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居飛車ガールと365日の紙飛行機

物心ついた時から、将棋の盤駒がいくつもある家に育ち、現在も趣味として将棋を嗜んでいますが、noteを始めて3つ目の記事で少しだけ天才少年の話題に触れたまま、なぜかご無沙汰していました。

それこそ6年前、NMB48の『イビサガール』という曲を『居飛車ガール』と勘違いして、秋元先生がついに将棋ソングを書いてくれたと歓喜したほどの将棋好きです。ちなみに「居飛車」とは、将棋の初期配置のまま飛車の筋を動かさずに駒を進める戦法で、逆に飛車を定位置から動かして駒を進める戦法を「振り飛車」と呼びます。

普段より音楽ストリーミングサービス「AWA」にて自作プレイリストを公開していますが、せっかくなので『居飛車ガール』にちなんで、以前作成したNMB48のプレイリストを振り返ると、①僕らのユリイカ、②高嶺の林檎、③まさかシンガポール、④北川謙二、⑤太宰治を読んだか?、⑥ナギイチ、⑦365日の紙飛行機、⑧ドリアン少年、のラインナップでした。

この7曲目の『365日の紙飛行機』は、2015年のNHK連続テレビ小説『あさが来た』の主題歌で、本来はAKB48の楽曲なのですが、翌年のMNB48のシングル『甘噛み姫』のカップリング曲に『365日の紙飛行機』の山本彩さんのソロバージョンが収録されており、どうしても外せない曲としてプレイリストに加えました。この選曲にこだわったのは、実は2015年の紅白歌合戦がきっかけでした。

かつての紅白歌合戦は、出場者や出演順だけでなく、その歌手のヒット曲や代表曲の中からどんな楽曲が選ばれるのかも注目されていました。しかし近年は特にアイドルグループなどのステージで、いくつもの曲をひとつに詰め込んだ「紅白スペシャルメドレー」なるものが目立つようになってきています。バラバラの楽曲たちが数十秒単位で忙しなく入れ替わり、じっくりと歌を聴きたい視聴者が置き去りになっている傾向にあると個人的に感じます。

2015年の紅白歌合戦にて、NMB48の曲目が『365日の紙飛行機』と発表されて驚きました。確かに曲自体はNMBの山本さんの歌い出しで始まりますが、私の中ではAKB48のヒット曲として認識していたからです。ちなみにこの年のAKB48の曲目は「AKB紅白2015SP 10周年記念メドレー」でした…。

何と言ってもNHKが誇る朝の連続テレビ小説の主題歌です。『あさが来た』の出演者の皆さんがセンターの山本さんを囲んで、紅白のステージ上で素敵なコラボレーションが実現しました。しかし一方で他のメンバーは、自分たちNMBの楽曲が歌えない上に、ステージの後ろに追いやられるという憂き目を見ることになった訳です。私自身は特にNMBのファンではありませんが、彼女たちや応援するファンの心境を思うと、果たしてこれで良かったのだろうかという疑問が残りました。

そのモヤモヤを吹き飛ばしたのは、2016年1月26日放送のNHK歌謡コンサートでした。紅白のような過剰な演出もなく純粋に歌を味わえるこの番組が昔からとても好きなのですが、この日の放送は、なんと山本さんがAKBやNMBの肩書きもない単独出演、しかもアコースティックギターの弾き語りということで、もちろん現役のアイドルとしては異例中の異例です。そして厳かな舞台で歌われた『365日の紙飛行機』は、グループで歌うよりもソロの弾き語りの方が、この楽曲の持つ健気なメッセージが山本さんの歌声によってストレートに伝わり、ひたすら感銘を受けた次第です。あの紅白の演出も、山本さんを前面に押し出すことで、より歌の魅力を最大限に届けたい意向だったのだと納得しました。重ね重ね、他のメンバーとファンの皆さんには申し訳なく思うばかりです。

…そんなわけで、好きなことを語り始めると、つい制御が効かなくなって暴走気味になってしまいますが、これからもnoteと将棋と音楽を楽しみながら、そして今度こそは脱線せずに将棋愛を語りたいと思います。

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