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おどれも吐いた唾、飲まんとけよぉぉぉ
映画は邦画も洋画も好きです。
ま、レンタルやサブスクが多いけど。
先週から1週間かけて、
「仁義なき戦い」全5作
をしっかり鑑賞。(3度目)
「仁義なき戦い」シリーズは言わずもがな日本のバイオレンス映画の礎を築いた作品で、
昭和の俳優さんのギラギラとした鬼気迫る迫力は、今の同世代の俳優さんでどれだけの人がこの迫力を出せるのだろうか、と考えさせられる。
やはり大御所、名優と言われるだけの事はありますね。
全5作において主軸となるのは、菅原文太さん演じる広能昌三ではあるけれど、各作品ごとに完全に主役級の俳優さんが登場する。
梅宮辰夫さん、千葉真一さん、北大路欣也さん、渡瀬恒彦さん、小林旭さん、田中邦衛さん、山城新伍さん、宍戸錠さんなどなどとんでもない方ばかり。
なんと言ってもワタシは、第2作目「広島死闘篇」に登場する千葉真一さん演じる大友勝利の早口で捲し立てる広島弁にシビれてしまい、
「ワシらうまいもん食うてのぅ、マブいスケ抱く、そのために生まれてきとんじゃないのぉ」
なんて名言は一度でいいからあのイントネーションで言ってみたい。
ま、東北出身ですけど。
全編を通してハナシをややこしくする、金子信雄さん演じる山守義雄の自分の事しか考えてないセコく卑怯で臆病な人物像は、
「必ずいる!探せ!あなたの会社の山守組長!」
と思ってしまう。
そんなのだから第一作では松方弘樹さん演じる坂井鉄也に、
「おやじさん、云うとってあげるがぁ、あんたは初めから、わしらが担いでる神輿じゃないのぉ。
組がここまでなるのに、誰が血流しとるんやぁ。
神輿が勝手に歩けるいうんなら、歩いてみないや!のう!!」
「わしらの云うとおりにしとってくれりゃあ、わしらも黙ってこのまま担ぐが、
のう!おやじさん、喧嘩は銭がなんぼあっても勝てんのですよぉ!!」
とガツン!と言われてしまう始末。
この山守組長には全編を通して相当イライラさせられてしまうんだけど、金子信雄さんが演じているからこそ、この仁義なき戦いが盛り上がっているのは間違いない。
この他にも、小林旭さん演じる武田明や成田三樹夫さん演じる松永弘など、渋すぎカッチョ良すぎなキャラクターが列挙し、観る度に色んな人の視点から観るようにしたらもっともっと楽しめる映画である事は間違いない。
ただ、これから観る方にいくつか伝えておきたい事がある。
全5作を通し、殺されてしまう俳優さんが別の作品では違う人物として登場してしまうので、
「あれ?前、殺されちゃったよね?」
ってなっちゃうんです。
それも、かなりメイン人物が…。
梅宮辰夫さんは2度、松方弘樹さんは3度…。
千葉真一さんや松方弘樹さんも去ることながら、かなりシビれるセリフを全員が息を吸うように喋るんだけど、
「牛の糞にも段々があるんでぇ。おどれとわしが五寸かい!」
のように、一瞬では理解に苦しむものも沢山出てきます。
全員が広島弁を早口で話すので字幕を出せれば出すのがオススメだし、ナレーションはかなり重要な内容なので慣れるまで前のめりで集中して聞くのが最初の仁義なき戦いの鑑賞方法かもしれません。
映画って好きな方は沢山居るんだけど、好みというか、自分の感性にハマる映画を一緒にアツく語れる人に出会うのってなかなかないんですよね。
特に今回のは「仁義なき戦い」全5作。
「ラ・ラ・ランド」のように映画に興味がある方ならば観ている可能性の高いものでもなく、昭和の漢くさいバイオレンス映画。
酒でも飲みながら語りたいけど、たぶん一緒に語ってくれる人、いねぇだろうなぁ。