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【読書メモ】広告がなくなる日

ようやく読めた牧野圭太さんの「広告がなくなる日」。
まず印象的なのが本の向き。
パラパラめくると「縦開き」になっている。

「本という成熟した形状にだって、まだ”新しい形”があるかもしれない」という可能性を模索してみたいという思いです。本の形がどこまでが必然なのだろうか?今の形は本当に正しいのか?別の可能性は残っていないのだろうか?そういう「疑い」こそが、アイデアの種のようなものになると考えています。

page 9-10

自分が思う「常識」や「そういうもんだよね」にすっかり慣れてしまっていて、疑うことが減ってきていることにハッとさせられる。
「なんで?」と思うこと、そしてその疑問を追求することが減っていたな。

Is it meaningful?

「パーパス経営」が注目され始めて約10年ちょっと。
広告の世界も商品やサービスの性質や特徴にフォーカスをするだけでなく、社会的意義や意味を伝えることに焦点があたるようになってきているように思う。
そして組織の打ち出している「Mission, Vision, Value」にその組織の活動が伴っているか。ただ書いているだけ、言っているだけになっていないか。
私自身も消費者として、サービスや商品そのものの性質だけでなく、それらが生み出されるストーリーに共感できるかも選ぶための重要なファクターになってきていることを実感する。

これからの時代のキーワード
便利→意味
安価→適正
物質→精神
文明→文化
効率→倫理
労働→活動

page 138-139

Arts on Science

この図を目にしたとき、ScienceよりArtsに並べられている言葉に心が躍った。

page 188

ビジネスの世界では「Science」で議論されることが多く、その事象を捉えて説明するうえでとても理にかなっているということも理解ができる。
ただ、この本には社会的背景や過去の事例を並べながら、「あらゆる組織にクリエイティブディレクターがいる」、「社長の横に、アートディレクターを。」の重要性が述べられている。
私はこの言葉にワクワクした。
言葉や数字だけでは表現しきれないこと。
でも「意味」をもたらす直感や閃き。
これらが「Arts」の要素であり、表現ができるようになるのであれば、自分自身のパーパスを実現するためにも「Arts」を取り入れたい。
「Arts」とはそもそも何なのだろうか。
理論があるのだろうか。
アート思考?哲学?文化?美意識?
まだ漠然としていて、形が見えていない「Arts」を模索しながら心躍る仕事ができたらいいな。
その先に自分が実現したい「子どもたちにとってより良い社会」があることを信じて。

「あなたがいなければ、生まれなかった仕事を」

page114-115


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