ベビーグッズの前に、習い事や学校の前に、お産の環境を知る、選ぶ
たとえばの話。赤ちゃんができた! すると「ベビーグッズは何を用意しようかな♬」「妊娠中にやっておきたいことは…産後は…」とみんな、未来への期待を膨らませて、ウキウキ&ワクワクする。
「どんな子に育ってほしいかな」「教育を受けさせるなら、習い事をさせるなら、何にしよう」――親の働きかけや願いは子の成長にとっても大切。
でも、ちょっと待って。モノを揃えることも大事。夢見る、願いを託す。そんな親の愛情も大事。浮足立つ気持ちもあって当然。ただ、その前に、知っておいてほしいことがある。
自ら動く主体性――自分は諦めていない?
近年、学校だけでなく、企業の人材育成も含めて、教育界隈で頻繁に聞く『アクティブラーニング』ーー主体的な学び。教わるのを待つのではなく、自ら自主性をもって学ぶ姿勢を身につけさせようという世の中の流れ。
子どもや部下に主体性を望むなら、まず親や上司がとやかく言う前に、自分自身が主体的でありたい。でも、実際は? 思い通りにならない現実を諦めていない? いつから、どこから、そうなった?
主体性を身につけさせたい。そう思った親や上司に読んでほしい記事。
まずは余計なかかわりで邪魔しないことが先。実は良かれと思ってやっていることも、本当に本人にとって良いかどうかは慎重な見極めが必要。
それと同じことが、出産環境にも言える。
妊娠出産を迎える前に起きていること
どこで産もう? 大きな病院なら安心? きれいな個室がいい? 豪華な食事がついていたら嬉しい?
でも、もっと大事なことがある。人として丁寧に扱ってもらえるか。迷ったとき、決断が必要なときに、自分の価値観を尊重してもらえるか。
出産は大きな病院ほど、大きな組織の中で、個を活かすことが難しくなる。組織の理論がまかり通り、個人の尊重は後回しにされることがある。
病院の中が忙しいからと放置される。あるいは「周りの人にとってうるさいから大きな声で叫ばないで」と言われる。相談したいのに、なかなか話せない。いやいや、痛くても、不安でも、声も出さずに我慢しろと? 安産の最大の秘訣はリラックスなのに、周囲を気にしすぎたら、身体も心も緩まない。硬くなる。安産どころか、お産が滞る。
公共の利益を優先するのは当たり前? いやいや、公共だって、個人の集合で成り立っている。一人ひとりが丁寧に扱われたい。安心して過ごしたい。その本能にも近い、生理的欲求は、生まれるときと死ぬときくらい、ちゃんと満たしてほしいなと私は思う。
諦めさせる前に聞いて、尊重してほしい
私たちが大人になって、思い通りにならない人生を諦めてきたのだとしたら――もちろん、すべてが思い通りになんて、ならないけれど、何かを決める前、決まる前に「どう思う?」「どっちが良い?」と聞かれたかどうかは、その後の人生の歩み方を大きく左右する。
「あぁ、自分には聞かれないんだ、選べないんだ」「どうせ思い通りにならないし」と諦めて、ただ目の前の現実に流されるか。それとも、「自分にできることがある」と知って、自分なりに調べて、話を聞いて、試行錯誤して、自分なりに可能な範囲で希望をもって進む。その支えがあるか。
病院では医師や看護師という専門家がいるから、素人は口出ししちゃいけない? だって私たちの心身のことだよ。どんなに専門的な難しいことだって、その心身を請け負うのは私たち自身。ちゃんとわかるように、かみ砕いて説明してほしい。たとえ希望した通りにならなくても、感じた思いをまずひとりの人として尊重してほしい。
その根本が、妊娠出産のときから始まっている。説明をちゃんとすること。生理的に私たちが持っている本来の力を活かすこと。思いを尊重して、寄り添うこと。その重要性。それがその後の親の人生や子育てにもたらすもの。
自然分娩とは何か。助産師によるお産と病院でのお産は何が異なるのか。専門家向けのテキストを使って、一般向けのオンライン学習会をします。今日から3週連続、火曜日の20~21時半。(告知が直前過ぎる…!!)あ、録画配信もあります!
peatixは受付終了になっているけど、メールでも、FacebookやインスタのDMでも、連絡くださったら、対応します。みんなで守りたい、子育てのスタートの前に親人生のスタートを主体的に切るために、必要な社会的資源のヒントがここにあるから。
安心して産み育てやすい社会を作るため、また社会全体で子育てを支援する仕組みを作るため、サポートいただけると嬉しいです。いただいたサポートは、あいのちの活動で使わせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。