ゼノギアス
『ゼノギアス』 #全力で推したいゲーム
たまたまタグを見かけたので反射的に書きたくなった名前。
ゼノギアス。
中身には色んな方向から賛否両論だけど根強いファンは多い作品。最近、楽譜再復刻でその界隈には話題になったもの。
スクウェアの作品だけど販売目標達成できなかったので続編が作られず、監督が辞めてしまってモノリスソフトを作りゼノサーガシリーズ、最近話題のゼノブレイドシリーズを作ることになった大本といえる。
ちなみに、今はFate/GrandOrder続けてるけど、そこにもゼノギアス彷彿とさせる場所があって喜んでいたところです。関係ないね、はい。話を戻そう。
この作品、悪い言葉で言ってしまえば『パクリの集大成』なのだけど、要するに古今東西さまざまな作品のオマージュで構成された世界観・シナリオになってる。元ネタ知らなくても楽しめるけど、Fateといいそういうある種の『教養』があるとリンクさせられる作品が自分の大好物でそれを存分に味あわせてくれた思い出の作品。
もちろん、絵も音楽も大好きでこの作品で光田康典さんの名前と田中久仁彦さんの名前を覚えた(これ以前にも別の作品で出会ってはいたけど名前は認識してなかった)ので、色んな要素が噛み合っての好きな作品なのだけど、自分の思い出の中でゼノギアス独特の面白さでいったらその部分なのである。
それはそれとして、サントラもいいのでぜひどうぞ。
この作品で自分が気に入っていたことの一つに、名付けにも元ネタがあって、名付けから元ネタを探れるようになっているところ。中には、名前を掛詞のようにつかって複数の作品にリンクさせたりしてると思わしきものまである。この作品を軸にして、そこに使われたネタの出典である多種多様な作品に出会えるのが良い体験だった。
ちょうどこの前後に海外SFにハマって色々読んでいたのもタイミングとしては大きい。
そして、奇しくもこの頃(自分は残念なことに発売時はスルーしていてしばらくあとになって始めたので。でも新品で買ったよ?)にインターネットがそれなりに普及して、ネットサーフィンで色々と調べ物ができ、情報共有ができる時代になってきたので、自分だけではたどり着けなかった作品を知ることもできたし、ネットの検索スキルも鍛え上げられたし、古今東西色んな作品の影響の歴史の存在を意識するきっかけにもなった。なんなら大学の第二外国語でドイツ語を選んだ一因でもある。
とはいえ、ドイツ語だけじゃなくてスペイン語ネタとかラテン語ネタとかヘブライ語ネタとか色々あったんだけども。
と、ろくにゲームの内容について語れずに自分語りみたいになっちゃってるのは、今でもやったことない人にはやってほしいから。ちょっと古いゲームやりきれないという場合にはぜひ、メモリアルアルバム読んでみてほしい。絶版だけど中古なら手に入る。新品ほしいので再販してほしい…
というわけで、さて、ここからはやったことある人とか、内容知ってるとかネタバレキニシナイ人向け。全部は書けないけど、色んな作品へのリンク。ここはあれこれまとめるのが大変なので、ぼちぼち編集で更新したい。ある程度はぼかす。
そういう楽しみ方をしてなかった人にも楽しみの片鱗を見せることができたら嬉しい。
主人公、フェイ。戦闘方法は武術。ということで、洪家拳の黄飛鴻が元ネタ。
と思わせておいて、もしかすると『地球幼年期の終わり』に登場するゴールデンレトリバーであるフェイを乗せていて、場合によってはこっちのほうが先で武術のほうが後付の設定なのかもしれない。なぜなら、この犬は『一人目の接触者』と関係する犬で、また後にでてくるカレルレンは明らかに『地球幼年期の終わり』を元ネタとして立場の違う重要な役どころとしてフェイと対峙するから。(主人公のフェイはある存在との第一接触者として輪廻転生を繰り返している。)
この『地球幼年期の終わり』はアーサー・C・クラークの名作で、ゼノギアスエピソード5(唯一発売したのがep5)シナリオ上も大きな軸の一つになってるし他の作品でもよく元ネタとして使われている教養として履修しておいていいSF作品。
比較的最近の映画である『アリータ: バトル・エンジェル』の原作である『銃夢』も大きく使われている。
賞金稼ぎ、闘技場のような場所、勝利した人が行ける空中都市など設定からシナリオまでかなりの符号が見て取れる。また、ここででてくる主人公の機械の体を修理・整備した医師が『イド』だが主人公の別人格も『イド』で、主人公の別人格の『イド』はおそらくフロイトの精神医学用語から取っているものなのだけど、前世の『キム』が機械生命(nanomasin)を誕生させる話はここをつないで作ったのかもしれない。ゲーム中で起きている連続殺人事件の犯人は…?という話にもつなげているのでおそらく偶然ではないかと。
じゃあ、なんでそっちがキムなんだといえば、このキムはおそらく『創造する機械 — ナノテクノロジー』の著者であるキム・エリック・ドレクスラーを由来にしてる。ゲーム中でナノマシン生命を作った研究者の名前に対して、これはナノマシンのきっかけになった著作だから。
作品の大きなところでは『星を継ぐもの』が使われていたり、小さなところでは『ソイレント』が使われていたりする。キリスト教など宗教関連の話と名前もところどころに取られていて、それをパッチワークのようにつないで『星を継ぐもの』のような謎解き体験をさせてくれる。
そんな連想ゲームで紡がれた世界を、いろんな関連作・用語を調べながら読んでいくとさらに楽しめるのがこの作品。シナリオ読み返すメモリアルアルバムと分厚い設定資料集とこういうあれこれで数年は遊べるのでぜひ。
一応、PSアーカイブズで遊べたはず。あれってまだ有効?
冒頭に書いた事情のため、構想だけあったエピソード1~4、6はお蔵入り、監督不在なので多分リメイクも期待薄という作品だけど、ずっと推してます。
スクウェアのことはこの作品がこれで終わったことで若干恨んでる。その後もFFとかは買ってたけどこれの件だけは、ね。なんかどうにかなって奇跡的にお蔵入りのなにがしかがでてきたりしないかな…。
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