どんな人生もPERFECTだって。
このところずっと、あるコミュニティやSNSで皆さん大絶賛中の映画、PERFECTDAYS。
この頃、映画館での映画も贅沢品よねぇなんて嘆きつつも、ちゃっかりauマンデイを使って鑑賞。
あらすじ抜粋
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東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。
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主人公平山のルーティーンは、「つつましい幸せ」の表現だろうが、ちょっと今の日本で(とりわけ清掃員のお給料で)この生活はもう贅沢な部類に入るのでは?
という突っ込みはきっと、自我の声。
(でもどうしても、それはちょっと言いたかったの!でもこの「1回ずつ必要なものを購入する」っていうのが大事なのも分かってる。もうここでしか言わないので)
生活費の謎を横におけば、作品自体はとても面白かった。
ここからぽつぽつと感じたこと
※ネタばれ含みます
約2時間の上映時間だけど、体感1時間くらい。
歯を磨く
ヒゲを剃る
植物に水をあげる
トイレを隅から隅まで掃除する
銭湯帰りの1杯
そんな所作の一つ一つが美しく(丁寧でマメなのに、自炊はしないんだね?!という突っ込みもしたくなる^^;)
「こんなふうに生きていけたなら」と感じる人も多いだろう。
他者から、ぞんざいに扱われたとしても。
いつも平山の心は穏やかに見える。
ずっとこんな穏やかな日々が、淡々と続くのかと思いきや。
家出して平山を訪ねてきた姪、ニコのおかげで、穏やかな生活に揺らぎが生じる。
いや、一人の時から揺らぎはあったのだろう。
眠りの最中に見える、残像のようなもの。
その揺らぎもつかの間、竹箒の音で目覚め、また新しい一日がはじまる。
たとえば毎日、休憩時間に撮る木漏れ日。
同じように見えて、一瞬たりとも同じだったことはない。
「生きる世界が違うから」
と言われた妹とは、確かに全く違う世界を見ているのだろうし、ものすごく合わないのだろう。
子どものように影踏みに夢中になり、人と重なり合った影を「絶対に濃くなってますよ」と力説する彼。
人との繋がり・重なりを大切にしているのかなと感じた。
ラストシーンの涙の真意は分からないけど。
穏やかさも、
後悔も、
ささやかな喜びも、
喪失感も、
全部全部、あっていい。
そう、どんな人生だって
何一つ付け足すことも、
取り除くことも必要なく、
それはすでにPERFECTでしかない。
平山の表情から言われているような気がした。
「満ち足りている」とは決して、
自分にとって都合がいいこと、プラスだと感じるものだけであふれていることではなく。
都合が悪いこと、トラブル、怒り、哀しみ、憎しみ。
そんな、自分にとってマイナスなこともすべてある。
ここにある。
全てありあまるほど、満ち満ちている。
満ち足りているって、こういうことじゃないかな。
この作品のために何度も映画館に足を運ぶ人の気持ちが分かる気がするし、観る時によって感じ方も変わるのだろうな。。
【おまけのつぶやき】
日本のトイレの綺麗さは海外から称賛されているらしい。
確かに外国と比べたら駅や公衆トイレも綺麗なんだろうけど。
個人的には、ゴミとか残念に思うことが多く…
皆さん、トイレは綺麗に使いましょ♪
汚したらさっと吹いてね!