第十章『戦争の始まり』
「はぁ、えらいことになったな…」
あの街中での騒動は地下の魔力溜りが暴発したということになっており、俺と姫様がいた事も公にはなっていないらしい。
ちなみに俺は今部屋の中に幽閉されている。あの後、騎士団に先導されて王宮まで戻るやいなやこの部屋にぶち込まれた。
「…」
リアナさんが連れていたサリナと一緒に。
「…サ、サリナ?大丈夫か?水飲む?」
「…」
「え、えーっと…何かあれば言ってな」
「…」
さっきからずっとこの調子だ。サリナは俺の事をずっと見てくるのだが、話しかけてみても