厚生年金保険法・特別支給の老齢厚生年金等
・特別支給の老齢厚生年金は、①支給開始年齢に達していること②1年以上の厚生年金保険の被保険者期間を有すること(※本来の老齢厚生年金だと最低限必要な厚生年金保険の加入期間は1カ月以上)③保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が10年以上であること、これらのすべての要件を満たしたとき、支給開始年齢に達したときから支給される。
厚生年金保険法附則
第8条(老齢厚生年金の特例)
当分の間、65歳未満の者が、次の各号のいずれにも該当するに至ったときは、その者に老齢厚生年金を支給する。
一 六十歳以上であること。
二 一年以上の被保険者期間を有すること。
三 第42条第2号に該当すること。
第8条の2(特例による老齢厚生年金の支給開始年齢の特例)
男子又は女子(第二号厚生年金被保険者であり、若しくは第二号厚生年金被保険者期間を有する者、第三項厚生年金被保険者であり、若しくは第三号厚生年金被保険者期間を有する者又は第四号厚生年金被保険者であり、若しくは第四号厚生年金被保険者期間を有する者に限る)であって次の表の上欄に掲げる者について前条の規定を適用する場合においては、同条第一号中『六十歳』とあるのは、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
昭和28年4月2日から昭和30年4月1日までの間に生まれた者・・・六十一歳
昭和30年4月2日から昭和32年4月1日までの間に生まれた者・・・六十二歳
昭和32年4月2日から昭和34年4月1日までの間に生まれた者・・・六十三歳
昭和34年4月2日から昭和36年4月1日までの間に生まれた者・・・六十四歳
2.女子(第一号厚生年金被保険者であり、又は第一号厚生年金被保険者期間を有する者に限る)であって次の表の上欄に掲げる者について前条の規定を適用する場合においては、同条第一号中『六十歳』とあるのは、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
昭和33年4月2日から昭和35年4月1日までの間に生まれた者・・・六十一歳
昭和35年4月2日から昭和37年4月1日までの間に生まれた者・・・六十二歳
昭和37月4月2日から昭和39年4月1日までの間に生まれた者・・・六十三歳
昭和39年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた者・・・六十四歳
3.坑内員たる被保険者であった期間と船員たる被保険者であった期間とを合算した期間が十五年以上ある者であって、次の表の上欄に掲げるものについて前条の規定を適用する場合においては、同条第一号中『六十歳』とあるのはそれぞれ同表の下欄に抱える字句に、同条第二号中『一年以上の被保険者期間を有する』とあるのは『坑内員たる被保険者であった期間と船員たる被保険者であった期間とを合算した期間が十五年以上である』と読み替えるものとする。
昭和33年4月2日から昭和35年4月1日までの間に生まれたもの・・・六十一歳
昭和35年4月2日から昭和37年4月1日までの間に生まれたもの・・・六十二歳
昭和37年4月2日から昭和39年4月1日までの間に生まれたもの・・・六十三歳
昭和39年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれたもの・・・六十四歳
以下は、日本年金機構HP【特別支給の老齢厚生年金】より
・昭和60年の法律改正により、厚生年金保険の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられた。受給開始年齢を段階的に、スムーズに引き上げるために設けられたのが『特別支給の老齢厚生年金』の制度。
特別支給の老齢厚生年金を受け取るためには、以下の要件を満たしている必要がある。
・男性の場合、昭和36年4月1日以前に生まれたこと。
・女性の場合、昭和41年4月1日以前に生まれたこと。
・老齢基礎年金の受給資格期間(10年)があること。
・厚生年金保険等に1年以上加入していたこと。
・生年月日に応じた受給開始年齢に達していること。
・特別支給の老齢厚生年金には、報酬比例部分と定額部分があり、生年月日と性別に応じてそれぞれ受給開始年齢が異なる。
受給開始年齢の特例
昭和16年(女性は昭和21年)4月2日以後の生まれでも、次のいずれかに該当する場合は、特例として報酬比例部分(老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金のいずれの給付においても、年金額の計算の基礎となるもの。年金の加入期間や過去の報酬等に応じて決まるもので計算方法は、次の通り。報酬比例部分=平均標準報酬額×1000分の5.481OR7.125×加入期間の月数)の受給開始年齢から報酬比例部分と定額部分(特別支給の老齢厚生年金の計算の基礎となるもの。計算方法は、1696円(昭和31年4月1日以前生まれ)OR1701円(昭和31年4月2日以後生まれ)×生年月日に応じた率×被保険者期間の月数)を合わせた特別支給の老齢厚生年金が受給できる。
1.厚生年金保険の被保険者期間が44年以上(被保険者資格を喪失(退職)しているときに限る。)
2.障害の状態(障害厚生年金の1級から3級に該当する障害の程度)にあることを申し出た人(被保険者資格を喪失(退職)しているときに限る。)
3.厚生年金保険の被保険者期間のうち、坑内員または船員であって期間が15年以上ある人(昭和21年4月1日以前生まれは55歳から受給できる。それ以後の生まれは、受給開始年齢が段階的に引き上げられる。)
※申出月の翌月分から特例受給開始。ただし、障害年金を受給中の人は報酬比例部分の受給開始年齢にさかのぼって特例受給開始。
22.特別支給の老齢厚生年金
保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象気kを合算した期間が10年に満たない60歳以上の者で、厚生年金保険の被保険者期間(第1号厚生年金被保険者期間に限る)を一年以上有し、当該被保険者期間と旧共済組合員期間とを合算して20年以上の期間を有する者については、厚生年金保険の被保険者期間に応じて特別支給の老齢厚生年金の例によって計算した額を特例老齢年金として支給する。
23.特別支給の老齢厚生年金
被保険者である受給権者がその被保険者の資格を喪失し、かつ、被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して一月を経過したときは、その被保険者の資格を喪失した月前における被保険者であった期間を老齢厚生年金の額の計算の基礎となるものとし、資格を喪失した日から起算して一月を経過した日の属する月から、年金の額を改定する。
24.特別支給の老齢厚生年金等
報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金には、加給年金額は加算されない。
25.特別支給の老齢厚生年金
報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金の受給権者が、被保険者でなく、かつ、傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときは、その者の請求により、当該請求があった日の翌月から、定額部分が加算された年金額に改定される。
26.特別支給の老齢厚生年金
障害基礎年金及び障害厚生年金と雇用保険の基本手当のとの間で、調整は行われない。
27.特別支給の老齢厚生年金
1.昭和27年4月2日から昭和29年4月1日までの間に生まれた女子であって、第1号厚生年金被保険者期間に係る特別支給の老齢厚生年金の受給権者であるもの(障害者、長期加入者及び坑内員・船員の特例に該当する者を除く)については、原則として64
歳から報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金が支給され、から報酬比例部分に定額部分が加算された額の特別支給の老齢厚生年金が支給される。また、この者に支給される定額部分の年金額は、縁に1,628円に国民年金法第27条に規定する改定率を乗じて得た額(その額に50銭未満の端数が生じたときは、これを1円に切り上げるものとする)に被保険者期間の月数(当該月数が480を超えるときは、480とする)を乗じて得た額である。
2.昭和16年4月2日から昭和36年4月1日までの間に生まれた男子であって、特別支給の老齢厚生年金の受給権者であるものが、その権利を取得した当時、被保険者でなく、かつ、その者の被保険者期間が44年以上であるときは、報酬比例部分に定額部分が加算された額の老齢厚生年金が支給される。
28.特別支給の老齢厚生年金
1.報酬比例部分のみの60歳代前半の老齢厚生年金の受給権者である被保険者が、年金額として120万円、総報酬月額相当額として34万円(標準報酬月額24万円とその月以前1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額10万円の合算額)であるとき、その者に支給すべき年金月額は、100,000円となる。
また、この者が、雇用保険法の規定による高年齢雇用継続基本給付金を受給しているときは、年金月額100,000円から9,600円が支給停止される。(この者の60歳到達時のみなし賃金日額に30を乗じて得た額は42万円とする。)
なお、この場合、老齢厚生年金の受給権者(老齢厚生年金の裁定請求書に雇用保険被保険者番号を記載していない者であって、一定のものに限る)は、速やかに、支給停止事由該当届を日本年金機構にと提出しなければならない。
2.仮に、上記1の総報酬月額相当額34万円のうち標準報酬月額が320,000円以上であるときは、高年齢雇用継続基本給付金との調整は行わない。