国民年金法・老齢基礎年金と障害基礎年金

年金給付は原則として、毎年2月、4月、6月、8月、10月および12月の6期に分けてそれぞれの前月分んまでの分が支払われる。老齢年金の額は定額で、780,900円×改定率。改定率は、その時々の賃金や物価の変動率に応じて改定される。ただし、これは20歳から60歳までの国民年金の被保険者期間40年(480月)のすべてが保険料納付済期間である場合の満額。保険料免除期間がある場合など、保険料納付済期間が40年(480月)に満たないときは、比例的に減額される。尚、昭和41年4月1日以前に生まれた者であって、国民年金の制度上の理由で保険料納付済期間が480月に足りず満額の老齢基礎年金を受けられない者などを対象に、老齢基礎年金に振替加算額が加算されることがある。老齢基礎年金の受給権者の配偶者が受けている老齢厚生年金や障害厚生年金の額に、その配偶者を対象とした加給年金額が加算されているとき、それに基いて行われる。

老成基礎年金は、原則として受給権が発生する65歳(に達した日の属する月の翌月)から支給開始されるが、本人の希望により66歳以降の繰下げることができる。60歳以上65歳未満の者で受給資格期間を満たしている者は、65歳に達する前に厚生労働大臣に支給繰り上げの請求をすることができ、請求した翌月から支給が開始される。ただし、その請求をした時期に応じて年金額は減額され(1ヶ月繰り上げるごとに0.4%減額※昭和37年4月1日以前生まれの人は0.5%減額)65歳以降も額は改定されることなく一生減額された額での支給となる。

66歳に達する前にその請求をせず支給が開始されていなかったものは、原則として厚生労働大臣に支給繰下げの申し出をすることができる。この場合、申出をした時期に応じて年金額は増額され(1ヶ月繰り下げるごとに0.7%増)以後、生涯その増額された額での支給となる。老齢基礎年金の受給権は受給権者が死亡したときに限り、消滅する終身年金。死亡以外の自由により消滅することはない。

一般的な障害基礎年金をはじめ、20歳になる前に発生した傷病による障害に関するものなど、6種類の障害基礎年金がある。
1.一般的な障害基礎年金
2.事後重症による障害基礎年金
3.基準傷病に基づく障害による障害基礎年金
4.20歳前傷病による障害基礎年金
5.経過措置による障害基礎年金
6.特例措置による障害基礎年金

国民年金法第30条
障害基礎年金は、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において次の各号のいずれかに該当した者が、当該初診日から起算して一年六月を経過した日(その期間内に傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により次項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときに、その者に支給する。ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の三分の二に満たないときは、この限りでない。
一 被保険者であること。
二 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、六十歳以上六十五歳未満であること。
2 障害等級は、障害の程度の応じて重度のものから一級及び二級とし、各級の障害の状態は、政令で定める。

障害年金の支給額は、2級が780,900円×改定率で、1級がその1.25倍。障害基礎年金の受給権者に生計を維持される子(高校卒業前の子など遺族基礎年金の受給権者となる子)がいるときは、その子の数に応じて一定額が加算される。この加算額は、第2子まで224,700円×改定率、第3子以降は74,900円×改定率。配偶者は障害基礎年金の額の加算対象にならないが、障害厚生年金の加給年金額の対象になる。障害の状態が2級の状態より軽くなったときは、障害基礎年金は支給が停止される。厚生年金保険法で定める3級の状態よりも軽くなって3年が経過し、年齢も65歳以上になったときは、障害基礎年金の受給権は消滅する。障害の程度が2級から1級に増進したときは、障害基礎年金の額の改定を請求することができる。



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