あいお晴

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手首をあたためる

    一昨日見た桜が、今年最後の華やかな桜。 地面に目を下ろすと、タンポポにはもう綿毛。 今日、暑いなと手をかざした頭上には ハナミズキが一斉に咲き始めている。 ゆっくりと季節の流れに浸るいとまもないようだ。

    東大寺大仏殿

    何度見てもその大きさに圧倒される その天井の高さに自分の小ささを感じる しかし、これは確かに人の手で作られた

    東大寺大仏殿

    サクラ

    春は来る ウイルスが蔓延しても 戦がおこっても ものが足りなくて困っていても 大変なことはたくさんあるけれど 春は来る‥とみんな思っている でも 春が来てくれる空気や水や自然のいろいろなものをちゃんと守っていないと 春は来ないかも知れない 桜を見上げて、 そんなことを ふと考える

    タワー

    なんとなくタワーが好きだ。 一番は東京タワー。オフィスの22階からみえるその全身も、仕事帰りに神谷町の駅に降りる階段からみえる ぼわんとした照明の夜の姿も好きで、毎日、タワーに声をかける。 今は、京都タワーに毎朝声をかける。今日はしゅっとしてるね とか、水彩画のようだね とか、声をかけはじめて一年。驚くことに、同じ言葉をかけたことはない ような気がする。 日本語の豊かさにあらためて気がつく。 次に見ることになるのは、どこのタワーだろう。

    家路

    日が沈むのが早くなってきた  8月にしては長く続いた雨がやっとおさまったら もう晩夏から初秋のにおいがする 西向きに、とぼとぼ歩く仕事からの帰り道 熟れた桃のような色の夕焼けが、長雨の前よりも かなり左寄りになった。 今週は何をしたかな? 来週は、なにかしなくちゃ。

    えいでん

    ことばのうまれかた

    はじめてiPadを手にしたときのこと。うれしくて、色々と操作してみた。これで、手帳も地図もゲーム機も、すべて、かばんに入れなくてすむと考えていたけれど、タッチパネルで文字を入力しようとすると、言葉がなかなかうかんでこない。人は、というか、ぼくは、心に浮かんだ思いを、手で書き上げるまで、頭で考えるだけでなく、血や筋肉を通過するうちに言葉の文字となって姿を現わすようになっているのでは、と、思った。いまだに、ふと感じたことは、かばんの中の手帳にメモする。それをみて、文字を打つ。ま、

    ことばのうまれかた

    ねむい

    ベッドは、人の生活時間を不規則にする、と、僕は考える。パソコンにかじりついた仕事で目頭を押さえたとき、ふと、ベッドが目にはいり、つい、その用意された場所にごろんと横たわる。次に気がついた時には、小一時間ほど経っている。僕は、いつも後悔する。はたして、昔の人は、布団の上げ下ろしをして、ここちよいまどろみと、現実世界との区別をつけていたのだろうか。

    ひぐれ

    去ろうとする太陽が  朱色に染めた空を、風景を、天上からこぼれだした群青が徐々に流して行く、青く、紫に、赤紫に、やがてその流れは、地平線のすべてに行き渡り、ただ、太陽が落ちたあたりが名残を惜しんで薄紅色の裾を、ひきずるように去っていく。人が、ついものに気を取られている間に見逃すほどに速く、一日に一度の、このときをそこなうと、ずいぶんと損をした気分になる。