日記23 noteで作る私の歌集『残り香』Part2
以前、私のnoteにて書いた『noteで作る私の歌集Part1』のpart2です。また、作った短歌が増えて来たので、ここいらでまとめておこうと思います。
Part1の歌集はこちらから
(というか、歌集なら、なにかタイトルがあるべきですよね….、考えとかねば…)
追記
『残り香』にしました。ぱっと思いついたものですが、重箱みたいにピタッとハマった感があります。歌集ではよくありそうな名前ではありますが…。
part1の時にも書いたんですが、これは、私が大学生の頃に詠み始めた短歌を備忘録的に残しておくものです。
一応、書いていくこととしては、
・詠んだ歌の日付
・歌の小背景みたいなもの
・歌
・その歌を詠んだ当時のメモや感想、背景など
などです。歌の解釈に関しては人それぞれあると思うので書きませんが、その歌を書いた背景なんかは書いてます。
また、part2からは、この日記を書いている時点での、私の感想やその歌の背景に関しては、○を付けて書き出していっています。それでは!
2020年1月19日
恋煩いで寝られないのか?
・寝てもダメ 遊んでもダメ モヤモヤと
疲れの正体 きみ煩(ワズラ)い
○前回の歌集part1はSHISHAMOのライブに行った後の歌で終わっていて、その続きなので、多分、ライブで見た朝子さんのことを考えた話だと思います。これを詠んだ当時も、やや、くさいなと思いつつ、詠んだ記憶があります。
思いつき
・『不幸こそ 幸せの種』皮肉にも
不幸の花の 似合うきみの頬(ホオ)
○不幸を信条としている人っていいな〜との思いつきで詠んだ歌ですね。
1月21日
資料を取りに行った帰り、ポカリを飲む際に空を見ると、唯一知ってる星座があった。
・ポカリ飲み 幼き時分を 思い出す
その頃習った 冬の星座の夜の下(モト)
○書いてある通りです。山のふもとにある大学なので、夜は星が綺麗なんですよね。この、唯一知ってる星座は確か、あの砂時計みたいな星座だったと思います多分。
排気ガスが光芒により光っていて綺麗で、天上の仏にでも線香を供えているようである
・雲間から 差す光芒に 煙突の
スモッグ輝き 線香の立つ
○大学まで電車通学だったんですが、その途中、工場の煙突からの煙が雲間からの光に照らされて綺麗だったので。
1月28日
中国山地の日に照らされた山肌が変わらず美しい
・雲漏れ日(クモレビ)に 照るは翳(カゲ)るは 光陰の 交互に現る 山脈の肌
・雲漏れ日に 照るは翳るは 光陰の
交互に現る 山脈の襞(ヒダ)
・雲漏れ日に 照るは翳るは 光陰の
交互に現る 奥の山肌
○書き忘れてましたが、推敲のために似たものを複数、書いたものも一応載せてます。高校の時から、光に照らされて、陰陽が別れる、波打つような山肌が好きで、それが電車の中から再び見れたので。
1月29日
気持ちを交わす歌が作りたくて
・草枕 ひとり寝、冬の 熱帯夜
きみ添ふ夜の あたたかさこそ
旅の途中、草枕に寝れば、冬にも関わらず暑い夜であった。いつも夜が心地よかったのは、きみが添うあたたかい夜だったからなのだな。(きみとの夜が恋しい)
返し
・さればこそ 冷たし、言はる われ無くば
枕も編めぬ 君なればこそ
だから言ったではありませんか、あなたがいつも冷たいという私がいなければ、夜、寝ることもままならないあなたなのですから。(早く帰ってきてください)
我ながらめちゃめちゃいい返しじゃないですか?
○part1を作った時に、古代日本みたいに日常的に心情を交わすような歌すくね〜と思ったので、相聞歌を作って見たくて詠んだものです。各歌の下には私の解釈が書いてあります。自画自賛してますね。
1月31日
締め切りが閉じ、日常に戻る図書館
・卒論と 踊るワルツも これまでと
眠る図書館 帰る静寂
・PCの 叩く鍵盤 アルペジオ
弾く論文 奏(カナ)づ人生(ヒトノセ)
○卒論提出締め切りがこの日で、12月くらいから、普段は全然混んで無い図書館がずーっと混んでたんですけど、締め切りが終わると、途端にいつもの静寂を取り戻したのが心地良くて。二個目のアルペジオとかは意味よく知りません。語感で詠みました。
2月3日
マクドででかいジャズが響き、人々の個性が消えて、その闘争から逃れ、落ち着いているようだ
・奴隷たち 眠る闇夜の カフェテリア
轟くジャズに 烙印は消え
○大学の最寄駅にあるマクドによく行ってたんですが、勉強終わりとかで22時くらいに寄ると大体、すごいでっかくジャズが流れてて、そこにいる疲弊した人たちの闘争のスティグマを消してくれているようだなと感じて詠んだものです。
2月10日
靴紐をわざわざ解いて結び直す人をみて
・午後1時 飯も食わずに 働けば
硬く結んだ 靴紐の解け
・午前2時 死を待つ床の 朧げに
枯革靴(カレカワグツ)の 紐をただ結ぶ
○電車通学だったので、その時に見た人をよく詠むんですけど、久々にこういう人見たな〜と思いました。大人になると靴紐がほつれて結び直すってことはよくあると思うんですけど、わざわざ、結ばれているものを解いてっていうのは、なかなか珍しく思えて。
2月11日
・『よくやった』 背中さすられ デクノボウ
前向きな死を ふと願う夜
○part1の時にも書いたんですけど、ずーっと、なに言われても、自惚れ無いようにしようって思っている時があったんですが、確か、この時は担当教官に褒められたか何かで、それを思い出した時のものですね。昔から考えているんですけど、一番いい死に方って感動死だなって思ってるので。
2月13日
小春日に、あの冬以来にあなたに会え、話せた嬉しみに
・あの冬に 別れを告げた きみとまた
会う小春日の 雪解けの風
○2019年の冬くらいだったかな。人生で初めて告白されたんですけど、色々と思いがあって断ったんですよね。それ以来、その告白して来てくれた子とは一度も話せてなかったんですが、この日に久々に円満な感じで話せて、安心した時のものですね。
2月18日
飲み会にて
・後ろから 笑顔がわかる 飲み会の
橙色の 火照る電灯
○卒論発表会の後の飲み会で緊張の発表会が終わって、みんな楽しそうだったので。
酔っ払いの先輩を家に送って
・泥酔の 先輩の家の きたなさの
その人生の うつくしさかな
2月27日追記
・泥酔の 先輩の家の きたなさに
みる人生の うつくしさかな
○ある先輩(part1にも出てきた方です)がべろんべろんに酔っちゃって、その人の家まで友人と送って行ったんですが、チラッとその部屋を見た時に、すごいごちゃついてて、色々と考えさせられた時のものです。
2月26日
図書館バイトが終わった
・夢興り 夢の尽きたる 図書館の
終われば確かに 寂しくもあり
○大学図書館でバイトしてたんですけど、それが楽しくて、関連の、ある所の採用試験を受験したんですけど、ダメダメで。そんな色んな経験や思い出が詰まった図書館バイトをこの日に辞めて、その帰り道、冷たい夜風に当たりながら詠んだ歌ですね。
帰り道ぱっと建物の部屋の明かりがつく
・帰り道 灯る教室 見知らぬ二人
最初、笑ひて その後、はにかむ
・帰り道 灯る教室 見知らぬ二人
警備の来るまで 治外法権
○上の歌の帰り道に、大学のある教室に灯りがついて、確か、男女二人が話してたか、何かだったと思うんですが(もしかすると、男女はいなくて、単に、教室を警備員が巡回してたとこから色々と想起して、だったような気もしますが)、それをみて詠んだ歌です。
イヤホンしながら二郎系ラーメンを食う女性をみて
・イヤホンし あたしとラーメン ランデヴー
脂もお前も 眼中になく
→いつか見たのだが、ラーメンとかに女性一人で行ったりすると、出会いのためみたいに思う男性がいるようで、ナンパされたり声をかけられたりする場合があるらしい。それを聞いて腹立つなと思ったので、そのことも詠み込んでみた。かなり満足できる歌になったと思う。
○これも上記帰り道に二郎系ラーメン食いに行った時のものです。そこに書いてある通りです。女性が一人でご飯屋さんにいると、何故だか、一部の男性には、出会い待ちみたいに思われるみたいで、お姉さん、何してるの?っていってナンパしてくる野郎がいるみたいなんですが、何って飯食ってんねん、しか言えないですよね。そんな勘違い野郎、認知の歪み野郎に向けた歌です。
2月28日
美味さに頭がイッテしまうのなら、それはもはや食中毒である。
・ラーメンに お好み焼きに 湯豆腐に
米かきこめば "食"中毒
○この頃は、ストレスを暴飲暴食で発散するというのをやっていて、月一とかで、上記みたく二郎系とか食いに行ってたんですけど、そういう時によくあまりの旨さに頭がぶっ飛ぶことがあったんですよ。それで、ラーメンに米入れたりできると思うんですけど、なんだかんだでああいう米が一番、頭ぶっ飛べるなと発見した時のものです。
直角に曲がりたかった
・直角に 曲がれた気になる 小学校
4年になった 自転車乗り
○自転車乗ってる時に、直角に曲がりたかったんですよね。それで、そんな気持ちになる子供もいるかなと思って詠みました。
3月1日
二上山に登った
・二上(フタカミ)の 山梅、椿 木漏れ日に
アンパンマンは 一顧だにせじ
○友人と二上山という山に急遽、登った際に、花々が綺麗だったので。なんか、斬新なものを入れてみようと思って、アンパンマンが入ってます。
石切場から帰ってきたら靴に石が入っていて、私も石を運ぶ古代人なのかもしれない
・我さへも 古代人たり 靴に石
高松塚の 石切場から
○上記、同じ日のものです。二上山には古代に使われた石切場があったんですよね。かなり大きく山肌が削られていたりと、人間の大いなる潜在に眠る力を感じました。
3月9日
ずんどう屋の光が漁火みたい
・漁火と 思えば、ずんどう 屋のひかり
魚介じゃなくて とんこつなのね
漁火に 見えし、の方がいいか
○寸胴屋ってラーメン屋のことですね。こういうちょっと冗談めかした歌もたまにはいいかなと思って詠みました。
3月11日
地面のコンクリートのヒビがM字型曲線に見えた
・コンクリの ヒビに見えるは M字型
曲線、母の 大走りの音
○近くのコンクリートロードに、大きなヒビが入ってるんですけど、それがM字型曲線に見えたので。発想をうまく飛ばせたような気がします。
3月12日
月を見れば、闇に高速で動く雲が淡い紅色になっていて、夜でも太陽の陽を感じられた
・月見れば 紅挿す雲の 淡淡(アワアワ)と
ブラジルの陽を 我に届けり
届けりってなんか文法的に変だけど、私に届けてくれたんだなぁということがわかれば良いかもしれない。
○あんまり短歌を詠む上で、文法は気にしてないというか、気にしてはいて、調べたりもするんですけど、文法通りで調べが悪かったら、調べがいい方に変えています。あんまり良くないんでしょうけどね…。歌の方は、解説の通りです。
3月14日
夜中に鳴く烏を聴いて驚いた
・ひとり寝の 夜半に烏の つがい鳴く
孤独の鳥も 帳(トバリ)に隠れて
・午前2時 週末の夜(ヨ)は 静かにて
ハシブトガラスは 講談をする
・午前2時 週末の夜は 静かにて
馴染みの烏は 漫談をする
カラスと話す関係だけど、昼間は話せないから、週末の夜だけは話せるんだよという感じ。講談のほうが今っぽいよね。
・午前2時 週末の夜(ヨ)は 静かにて
馴染みのカラスは 講談をする
○この頃、あんまり眠れなかった時期なんですが、夜の3時とか4時になると、鳥が鳴き始めるんですが、初めてカラスが鳴いてるのを聞いた時のものです。最後の歌は日記の2にも書いたものですね。
3月23日
何もすることがなくなった時、砂を弄り出す。今は、そんな時間をだらだらと過ごすばかりで、何が楽しいかすらわからない。
・夕(ユウ)べごろ 実家の居間は 公園にて
永遠(トワ)の間暇に 砂をば遊ぶ
○この頃、卒論をやり終えて、目標が何にもなかった時期に、だらだらと毎日を過ごしていたんですが、そんな感覚が、退屈で手持ち無沙汰の慰めに、砂をいじるようなそんな惨めさがありました。
3月24日
思いつき
・ない話 する彼の眼の 網膜の
視神経のなか 電気の私
・ない話 する彼の眼の 網膜の
神経のなか 電気の私
眼の神経なんだから視神経って言わなくてもわかるかなと思ったので抜いてみた。
○完全な思いつきです。ない話、というのは、確か、オモコロの動画を見てたか、匿名ラジオを聴いてて、着想を得たものですね。
先輩の言葉を思い出して。
・言の葉は 刺身に似るなり 東京の
築地の市場が 我がこころ
字足らずだけど、こっちのがスッキリして好き。
うーん。
・言の葉は 刺身に似るなり 東京の
築地の市場が 我がこころたり
なり、が二回続くのはどうなのかと思ったが、どうなのだろうか…。
○例の先輩が、言葉は鮮度が命、みたいな主旨のことを言っていたことを思い出して。
3月25日
羅列が気持ちいいだけ
・鶯を 飛び越え飲まん 春鉛
鰹節たる 花簪
○この日、卒業式があったんですが、その帰りに。酒に酔った帰路に、気持ちのいいような、縁起のいいような言葉を意味もなく並べたものです。
3月27日
卒業して帰ってきた神戸にやっと詠嘆が湧いてきた
・借りた本 返しに戻る 春神戸
雨降り急ぐ 猪の匂い
○卒業式前に借りてた本があったので、それを返しに大学図書館に帰ってきた時のものです。在学生ではない身分で神戸に行ったのは受験生の頃以来なので、色々と重なりました。
他人の記憶を詠む
・下宿先 出払う朝に 隣との
壁の薄きを 別れに代えて
○下宿していた友人がずーっと、下宿先の部屋が隣との壁が薄くてたまらない、ということを言っていたんですが、卒業してそこを出る時に、もう薄い壁ともおさらばだ!みたいなことを言っていたのを見て。本人からすれば、せいせいしたぜ!みたいな感覚でしょうけど笑
4月2日
ガリガリ君を食って
・午前一時 ガリガリ君を 食う時間
十年前は 午後一時
○ガリガリ君って、昔は昼とか明るい時間に食ってるイメージだったんですが、今となっては、気づけば夜に食うばかりになってました。
4月5日
きみがいとおしい、長生きしてくれ
・いとしきみ 命、一滴 漏刻の
ピッチドロップの 一滴となれ
○数ヶ月に一回、いや、もっと早いスパンで、高校の時の理想の人への想いが再燃する時期がくるんですけど、それです。以下、同題の歌が続きます。大体、いつもなんかのきっかけで再燃するんですけど、この時は何があったんだっけ?
・銀河海 光る粒子の 澪標
きみに会うまで それも愛しく
・銀河海 光る粒子の 澪標
きみに会うまで それさえ愛しく
○上記同題。理想の人のことを考えている時は、たとえ、会えないとしても楽しいんですよね。
きみはなぜかくもうつくしいのか
・色の枯れ 月の堕つるは きみゆゑに
きみゆゑに浮く 銀河なりけり
浮く、が少し気に食わない。
○上記同題。理想の人は、本当にすごい魅力を有している人なので、あらゆる現象の原因に、その魅力を求めがちなのです。今見ても、浮くが気に食いませんね。
・咲く春に 夏、秋萌えて 冬の解け
四季たる日本の 所以たるきみ
五七五をもっと綺麗に四季を表現したい
○上記同題。思い出したんですが、この時に理想の人を思い出したのは、中学の友人にその人の話をされたことが原因だったと思います。『そういえば、あの人どうなったの?』的なノリだったと記憶してます。これくらいで、再燃するのか…。
4月8日
今思えば、今ならあのドロップは三つも食えるのか
・たった2個 2個だけ食うてた 薬用の
ドロップ、今は 3個食う
7月2日追記
・たった2個 2個だけ食ってた 薬用の
ドロップ、今は 3個も食えて
○ガリガリ君の歌と発想は同じなんですが、昔、祖父の家に行くと、薬用のドロップと栄養補助タブレットみたいなのを食べてたんですが、それが年齢制限があって、小さい頃は一個とか二個とかしか食べれなくて、三個食えるのが羨ましかったんですが、今思い出せば、もう三個食えるんだよな〜と感じた時のものです。
4月14日
思いつき
・自粛にて 家でふたりは ひたひたと
午後2時、君は 踊るらし
めちゃくちゃびびった、上の歌もそうだけど、57575になってんじゃん!!!、なんか調べがおかしいなと思ったら!!、
でも、これでいいか。
・自粛にて 家にふたりは たんたんと
午後2時、彼は 踊るらし
彼は、の方が少し遠い感じというか、普段は会えない平日の彼を、客観的に見るような感じ、観察対象としての彼が見えてくるような気がする。
○ガリガリ君の歌もそうなんですけど、調べが57577じゃなくて、57575になってたんですよね。当時、詠んだる時から、なんか変だな〜、しっかりこんな〜と思ってたんですけど、確か、7月かそれくらいに見返した時に、気付いてめちゃ焦りました…。歌は自粛をテーマに。普段は知らない時間の恋人を観察する、という歌です。
初めて恋人とゲームしたら、めちゃめちゃうまかった。
・テレワーク 合間を縫って ゲームする
ヘッドショットを 決めたのはきみ
・テレワーク 合間を縫って ゲームする
アジア一位の きみを知りけり
こうすると、合間を縫ってゲームするのは恋人って感じになるね、それでもいい。
○上記同題。恋人がゲーム好きだったらいいですよね。そう思ったら、アジア一位の恋人設定になってました。
5月1日
半月が勘合に見えた、もしかすると、時代を超えて、平安の誰かと貿易ができるかもしれない
・約束の 舟、来たるべし 半月の
勘合たらん 白兎(ハクト)ば示せ
○解説の通りです。発想の転換を行う歌を作ろうと意気込んで使ったんですが、あんまりよくわからないものになってしまいました。
5月2日
なんと尊いシンアスを見て…
・しのぶれど 出づる殺意の その裏に
君ゆえに恋ふ 弱き我なり
○この頃に、ステイホームを楽しむ、ということで、エヴァ新劇場版序破QがYouTubeで無料公開されてて、私もそれで観てました。何回見ても序破Qはいいですね。それで、エヴァ関連で色々と考察動画とか記事を貪り読んでて、シンジ×アスカという尊さを発見するに至りました。その良さを詠んだ歌です。こちらはアスカ→シンジへの歌です。
・苦悩たる 原罪たらん 世界ゆえ
求め、歩まん 弱ききみゆえ
○上記同題。こちらはシンジ→アスカの、上記、歌への返歌ですね。シンアスサイコー!
5月3日
好きな人?好きだった人?の彼の写真をみて
・他人(ヒト)と笑(エ)む あなたの顔は 万華鏡
千変万化 我が目は回る
我が目が、の方がいいかな?、我が、と目が、で音が被るのが少し気に食わなくなるな。
○part1の時にも書いたんですが、先述の理想の人のLINEのホーム画像が、その理想の人とその恋人らしき人とのツーショット写真で大きな衝撃を受けたんですが、この時に久々に見に行ってみると、その恋人らしき人単体の写真に変わってて、そこから色々と想像した歌ですね。お気に入りの一つです。
5月5日
こどもの日にビアガーデンで楽しい人々
・こどもの日 酒呑む我が身 粛々と
部下、千鳥足 また、こいのぼり
粛々と、の部分は妥協というか、いい言葉を見つけたのはいいけど、まだ適切な言葉がありそうではある。
○ビアガーデンとこどもの日っていう取り合わせがいいなと思って、かなりその二つに固執して作ったものですね。あんまりいい出来ではないかなぁ〜。
5月13日
アイスノンを冷蔵庫の中から掘り出す季節が今年もやってきた。
・今年初 九ヶ月ぶり 100回目
化石発掘 アイスノ(ド)ン
○毎夏、アイスノンを冷蔵庫から出して、熱帯夜を凌ぐんですけど、毎年毎年、アイスノンを取り出すのが一年ぶりなわけなので、冷凍庫の最奥から発掘することになるので、それを詠みました。100回目というのは、適当な数字です。
5月19日
夜に爪を切ってる間が最高
・親指の 角(すみ)の足爪 切ろうとし
気づけばコーラの 温くもなりなん
○高校三年の時に、家庭科の先生が新しく入ってこられて、それでその先生が、みんなのことを知りたいから自己紹介して!って言って、それで私は名前とか言った後に、マイブームは爪を切ることですって言った思い出があるんですが、それくらい今でも爪を、特に足の爪を切るのが好きなので。
5月20日
にきびができたきみ
・肌荒れと ニキビがきみを 襲うから
我はきみより 遅く寝にけり
○鼻のてっぺんにニキビができたんですが、それを見て。
5月21日
メガネがないと夜明けごろの美しい空もぼやけてしまう。その色をかわりに見つめてくれる誰かがいれば…
・裸眼では 夜明けの無垢なる 空色も
見えぬ私に 説くきみと朝
・裸眼では 夜明けの無垢なる 空色を
見えぬ私に 説くきみと朝
も、だと、メガネだとはっきりしすぎて、苦しみの中でたくさんのものを見てしまうが、夜明け前の空はまるで何も汚れを知らないように透き通っている、その空色を余計なものをみないように、裸眼でみたとしても、裸眼ではみることさえかなわない。唯一美しい空色でさえも。というニュアンス。よりこれを強調するなら
・裸眼では 夜明けの無垢なる 空さえも
見えぬ私に 説くきみと朝
か?
ちなみに、を、の方だと、単に寝起きだから、眼鏡をしてないのでみれない、という感じかな?
○好きな人が朝、隣で寝ているという関係性が好きなんです。この頃は先述したように、夜遅くまで起きることが多かったので、午前5時くらいの碧い空を見ることが多くて、その情景とその関係性とを詠んだものです。
5月23日
同窓会を聴くといつもあの旅行が思い出される
・夜 交差点にて 『同窓会』
聴く我の目の 雨降る四国
○SHISHAMOの歌で、私が大好きな歌の一つに同窓会という曲があって、その曲を、友人と四国旅行に行った時に車内でずーーっと聴いていたんですね。それで、旅行当時、就活がうまくいかなかったこととか、その旅行の後に高校の同窓会が予定されてたとかで、色々と重なってずーーっと聴いていたんですが、その結果、この曲を聴くと今でも、当時のぐちゃぐちゃの心を思い出します。最初の5を夜、とめちゃ字足らずですが、一言でまとめてます。
6月2日
寝れずに4時ごろになったが、そとから美しいさえずりが聞こえる
・夜明け前 さえずりの音(ね)に ふと目覚め
共寝すきみを 引き寄せ、応(コタ)ふ
○さっきの夜明け、と、好きな人が朝、隣に、というテーマがここでも出てきてますね。
・夜明け前 我を起こさむ さへずりの
見せし貴女(アナタ)の 火照る寝顔を
火照るを熱きにかえるべきか?
なんかちょっと最後がおしいな。
○上記同題。
6月9日
カーテンが風に吹かれて持ってたアイスに吸い付いてきて、奪われるかと思った
・夏風に 吹かれ、アイスを 食う我と
それを奪わん 夏バテカーテン
○カーテンも夏バテしてんだなぁと思って詠んだ歌です。ここも、発想の転換という考えに囚われているというか、それを根底に詠んでいるのが窺えます。
6月26日
熱帯夜でも、女性は一人で近くの自販機にも行けないのかもしれない。
・『怖がり』と 笑って、家出る 君は、ほら
闇に引かれる こわさを知らぬ
・水求め 君を遣わす 熱帯夜
わがままじゃないよ 夜は好き。でも
○性差って、こういう無意識の、見えないところで発生しているものがあって、それがここでは男性の多くは感じられないからこそ、起こるというか、共感できないものになるのかな、ということを、深夜、自販機へ買いに行った時に思った時の歌です。
6月29日
iPadから昔の映像がたくさん出てきて、苦しい
・我おらぬ 集合写真を みるにつけ
クラスメイトの 笑顔に、軋む
・過去のきみ 修学旅行の ムービーに
幼さ感じる 大人だったきみに
・何も無く 終わってしまった 高校の
旧友、離れ 過去は夕暮れ
・過去の我、 生きた旧家は 生贄に
新邸に生く 我はどう写る?
○理想の人の発作がまた起こってますね。高校の頃に使ってたiPadがあったんですが、パスコード忘れちゃって、ずいぶん長い間、入れなかったんですが、最近、何故か思い出して、中身を確認したんですが、クラスメイトが作った修学旅行の映像とかがあって、もう、(泣)…という感じでした。一番最後のものは、長年住んでた家を引越した時のことを思い出したものです。
結局は、置いていかないで、という言葉と気持ちに集約されるのです。
・己(オノ)が道 行く旧友の 軽きさま
背負(ショ)う過去の我 苦み重なり
○これは発作とは関係ないものですね。たまに、周りに置いていかれるという、寂しさにも、似た苦さを感じます。
"彼女"を巣食わせてしまった私へ
・過去の好き 高ぶる瞬間 神隠し
修学旅行は もう5年まえ
・生煮えの 隠した恋は 掻き捨てよ
せねば、巣食うぞ 不治の悲哀が
・生煮えの 恋、道連れに はや6年
止まらぬ時間に 思い出の楔を打ち
○彼女っていうのは、Girlfriendの意味ではなく、Sheの意味ですが、理想の人を示しています。彼女が私の心に巣食ったのではなくて、私が彼女を巣食わせてしまったところから、このような発作までに続く感情ができたと思ってるので、巣食うというのはよく出てくるテーマでもあります。
7月1日
夢であった人にまた会えた
・夢で逢う いつかの夢の きみとまた
あの学校の 夜(ヨ)の帰り道
・夢ですら うまく話せぬ 我に、きみ
お世辞が嫌いな きみの微笑み
正確には、会えたというよりも同じ学校にいたというか、そのことを思い出した感じではある。前に、めちゃめちゃな坂の上にある学校で、すんごいバトルが行われていて、その話を、学校の帰り道に同じ授業を受けていたその子と帰りながら話していたそんな夢があった気がする。正夢にならんかな。
○説明しづらいんですが、過去の夢で、ある学校で出会った人と、帰り道を一緒に楽しそうに歩いたりしてたんですが、その子の夢をまたみて、懐かしさやら、その子を忘れていたことに対して。
7月5日
好きな人が自分のストーカーってよくない?
・ストーカー させてときみが 聞かぬので
意外や意外 何かに目覚め
・我、尾ける きみの視線の 重みすら
知らんぷりする その笑みがため
○解説の通りですね。よくないですか?
7月10日
美しい紫の髪をしているお婆さんを見て
・藤の花 頭に咲かせ 畑(ハタ)に立つ
お婆(バア)の香る 防虫剤
○散歩してたときに、庭いじりをしていた知らないお婆さんを見て。
7月14日
雨男を良く見立てたい
・雨晒し もう水溜りすら 避けずして
ふと、雨の止む 横に晴れ女のきみ
・雨晒し もう水溜りすら 避けずして
ふと、雨の止む 横、きみの晴れ
○解説の通りです。雨男をプラスの解釈にするべく、動き出しました。
7月16日
能代をみて、きみを思い出す
・きみの居ぬ 褪せた世界の 慰めに
桜挿頭(サクラカザシ)の 空(カラ)の黒髪に
・きみの居ぬ 褪せた世界の 慰めに
桜挿頭(サクラカザシ)を 空(カラ)の黒髪に
○アズールレーン始めました、の日記に書いた歌ですね。能代と理想の人を重ねてます。
7月26日
夜の雷は長雨の兆しらしい。
・夜雷(ヤライ)降る 長雨(ナガメ)思われ つく息を
掴みに夜這ふ きみの肌、冷(ツメタ)し
・夜雷降り 長雨思われ つく息を
掴みに来(キタ)る 震え子のきみ
○夜にバチバチに雷が落ちてたので。調べたところ、そういう言われがあるみたいです。
8月3日
夢で見た。水の中に裸でいる女性を抱き抱え、水から出して、キスする。
・湿林の しずくに浮かぶ 綿入りの
裸のきみの 唇に触れ
・露のなか 肌か(ハダカ)のきみを 抱き抱(カカ)え
綿の胸、触(フ)る 濡れた唇
しずく、あるいは、湖みたいな水場と女性がモチーフ
○そういう夢を見たので。最近、夢なのか妄想なのかわかんないものを見るんですよね。起きてるけど、寝てるみたいな微睡みの時に、動かせたり、展開を作れる最強の夢を見るんですけど、夢じゃない感じもしてて、夢とは言いづらいですよね。これもその一つです。
えっちなやつ、詠んでみて〜
・朝、横に 初めて観るは その寝顔
胸の写りて 『昨夜(キノウ)、シタんだ…』
・朝、横に 初めて観るは その寝顔
喘ぎ、赤らむ 昨日と重なり
○ちょっと前に読んだ短歌の本で、えっち系のやつがあったのを思い出したので、上記の夢らしいなにかをみたついでに。
上と重ねて
・ホースから 出る羽衣に 柔肌の
ビニールプールの 姫は包まれ
えっちくはなくなったし、何なら、ビニールプールで遊んでる娘か何かを詠んだ歌になってるわ。もう少し、年齢高めて、えっちくしたい。
・露落ちて 目覚めるきみを 木陰にて
一糸纏わぬ きみをば抱きぬ
・湖中(コチュウ)、浮く 裸婦を引き揚げ 唇に
触れ、涙目の きみのほとりに
水死体でも揚げた感じになるな〜、水中に浮いてるって表現しにくい。
・湖中にて 水ばかり着て 居るきみと
唇に触れ 勃つ胸に触れ
これをみて、映像が浮かぶ人がいるのか全くわからんが、いいのができた気がする。
○上記夢とえっちを組み合わせていくつか。こういう方向の努力がすごいですね。客観的に見てると恥ずかしいです。努力はいいと思うんだけど…///
8月7日
打ち上げ花火上から見るか下から見るかを見て
・夏の夜 空に上がるは 万華鏡
幾たび、廻さむ 理想(ユメ)の世界へ
・十三の 二人、駆け落ち 灯火の
見せる世界は かく、変わりき
・十三の 二人、駆け落ち 灯火の
見せる世界は のべつ、変わりき
○打ち上げ花火、上から〜が聞いていたよりも面白かったので。なずなが転校した後、どうなったのか、どの世界線に収斂したのかと考えると、私はハッピーエンドが好きなので、二人がifの世界の話を覚えているという未来がいいなと思ったし、そうなっててくれ!という祈りを込めまして…。
典道から
・きみが行(ユ)き 光の消えし 茂下(モシモ)にも
灯火(トウカ)の、歪な 花火は残りき
光と玉によって、できた、あのもしもの世界は、光を様々に変化させる、あのガラス玉が壊れることで壊れ、元の世界線に戻った。でも、元の世界線に戻ったとしても、二人にあのもしもの世界の記憶があっていて欲しい。光と様々に形取られた花火は二人の、駆け落ちの夏を繋ぐ記憶となるのだ。
なずなから返歌
・茂下去る 我にも聞こゆ 花火(ハナ)の音(ネ)と
見えし灯火(トウカ)の 君に会うまで
灯火の→灯火は、の方がいいかな?
○色々書いてますね。この辺も相聞歌を意識してます。当時はかなりの興奮度合いのなかで詠んでたので、すごい勢いというか、気持ちの色が見える感じがいいですね。
というわけで、これまで作ってきた短歌を見てきました。
スマホのメモ帳にパート1とパート2とページを分けて詠んでいたんですが、パート2は相聞歌みたいな感情を通い合わせるような歌を詠もうというのがテーマだったので、個人的には満足しています。
ただ、数を作ろうとしていたところもあったので、同じ語彙や観点、モチーフが似てきたような気がしてなりません。もうすこし、色んな言葉を使っていきたいところです。
最後に、パート2で自分のお気に入りをあげておくと、
・いとしきみ…
・きみの居ぬ….
・他人と笑む…
などでしょうか、もっと色々気に入ってるのはあるんですけど、一応、これだけ上げておきます。
最近、家にいることが多くなったので、あんまりいい発想にならないんですよね。(これまでもずっと、外出していて、見かけた人などを歌にしていたため)
なので、それなりに、外出して色んなものを見たいですね!
とにかく、朝、早起きしないと!
ありがとうございました。見てくれる方がどれくらいいるかはわかりませんが、どの歌がひっかかりましたでしょうか?
よければ、パート1も見てみてください。
おわり