見出し画像

「UXライティングのはじめ方講座2」のレポート

UXライティングの目的やどんなお仕事をしているのかを知ることができた、2020年1月26日に開催したデジタルハリウッドのアサカツヨルカツ「UXライティングのはじめ方講座」のレポートを紹介していきます!
UXライティングという職種は、日本ではまだ少ないと思いますが、AmazonやGoogleといった企業ではすでに募集している職種です。

講師:永井一二三さん @nagaikazufumi
実績として、スープストック、wantedly、Voicyなどのコピーライティングをしています。
Twitterで「#UXライティング」巡回中(タグをつけて質問したら、回答してくれるそうです!)

UXライティングとは?

そもそもクリエイティブには目的があり、目的達成のために「UXライティング」という手段をとっています。

ライティング:リード=最後まで読んでほしい
コピーライティング:キャッチ=目に止まるハートのキャッチ
UXライティング:サポート=ユーザー体験の支援

ここでは、上から順番に文章量が多い〜少ないで分類されています。いままでライティングと一口に言っていましたが、実は目的に合わせて手段を変えているそうです。


UXライターの事例

ライティングの分類がわかったところで、UXライティングが効いている事例をいくつかピックアップし紹介してくれました。

iPhone:一番の発明は「電話の再発明」
もともとiPhoneが市場に出回った際、指紋がつく、テレビが観れない、絵文字も使えない、といったネガティブな反応が多くありました。
しかし、市場に導入するときには、一番の発明は「電話の再発明」と表示しました。「既存のものと比較」することは、今の市場において伝わりやすくなります。

WIRED
インタビューをインタヴューと記載したり、イメージにあわせた独特の変わった言葉を使います。そこから、WIREDだとすぐ発見できるトーンを作り出しています。

「ねえ、Google」
スマートスピーカーのコピーの事例では、「ねえ」といえるような気軽な親しい相手という伝え方をうまく強調しています。

チャットボット
昨今サーチの時代からフィードの時代にシフトしています。重めの商材だとチャットボットがききやすいといわれています。転職、家を購入、など、コミュニケーションを重ねることで効果を発揮します。

道路標識のインターフェース
2020年1月、道路標識「横断禁止」から「わたるな」に変更しました。
もとの「横断禁止」という言葉は小学生にとっては習っていない漢字が使われており、小学生の子どもが見てもわかるように変えられたという事例です。海外の人向けのワードに変えることもあるので、今後は公共施設の仕事も増えるのでは?と思った事例の一つです。

Spotify:音楽を発見する
「おすすめ」というワードの押し付けがましさを発見と明記していることで払拭しています。内容は同じでも、表現が違うことで受け手がサービスに持つ印象を変えることができます。


Q&A

最後は講座に参加していた方々からの質問に対し、一二三さんが回答をしてくれました。

Q:語彙力アップの方法はありますか?
自分がターゲットではない場合に、ターゲットが読みそうな雑誌を読んでいます。届けたい相手は自分がターゲットではない場合が多いので、ターゲットに一番近いものを読むようにしています。

マイクロコピーなどの本はあるが、いまのところUXライティングに特化した本は今は少ないです。そのため「D2C」など関連していそうな本を積極的に読むようにしています。直接「UXライティング」とした表記はしていなくても、実際には同じ意味であることが多いです。記事についても幅広く追っていくことで「道路標識の記事」を見つけることがあります。

Q:たいして読む気がない人や意思疎通ができないような複数人が、同じレベルで情報を編集していくにはどうしたらいいでしょうか?
意識の統一を行っています。ひとつの言葉を共有言語として持つために、例えばユニクロはいい服は、世界を変える。という共通言語を持っています。そうしたいっしょに共通言語を作る経験をすることでまとまっていくことがあります。


UXライティングって何?から事例の紹介でまとめましたが、当日はVoicyというサービスの中の機能の名称を考えてみる実践的なワークショップもありました。

デジハリ関係者ではないので確実ではありませんが、また開催する機会もありそうなのでUXライティング初心者にとってはかなり満足できる内容でした。

いいなと思ったら応援しよう!