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ワインエキスパート受験の記録 1次試験

3歳になる娘を出産後、「お酒を飲む」という行為がすっかり変わった。
とにかく短い時間で、飲酒という行為の魅力を最大限に享受するためには、酒を知ることだと考えるようになった。

甲類焼酎をレモンとかジャスミン茶で割った何かを飲みながら、時間と体力と理性を溶かし続ける飲酒も大好きだ。だけど、毎朝7時にキラッキラの笑顔で腹の上に飛び乗られる生活においては、その飲酒スタイルは限界があった(たまにやるけど)。

同時に今年1月に会社を辞めてフリー的な感じになり、後ろ盾と武器がなくなったことで、一応、アイデンティティとか強みとか20代に置き去りにしたなんかそういう照れくさいやつを考えてみるかって重い腰をあげてみた。

「酒好き」の道を邁進することを決心。

2023年のワインエキスパートの受験を決意し、行動を起こしたわけ。

前段が長くなったが、以降、好きと試験の狭間をもがいたささやかな挑戦と学びの記録を綴る。

ワインエキスパート受験へ

会社をやめると決めたと同時に取りかかる。

「わからないことがあったら人はどうすると思う? 検索するんだよ 」と伊坂幸太郎は[モダンタイム]で言ったように、まずは勉強法から調べ始める。なんと言ったって勉強は15年ぶり。

独学の勉強法も多くあり、お金をかけずにできる方法もありそうだったが、勉強する姿勢づくりが課題だと思ったのでスクールに入ることにした。

仕事スタイルが変わるタイミングだったので、月曜のAMをスクールに充てる。

だいたいこんな感じのスケジュール。

月:AMスクール、夜復習
火水:復習 地図作ったり単語帳作ったり
木金土:練習問題
日:予習

最初は毎日2時間くらいだけど、夏以降は3〜4時間くらい。
そのほかに移動時間や風呂、合間の時間にアプリで練習問題か単語帳。結構やってない?

勉強の範囲における山場は、やっぱりフランスとイタリア。フランスは20代の頃、バイトしてたときの記憶がやんわりあったり、前職の媒体で地名と食文化を把握していたから理解は早かった(細かく暗記できるかどうかは別の話)。
イタリアもちょうどバイトしはじめたワインショップがイタリア中心だったこともあり、日々地名と品種を目にするし、それを飲める環境だったことでまあまあ乗り切れたしで、楽しかった。

楽しい、知ってる、知れるの魔法が切れ始めたドイツ、アメリカあたりが結構しんどかった。夫が見てる欧州リーグの情報を関連付けたり、かつて旅行した記憶をひっぱりだして、あと訳の分からない語呂をひたすらぶつくさ言いながら毎週のテストを乗り切る。

スケジュールの山場は、GWと7月。
中間地点にあたるGW。スクールも1週休みになり、休み明けに中間テストがある。「仕事が休みのあいだに復習しておきましょう」というアドバイスを受けるも、体力無尽蔵の2歳児との暮らしの中で勉強時間の確保は無理。かろうじで合間にアプリをやりこむ。

私流勉強法

6.5〜7割を目指す勉強

ワインエキスパートの試験の合格ラインは6.5〜7割と言われている。要は満点を目指す必要はない。CBT方式で行われる1次試験は、数多ある問題のなかからランダムで120問が出される。1回の高得点をとるより、安定して6.5〜7割取れるようになることが必要になってくる。
同時に多くの問題が4択なので、消去法もある程度使える。

それゆえスクールでは「出るだろう」という点にフォーカスを当てて進んでいく。だけど、大部分は「出るかもしれない」。そこを捨てるか捨てないかの判断(あるいは意志)が難しい。
まあ、最終、時間と記憶の空き容量の関係で、そんなことも言ってられず、覚えられるものをとにかく覚えることしかできなくなるんだけど

視覚優位で記憶

勉強するなかで知ったことだけど、人は記憶するとき優位になる感覚がそれぞれあるらしい。聴覚優位、視覚優位、体感覚優位という感じ。

話は逸れるが私は昔から人の名前を覚えられない。名刺をもらい漢字を知ったり、頭の中で名前から図形とか風景とか文字がイメージできると覚えられることが多かった。多分、視覚優位なんだと思う。

汚い字と語呂合わせが恥ずかしい…

なので、ひたすら地図に書き込んで覚えていくことにした。
最初はデザインソフトで活字で組んでいたけど、汚い字、誤字、ルールがありそうでない色分けも含めて記憶として残ることに気づいたので、手書きでひたすら書き込む。小さい文字で書き込む行為も記憶定着につながったと思うから体感覚もあるのかも。

練習問題を解きまくる

大学・大学院が理系だったこともあり、記憶より、解答を導くほうが好きだった。暗記で解答を導くためにできることといえば、「すべてを記憶すること」が最善策だけど、それはさっき言ったとおり現実的でない。
「解答を導くプロセスが好き」という特性を理解した結果、
・地図の書き込みの最適解を探すこと
・とにかく練習問題を解くこと
に注力。「どういう問題が出るのか」「どう問われるのか」をわかっていくと、「これはこうやって問われそう」「選択肢がこっちのパターンも出るだろう」と問題を作れるようになって、必然的に問題数が増えていくのでいい効果があったと思う。

練習問題は下記をひたすらやる。移動中、風呂、トイレ、子どものYouTubeタイム…すきあらばやる。

・アカデミーデュヴァンのアプリ
・アカデミーデュヴァンでもらった練習問題
・問題集「覚えやすく、学びやすい、ソムリエ試験対策問題集
・「これも出そう?」という問題例をQuizletにつくってやる

勉強法を模索している期間は手探りすぎてしんどかったけど、ある程度スタイルができてくると楽しくなってきた感がある。
後半、マイナー産地だったり、仕事が忙しかったことでどうしても身が入らなかったけど…。主要なフランス、イタリア、スペイン、アメリカあたりは集中できたからだいじょうぶだろう…と。

そして、本番。いざ出陣

バスが遅れて超ギリギリに会場到着。直前の復習も何もできてない。しっかりしてほしい自分。

そして、本番試験めっっっっっちゃくちゃ難しかった。
聞いてねえ、やったことのねえ!あったけ?の応酬。
これは無理だと思って、「2回目にがんばろう…」と思いながら半べそでの70分。まじタイムアップ直前まで、もがいた結果…!
受かってたーーーーーーーー(CBTは即結果出る)。

神泉のNeoでビアンカーラのサッサイア。最高

とりあえず、15時からやってる店でワイン飲んだ!

2次についてはまた今度


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