カウベル(COW-BELL)の思い出
小学生の頃、担任の先生が音楽好きで、教室に置かれたギターで昼休みによく弾き語りをしていました。また学芸会などのステージでは、先生がアレンジした往年の名曲を、それぞれのパートに分かれてクラス全員で演奏、それも学校のステージのみならず、休日には市町村や都道府県の器楽演奏会でも披露するという、改めて考えると不思議な思い出があります。みんなでお揃いのベレー帽をかぶって、白いシャツに赤いスカーフを巻いて。そういう少年少女楽団などに在籍していた訳でもないのですが…。
私はカウベル担当でした。コンコンとベルを叩くだけなのに何かと悪目立ちする損な役回りですが、後に音楽に携わる上で、リズム感を体で覚える良い経験になりました。演奏会の選曲は、先生方の世代のオールディーズや80'sが多く、子供の頃から幅広い音楽に触れる機会に恵まれたのも、幸運だったと思います。
その中でも有名な一曲、カスケーズの『悲しき雨音』を紹介致します。
この曲の華であるグロッケンのキラキラした音色に隠れて、2拍目の表と3拍目4拍目の裏で鳴っているコンコンの音が私のカウベルのパートでした。あえて語るほどのこともないですが、カウベル担当なんてそうそう経験出来ないことを思えば、12年に1度、丑年が来るたびに思い出すカウベルとの縁を、これからも忘れずにいたいものです。