3月のworm moon🌕①
新月、満月の前後はお産が増える。
3月予定日最後の出産は、
私が総合病院で最後に立ち会うお産となった。
今日は最後のお産係。
出勤してまもなく、痛みの強い経産婦がくるよ
と言われ、胸が高まる。
痛くて動けない産婦さんを
全速力の車椅子でお迎えに行く。
「○○さん!待ってたよー!
今日、私がお産係!」と笑顔とピースで迎える
そう彼女は、フェムケアをして逆子が治り、
待ち焦がれていた妊婦さんだったのだ。
一人目に心残りの出産をし、
今回は自分の力で自然なお産をしたい、
会陰切開も裂傷もしたくない
という強い気持ちがあった。
子宮口が開ききる前は、
腸骨が開くようなテクニック、
腰椎と仙骨の動きを感じながら
赤ちゃんがうまく下がってこれるように
彼女の息づかい、姿勢、動きを見ながら
限られた体位の中で
心地良さそうなケアで手を尽くす。
しかし進みの早いお産が急に速度を緩めた。
何をしても間隔が短くならない。
「あぁ、だめだ。
この経過、一人目を思い出してしまう…」
と弱音をみせた
間隔が短くならないのには
赤ちゃん側の理由がある、
それをこの10年で体感してきた。
きっと臍でも短いのかな?巻いてるのかな?
向きでも悪いのかな?
そんなことを考えて、さて次はなにをするかと
思考を巡らせていた。
そんな時、ふと、
あれこれ手を尽くすことをやめ、
自己を内省してみることを思いついた。
目の前の人は完璧。
足りないのは自分、、、
(②へつづく)