相当する日数分の額を加算した額を二十四で除して得た額が第二級印紙保険料の日額以上であるとき。
三 前二号のいずれにも該当しないとき 4100円(その額が次条第1条の規定により変更されたときは、その変更された額)
第三級給付金
第49条(日雇労働求職者給付金の日額等の自動的変更)
厚生労働大臣は、平均定期給与額(第18条第1項の平均定期給与額をいう。)が、平成6年9月の平均定期給与額(この項の規定により日雇労働求職者給付金の日額等が変更されたときは直近の当該変更の基礎となった平均定期給与額)の百分の百二十を超え、又は百分の八十三を下るに至った場合において、その状態が継続すると認められるときは、その平均定期給与額の上昇し、又は低下した比率を基準として、日雇労働求職者給付金の日額等を変更しなければならない。
第50条(日雇労働求職者給付金の支給日数等)
日雇労働求職者給付金は、日雇労働被保険者が失業した日の属する月における失業の認定を受けた日について、その月の前2月間に、その者について納付されている印紙保険料が通算して28日以下であるときは、通算して13日分を限度として支給し、その者について納付されている印紙保険料が通算して28日分を超えているときは、通算して28日分を超える4日分ごとに1日を13日に加えて得た日数分を限度として支給する。ただし、その月において通算して17日分を超えては支給しない。
第51条(日雇労働求職者給付金の支給方法等)
日雇労働求職者給付金は、公共職業安定所において、失業の認定を行った日に支給するものとする。
2.厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、日雇労働求職者給付金の支給について別段の定めをすることができる。
第53条(日雇労働求職者給付金の特例)
日雇労働被保険者が失業した場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その者は、公共職業安定所長に申し出て、次条に定める日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる。
一 継続する六月間に当該日雇労働求職者について印紙保険料が各月十一日分以上、かつ、通算して七十八日分以上納付されていること。
二 前号に規定する継続する六月間(基礎期間)のうち後の五月間に第45条の規定による日雇労働求職者給付金の支給を受けていないこと。
三 基礎期間の最後の月の翌月以後二月間に第四十五条の規定による日雇労働求職者給付金の支給を受けていないこと。
2.前項の申出は、基礎期間の最後の月の翌月以後四月の期間内に行わなければならない。
第54条
前条第1項の申出をした者に係る日雇労働求職者給付金の支給については、第48条及び第50条第1項の規定にかかわらず、次の各号の定めるところによる。
一 日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる期間及び日数は、基礎期間の最後の月の翌月以後四月の期間内の失業している日について、通算して六十日分を限度とする。
二 日雇労働求職者給付金の日額は、次のイからハまでに掲げる区分に応じ、当該イからハまでに定める額とする。
イ 基礎期間に納付された印紙保険料のうち、第一級印紙保険料(176円)が72日分以上であるとき 第一級給付金の日額(7500円)
ロ 次のいずれかに該当するとき 第二級給付金の日額(6200円)
(1)基礎期間に納付された印紙保険料のうち、第一級印紙保険料及び第二級印紙保険料(146円)が72日分以上であるとき(イに該当するときを除く。)
(2)基礎期間に納付された印紙保険料のうち、第一級印紙保険料及び第二級印紙保険料が72日分未満である場合において、第一級印紙保険料の納付額と第二級印紙保険料の納付額との合計に、第三級印紙保険料(96円)の納付額のうち72日分から第一級印紙保険料及び第二級印紙保険料の納付日数を差し引いた日数に相当する日数分の額を加算した額を72で除して得た額が第二級印紙保険料の日額以上であるとき。
ハ イ又ロに該当しないとき 第三級給付金の日額(4100円)
第5節 就職促進給付
第56条の3(就業促進手当)
就業促進手当は次の各号のいずれかに該当する者に対して、公共職業安定所長が厚生労働省令で定める基準に従って必要があると認めたときに支給する。
一 次のイ又はロのいずれかに該当する受給資格者である者
イ 職業に就いた者(厚生労働省令で定める安定した職業に就いた者を除く)であって、当該職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数が当該受給資格に基づく所定給付日数の三分の1以上かつ四十五日以上であるもの・・・就業手当
ロ 厚生労働省令で定める安定した職業に就いた者であって、当該職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数が当該受給資格に基づく所定給付日数の三分の一以上であるもの・・・再就職手当
二 厚生労働省令で定める安定した職業に就いた受給資格者、高年齢受給資格者、特例受給資格者又は日雇受給資格者であって、身体障害者その他の就職が困難な者として厚生労働省令で定めるもの。・・・常用就職支度手当
・就業促進定着手当の額は、算定基礎賃金日額からみなし賃金日額を減じて得た額に同一事業主の適用事業にその職業に就いた日から引き続いて雇用された6箇月間のうち賃金の支払の基礎となった日数を乗じて得た数。再就職手当に係る基本手当日額に就職日前日における支給残日数に相当する日数に10分の4(早期再就職者にあっては、10分の3)を乗じて得た数を乗じて得た額が限度。
雇用保険法施行規則
第83条の6(常用就職支度手当の額)
法第56条の3第3項第3号の厚生労働省令で定める額は、同号イからニまでに掲げる者の区分に応じ、当該イから二までに定める額に九十(当該受給資格者(受給資格に基づく所定給付日数が270日以上である者を除く)に係る法第56条の3第1項第1号に規定する支給残日数が90日未満である場合には、支給残日数、その数が45を下回る場合にあっては、45(18日分が最低保障))に十分の四を乗じて得た額とする。(90×40%=36)
・常用就職支度手当の支給を受けようとする者は、安定した職業に就いた日の翌日から起算して1箇月以内に、常用就職支度手当支給申請書に、原則として受給資格者証、高年齢受給資格者証、特例受給資格者証又は日雇労働被保険者手帳を添えて(受給資格通知、高年齢受給資格通知、または特例受給資格通知の交付を受けた場合にあっては、個人番号カードを提示して)管轄公共職業安定所の長(日雇受給資格者にあっては安定した職業に係る事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長)に提出しなければならない。
雇用保険法
第58条(移転費)
移転費は、受給資格者等が公共職業安定所、職業安定法第4条第9項に規定する特定地方公共団体若しくは同法第18条の2に規定する職業紹介事業者の紹介した職業に就くため、又は公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるため、その住所又は居所を変更する場合において、公共職業安定所長が厚生労働大臣の定める基準に従って必要があると認めたときに、支給する。
2.移転費の額は、受給資格者等及びその者により生計を維持されている同居の親族の移転に通常要する費用を考慮して、厚生労働省令で定める。
雇用保険法施行規則
第91条(移転費の差額支給)
就職先の事業主等から就職支度費が支給される場合にあっては、その支給額が第87条から前条までの規定によって計算した額に満たないときは、その差額に相当する額を移転費として支給する。
雇用保険法 第59条(求職活動支援費)
求職活動支援費は、受給資格者等が求職活動に伴い次の各号のいずれかに該当する行為をする場合において、公共職業安定所長が厚生労働大臣の定める基準に従って必要があると認めたときに、支給する。
一 公共職業安定所の紹介による広範囲の地域にわたる求職活動・・・広域求職活動費
二 公共職業安定所の職業指導に従って行う職業に関する教育訓練の受講その他の活動・・・短期訓練受講費
三 求職活動を容易にするための役務の利用・・・求職活動関係役務利用費
2 求職活動支援費の額は、前項各号の行為に通常要する費用を考慮して、厚生労働省令で定める。
25.求職者給付
・日雇労働求職者給付金のいわゆる普通給付は、日雇労働被保険者が失業した日の属する月における失業の認定を受けた日について、その月の前2月間に納付されている印紙保険料が通算して44日分以上の場合は、通算して17日分を限度として支給される。
・普通給付に係る失業の認定は、原則として、その者の選択する公共職業安定所において、日々その日について行われる。
・降雨、降雪その他やむを得ない理由のため事業主が事業を休止したことによりあらかじめ公共職業安定所から紹介されていた職業に就くことができなかった場合、その職業に就くことができなかった日(その日が引き続く場合には、最後の日)の後1ヶ月以内にその旨を届け出ることにより、その日について日雇労働求職者給付金のいわゆる普通給付の支給に変わる失業の認定を受けることができる。
・日雇労働求職者給付金については、いわゆる普通給付も、いわゆる特例給付も、各週の最初の不就労日は不支給となる。
26.求職者給付
日雇労働被保険者が失業した場合において、次の1から3のいずれにも該当するときは、その者は、その者の住所又は居所を管轄する公共職業安定所の長に申し出て、特例給付による日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる。
1.継続する6月間に当該日雇労働被保険者について印紙保険料が各月11日分以上、かつ、通算して78日分以上納付されていること。
2.上記1に規定する継続する6月間(基礎期間)のうち後の5月間に普通給付又は特例給付による日雇労働求職者給付金の支給を受けていないこと。
3.基礎期間の最後の月の翌月以後2月間(申出をした日が当該前2月間の期間内にあるときは、同日までの期間)に普通給付による日雇労働求職者給付金の支給を受けていないこと。
27.就職促進給付
・基本手当の受給資格者が、所定給付日数の3分の1以上の支給残日数があったとしても、離職前の事業主に再び雇用されたときは、再就職手当は支給されない。
・再就職手当については、離職理由による基本手当の給付制限を受けている期間に就職した受給資格者であっても、一定の要件を満たせば支給される。
就職促進給付
雇用保険の失業等給付の就職促進給付のうち、就業促進手当として、再就職手当、就業促進定着手当、就業手当などがある。
・再就職手当は、基本手当の受給資格がある人が安定した職業に就いた場合(雇用保険の被保険者となる場合や、事業主となって、雇用保険の被保険者を雇用する場合など)に基本手当の支給残日数(就職日の前日までの失業の認定を受けたのちの残りの期間)が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給される。支給額は、所定給付日数の支給残日数×給付率×基本手当日額となる。
・基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上の人は、所定給付日数の支給残日数×70%×基本手当日額
・基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上の人は、所定給付日数の支給残日数×60%×基本手当日額
※基本手当の日額の上限は6,395円(毎年8月1日以降に変更されることがある。)(60歳以上65歳未満は5,170円)
・就業促進定着手当は、再就職手当の支給を受けた人が、引き続きその再就職先に6ヶ月以上雇用され、かつ再就職先で6ヶ月間に支払われた賃金の1日分の額が雇用保険の給付を受ける離職前の賃金の1日分の額(賃金日額)に比べて低下している場合、就業促進定着手当の給付を受けることができる。
支給額は、離職前の賃金日額-再就職手当の支給を受けた再就職の日から6ヶ月間に支払われた賃金額の1日分の額×再就職の日から6ヶ月間内における賃金の支払の基礎となった日数(通常月給制の場合は暦日数、日給月給の場合はその基礎となる日数、日給制や時給制の場合は労働の日数)
上限は、基本手当日額×基本手当の支給残日数に相当する日数×40%(再就職手当の給付率が70%の場合は、30%。令和7年4月1日以降に再就職手当の支給に係る再就職をした場合は、再就職手当の給付率に関係なく20%)
28.就職促進給付
・就業促進定着手当の額は、再就職手当に係る基本手当日額に支給残日数に相当する日数に10分の2を乗じて得た額が限度とされる。
・受給資格者は、就業促進定着手当の支給を受けようとするときは、再就職手当の支給に係る職業に就いた日から起算して6ヶ月目に当たる日の翌日から起算して2ヶ月以内に、就業促進定着手当支給申請書を管轄公共職業安定所の長に提出しなければならない。
・再就職手当又は就業促進定着手当を支給したときは、雇用保険法の規定の適用については、原則として、当該再就職手当または就業促進定着手当の額を基本手当日額で除して得た日数に相当する日数分の基本手当を受給したものとみなされる。
・高年齢求職者給付金の支給を受けた者であっても、当該高年齢受給資格に係る離職の日の翌日から起算して1年を経過していない場合には、所定の要件を満たせば、常用就職支度手当を受給することができる。
・所定給付日数が300日である受給資格者が厚生労働省令で定める安定した職業に就いた場合において、当該職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数が60日であるときに、受給できる常用就職支度手当の額は基本手当日額の36日分となる。
29.就職促進給付
求職活動支援費の1つである広域求職活動費は、離職理由による給付制限を受けている受給資格者等が公共職業安定所の紹介により広範囲の地域にわたる求職活動(広域求職活動)をする場合であっても、他の要件を満たせば支給される。
30.就職促進給付
1.就業促進定着手当は、再就職手当の支給を受けた者が再就職手当の支給に係る同一事業主の適用事業にその職業に就いた日から引き続いて6箇月以上雇用された場合であって、その職業に就いた日から6箇月間に支払われた賃金を雇用保険法第17条に規定する賃金とみなして算定されることとなる賃金日額に相当する額(みなし賃金日額)が当該再就職手当に係る基本手当日額の算定の基礎となった賃金日額(算定基礎賃金日額)を下回ったときに支給される。
2.就業促進定着手当の額は、算定基礎賃金日額からみなし賃金日額で減じて得た額に同一事業主の適用事業にその職業に就いた日から引き続いて雇用された6箇月間のうち賃金の支払の基礎となった日数を乗じて得た額とし、当該再就職手当に係る基本手当日額に支給残日数に相当する日数に10分の2を乗じて得た額を乗じて得た額を限度とする。