「ジェンダーギャップ指数」と「文化」の関係
ジェンダーギャップ指数2022が発表されましたね。
日本はあいかわらず。
ジェンダーギャップの話題になるとよく思い出す中学校教員の友人のエピソードがあります。
日本の中学校では女子生徒が生徒会長などのリーダー職に意欲的に手を上げる生徒がある一定数いる一方で高校生になるとそのような女子生徒がグーンと減るそうです。
なんでだろう?とずっと気になっていて。
その話を今学んでいるCQ(Cultural Intelligence)コーチに伝えました。
そうすると興味深い「日本に「女性のリーダー」が生まれない深刻理由「女性に意欲がない」というのは本当なのか」という2019年の東洋経済の記事をご紹介いただきました。
この記事にはイエール大学、スタンフォード大学などアメリカの研究結果が記載されています。そして「女性に対する許容範囲が狭い」という下記の図がありました。
さらに興味深いことに、この視点が受け入れられる背景に「文化」が影響しているということ。
ホフステード6次元モデルという文化の違いを数値化しているモデルがあり、それによると日本とアメリカは「達成志向」がある地域。
「達成志向」の対局は「生活の質志向」。
「達成志向」の傾向がある地域では、
・働くのが生きがい
・家庭生活より仕事を優先する:長時間労働を期待
・学生たちは優秀な成績を目指す
・収入、承認、昇進、挑戦を高めるインセンティブを好む
傾向があるそうです。
日本は世界各国の中も特にこの「達成志向」が強い国。
それに対して「生活の質志向」では、
・生きるために働く
・家族生活を考慮:決まった労働時間が当たり前の傾向
・優秀さは自分だけのもの:嫉妬しやすい
・金銭的な報酬ばかりでなく福利厚生などの生活の質の分野を高めるようなインセンティブを好む
傾向があります。
そしてこの「生活の質志向」が高い地域はスウェーデン、ノルウェー、オランダ、デンマークなど。
先日発表されたジェンダーギャップ指数2022でこれらの国は146か国中、スウェーデン5位、ノルウェー3位、オランダ28位、デンマーク32位でした。
おそらく「生活の質志向」の傾向が高い文化の地域は記事にある「女性に対して許容範囲が狭い」ということが理解しづらい傾向があるのだろうと思います。
ちなみに英語で「達成志向」は「Masculinity」、「生活の質志向」は「Femininity」と表現されています。
「達成志向」の傾向が強い文化的背景のある国は結果的にジェンダーギャップが大きい地域なのかな。
となると日本のジェンダーギャップ指数のランキングを上げていくことは中々長い道のりになるのかな。
でもそんな悠長なことは言ってられないよね。
子どもたちの未来のためにも、これは社会課題として自分なりに動きたい。