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高校時代の彼氏に「君みたいな人が日本をダメにする」と言われたけど、あながち間違ってなかった

【これは2022年7月8日の話】
全身がしびれるような感覚になったのにびっくりして、共感の範囲を狭めようと思った。

銃が許されていない日本でこんなことが起こるなんて、暴力で黙らせようとするなんて、怖すぎて震えた。

たまたま休みで、長い時間テレビの速報を追っていた。
Twitterのトレンドも埋め尽くされて、経緯や経過が知りたくて見漁っていた。


しばらくすると追っていくごとに脱力してきたので、ブレーキをかけないとと感じた。昼過ぎにはテレビもTwitterも閉じて、本を読むことにした。

意識的に共感の範囲を狭めて、自分の心を守ることは責めなくていいよね…。

これからのことを冷静に考えられなくなるなら、「まず自衛が大事」、「心が壊れる前に、いつも通りの生活を送った方がいい」と言い聞かせていた。



共感の範囲が広すぎると、遠い国の紛争や飢餓について悲しんで、不自由なく平穏に暮らしている自分を「これでいいのか」と責めたり、「いつか大きな戦争とか災害に巻き込まれるのでは」と心配して不安に駆られたりする状態になってしまうのはよく聞く話。


私も社会の資料集で初めてアフリカの栄養失調の子どもたちの写真を見たときは、自分の生まれた国がどんなに幸せかを考えずにはいられなかったけど、まず自分が健全に生きていくために共感の範囲を縮めるようになった。


でも今回は、自分の国で、想像もしなかった衝撃的すぎる怖すぎる出来事が起こった。
こわい。すごく怖い。不安。


注)加害者の動機がなんなのか真相はわからないけれど、このnoteは自分がその瞬間何を思っていたかについて純粋に記録しているだけのものです。


考えの違いを暴力で解決しようとする人がいるのが本当にこわい。
「あなたはそういう考えなのね」って、なんで言えないんだろ。
高校の頃の彼氏を思い出した。


当時の彼氏とは価値観の違いでよく話し合いをした。

いつでも論破されそうになって、「好きだから同じ考えでいてほしい」と言われた。


彼は頭が良くて、得意科目は歴史や現代社会で、政治にも詳しくて、ロジカルに物事を説明するのが得意なタイプ。


でも、とても極端な意見を持っていて、私はクリティカルシンキングの部分から「私と違う」と指摘したかったけど、当時は語彙力もなくて何も反論できなくてとてつもなく悔しかった記憶がある。

例えば、
(社会的にみるとまだ男性は女性より強いと大真面目に言われた。

それは身体的強さが理由であって、筋肉の細胞量とか体の構造的に仕方のないことであり、圧倒的に男性の方が女性よりできる仕事の量が多いからという意見。

そして、自分の家庭は父が一生懸命働いていて、母が家庭を守っている安心感があってそれが自分の理想だから、結婚したら君には家庭を守ってほしい、と。だから今(当時高校生)、将来どう役立つかもわからない勉強を一生懸命しないでほしい。

賢くならないでほしい。できれば自分よりバカでいてほしい。

なぜなら自分は勉強が嫌いだけど、将来家庭を守るためには勉強が必要で今やらなければいけないことだから、俺に劣等感を感じさせないでほしい。なんなら、自分が大学生を卒業するまで働いてもほしくない)
というのが彼の価値観で、この話題でよく言い合いした。

あれ?書き起こしてみると、全然ロジカルじゃない。
エゴすぎる。笑

当時も「エゴだ」と指摘したけど、そうすると怒り出した。

これは私側から見た出来事だから、彼側とか第三者目線から見ると、私にも偏った考え方とか捉え方があったのかもしれない。

けど私は10年以上も前の彼のこの言葉を未だに思い出せる。

当時の私がお互いに「理解」し合えなくても、違いを「認められる」ような方向に持っていこうと話し合いで努力したのも覚えている。


価値観の違いを説明して、完全一致はできないけど、こういう考え方もあるんだなと思ってほしいと説明した。


彼には全く届かなかった。

だから私たちは別れて、お互い、もっと価値観の合う人と幸せになりましょうということになった。

「君はそういう考えなんだね。そういう考えもあるんだね」
という言葉がほしかっただけなのに…
どんなに好き合っていても、どうやったって、分かり合えないことはあるんだな。

価値観の違う人とは、自分が辛くない範囲まで距離をとって付き合えばいいと思う。


だから意見の違いで人を殺めてしまうニュースとか、SNS上でただ傷つけ合うのが目的かのように言い争ったり誹謗中傷したりしているのを見ると、

「なんで、そういう意見もあるのねって言えないんだろう」

と心の底から思って、悲しい。


SNSの一部では、そういう心無い言葉たちが印象を作り上げて、今回のような過激派を生んだのではという声も上がっていた。



それから、高校生の時の彼氏から言われた言葉で、もう一つものすごく衝撃的で今でも覚えているのがある。

「ぬいみたいな人がいるから、日本はダメになる。

もっと政治のことを知って、社会について考えて、若い人が選挙に行かなきゃいけないのに。

俺は事実を言ってるだけで、否定してるわけではないよ」


一理ある。
一理あるよ。
私は歴史とか政治経済が苦手で、頑張って考えてみてもなかなかわからないところもある。

私の人生で、今まで歴史や政治経済が生活に紐づいていることはほとんどなかった。恥ずかしながら。


だから、今回すごく揺さぶられた気持ちは、偽善なのかなとも思ってしまった。

共感しやすい性格なだけで、政治のことなんて何も知らないのに、ただ恐怖と心配でいっぱしに涙している自分が少し嫌だと思う自分がいる…。

一旦テレビを消して、Twitterを閉じて、ご冥福をお祈りしながら、落ち着いてきた頃に考えた。

これからどうしたらいいかな…


有権者なのに政治のことを何も知らないし、自分の周りのことだけに精一杯で今まで知ろうとしてこなかった。


だから、現職の総理時代の功績とか、◯◯問題とかで非難されている理由とかもわからなかったし、政策が自分の生活にどう影響するのかとか、どう考えていいのかもわからなかった。


そういう無知や無関心があって、理解を怠っている私が、「若者の選挙離れ」と言われている部分を悪い意味で担っているんだよ…。

流石に民主主義については知っていて、加害者が言論ではなくて暴力で解決しようとした怖さは十分わかっている。


せめて自分の国の政治についてはもっと理解して、自分の言葉で自分の意見を言える状態になっておかないと…、
どこかの国みたいに国民がナチュラルに政治について言葉で議論し合う風潮すら作れない。


そうじゃないと、自分達が選んだ政治の代表者が襲われるような事態が、また生まれるんじゃないか…

自分の国に対する関心の薄さがどんな危険を孕んでいるかについて頭のどこかで行き着いたから、目の前でわかりやすい悲劇を見て涙ぐむ自分が嫌だったのかな。
いや、でもショックはショック…



うまくまとまらないけど、とにかく知ろうと思った。

もちろん元々行くつもりだったけど、自分なりに調べて今の知識で考えて、期日前投票に行ってきた。



高校の時の彼氏が今はどんな思想を持っているのかは全く知らないけど、未だに女性の活躍を否定するような人だったらまずい。
その一票を、私の一票で相殺せねばならん。

今度は互いに傷つけ合うんじゃなくて、一票を投じるという形で。







自分の気持ちを整理するための、回でした。



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