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コープさっぽろがすごい

去年、札幌でお世話になった「コープさっぽろ」の緒方さんが東京にいるということで、お茶してきました。

聞くたびにひっくり返りそうになる熱い活動のいくつかを、インスタにもメモ!

左:日本スローフード協会会長の渡邊めぐみ氏、中:コープさっぽろの緒方恵美さん、左:わたし


・北海道の世帯数は540万世帯、コープさっぽろの会員数は202万人。それが今、さらに、毎年5万人のペースで増え続けている。(それだけ地域で受け入れられていると、もはや「1企業」というより「地域のインフラ」…!)

・北海道内では過疎地域に学校給食を配備するのが行政の予算と力ではできず、いまだに学校給食が届いていない地域もある。そんな中、コープさっぽろは「すべての子どもたちに学校給食を」を掲げて過疎地や島嶼地域にも赤字覚悟で昼食の提供をしている。

・事業としても地球環境にも持続可能な生産者さんに、4年に一度、奨励金と共に「コープさっぽろ農業賞」を出している。

https://youtu.be/H9ht3FX9-L4?si=Z6SebUfWEHkFJFoO

・毎年一度、「生産者交流会」を主催し、生産者同士が共に学ぶ機会を提供している。(←生産者同士の知恵の共有、とても大事だと思う!)

・料理人たちの交流会も主催。1.5年に一度、料理人が函館に集まり、旬の食材で共に料理する「世界料理学会」の集まりをプロデュースしている。

https://www.oishii-hakodate.jp/attractive/academic/

・子どもたちに向けた食育プログラム「食べるたいせつフェスティバル」の企画。

https://tabefes.sapporo.coop/

・会員誌「Chocotto」は、なんと63万部(!)発行。どんな雑誌より多いんじゃないだろうか。しかも発行目的と内容は、生産の現場からその時の「旬」を伝えること!

https://www.sapporo.coop/about/pr-magazine/back-number/

・極めつけは、現代表が「いずれ北海道内に “UNISG=食科学大学” を作りたい」という夢を持ち、スポンサーになりそうな方々に声をかけて毎年秋にトリノやバスクにツアーを出しているところ。(すでに北海道大学と提携して、道内のワインバンクを始めたりも。ガチです!)

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やっていることが全部、まるでスローフード…!

扱っている食材の厳密さは少し違うかもしれませんが、そんなことは誤差です。

徹底的に北海道ローカルに根差し、圧倒的な規模感とスピードで「食」を介して人と地球環境をつなぎ、前に進み続ける姿勢。話を伺うたびに心震えています。

私は人生ほぼずっと、意義を最優先に動きたいからというような理由から、非営利分野で仕事をしてきました。でもここ数年、いわゆる非営利と企業の間に、意義的な垣根なんて「ない」と感じる瞬間が増えています。

社会課題解決に真正面から取り組む非営利も事業として持続可能でなくては意味がないし、企業の方も、社会課題解決に向き合うことなく永続的な利益を出すことはできないわけで。

海外に行くと、CSA(地域支援型農業)の原型として日本の「TEIKEI = 提携(いわゆる産直)」について聞かれることがよくあります。

生産者との提携が小さいとわかりやすく「いいこと」に見えるけれど、実は、生協はそれを組織的にやっているすごい仕組みだったりするのを忘れがちだなー!

税収減で、行政ににできることが減っていき、非営利やソーシャルビジネスは継続するための事業化も大事になってきていて、大きな企業も社会課題が解決しないことには利益を出せなくなる時代。  

垣根を越えた新しい連携があちこちに生まれていくといいなー!

と、改めて思った夏の1日の備忘録でした。

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