More tea, Vicar?-『胸揺れ』について
今更ですが…というまえがき
お疲れ様です。あいなです。
当アカウントは、現在、千葉県警の交通安全啓発動画がとある団体の抗議を受けて削除された件について、関係している地方公共団体に情報開示請求をしています。
このコーナーでは、少し情報開示請求の話から離れて、私個人が考えている『そもそも論』を記事にしてみようと思います。
恐らくこの記事をご覧になる方は、おおかたの情報も前提知識もご存じだと思うので詳しい経緯はさくっと省きますが、情報公開請求で得た資料や、SNS・ニュース等で当事者さん達が公開しているコメントなどを見返してみると、認識の違いを修正できない/しないままに、相手を批判したり訂正を回避したりしており、どうにも話し合いのテーブルに座る以前の『そもそも』的な部分が食い違ったまま、延焼を続けているような印象があります。
今回はその『そもそも』の部分の一つである『胸揺れ』についての記事を書いています。
知識としては拙く、話としては周回遅れなのですが、今後の情報開示請求の総まとめをするにあたって個人的に必要なことだと感じましたので、記事にして残しておこうと思います。
Vtuberの胸が揺れている…?
フ議連の指摘
フ議連の公開質問状では『体を動かすたびに大きな胸が揺れます』という指摘がありました。
この検証の為に不本意ながらも動画の胸部だけを集中して見た方もいらっしゃいますよね(私もです)。
それでお気付きの方も多かったでしょうが、動画の中に登場しているVtuberの女性は、『大きい』と言われるほど大きな胸の形をしていないですし、『揺れます』と言われるほど胸はプルンプルン揺れてないことが分かりますよね。
『大きな胸が揺れます』という指摘を受けて思い出すのは、青年向けの一部のゲームや深夜帯のアニメ等です。
胸の大きなキャラクターやその胸が揺れるシーンがたびたび登場しているのを、私も見たことがあります。
しかし、ソレとこの動画を同列に捉えて雑多に混合させてしまうような、この公開質問状の一文は、論理が飛躍し過ぎていて辻褄が合いません。
そして、この一文のために、全体の文章に対する信憑性・信頼性も大きく毀損してしまっていると感じています。
事務所側の説明
そんな指摘に対して、Vtuberの所属する事務所の社長は、自身のYoutubeチャンネルの動画上で『デフォルトだった』という説明をしています。
コトバンクによると、『デフォルト』とは『(3)コンピュータの分野では、機器の出荷時における初期設定状態や、ソフトウェアをインストールしたときの、あらかじめ設定された標準的な動作条件や値のことをいう。』とあります。
つまり、事務所もデザイナーも3Dモデラーも(そして警察側も)、デフォルトで胸が揺れていることに関しては問題は無いという認識だったということが分かっています。
Vtuberの『揺れもの』設定
ここで、Vtuberの『胸』は『揺れている』ものではなく、『揺らす』ものだということを説明させていただきます。
『揺れもの』=表現の一部
Vtuberは3D・2Dの2通りの作成方法がありますが、どちらの作成方法でも、キャラクターの顔や体型、服装などを『デザイン』し、専用のソフトウェアを使って、キャラクターの画像に対して物理演算を施す作業『モデリング』を行います。
この『デザイン』によってキャラクターの外観が決まり、『モデリング』によってどの部分を動かすか・どれぐらい動かすかが決まります。
髪や胸といった体の部位や、装飾品、尻尾や、服の裾…それらは『揺れもの』と呼ばれています。
『揺れもの』を『揺らす』という『表現』は、キャラクターを生き生きと動かすためには絶対に欠かせないものであり、作り手のクオリティを問われる高度で繊細な技術なのです。
『揺れもの』のデザインとモデリングについて
それでは、次に、2本のnote記事をご紹介させていただきます。
ゲームやシステム等は異なりますが、どちらも、キャラクターの身につけている揺れものに関しての説明をしている記事です。
※下の記事には胸揺れ表現があります。
記事を読むと、モデリングを行うか行わないか、どこをどのように揺らすか、揺らすとしてどの程度なのか、というのは、全て人の手で数値を入力し、人の目が可否を判断しているということが分かりますね。
つまり、『揺れもの』には、デフォルトという名の数値が存在しているということなのです。
意図しない性的なデザイン
更にもう一つ、note記事をご紹介します。
こちらの記事は、メタバース(ネット上の仮想空間)で動かすためのアバター(メタバース上で自分が自由に動かせるキャラクター)をPixivが提供している3Dキャラメーカー「VRoid Studio」を使って作成している際に、女性キャラの揺れものが揺れ過ぎて不快だったがやがて修正されてヤッター、という内容です。
※記事には胸揺れ表現や衣類のめくれ表現があります。
これは一般論ですが、たいていのユーザーは、自分が好ましいと思える姿をキャラクターに投影しています。
その作成過程で意図せぬ表現がなされてしまうのは、ソフトウェア提供側もモデリングする側も、決して望んでいない事なのだと思われます。
『揺れもの』の認識を問う…?
フ議連の公開質問状による突飛な『胸揺れ』の批判は、何も痛いところでも恥じ入るところでも無い、ただの事実の提示に過ぎません。
しかし、その問いに対して、制作者側は『意図していなかった』『デフォルトだった』と答えました。
『揺れもの』を自分たちの責任と意志で『揺らしている』という自覚が無かったことが露呈してしまったのは、皮肉にも、Vtuberの制作者への、表現に対する認識を問う形になってしまったのではないか…?という印象です。
次回は…『子ども向け』という誤認
『胸揺れ』の指摘とそれに対する『デフォルト』の説明が、お互いに食い違っている上に事実の整理もされていないまま話が進んでいるなぁ…ということが分かっていただけたでしょうか。
実は、もう一つ、食い違っていると思しき認識があります。
削除後は、『あの動画は、子どもに見せるのには相応しくない』という指摘や批判がありました。
「何をいまさら…あの動画は子ども向けでしょ?」と思われるかたもいらっしゃるかもしれません。
ですが、この指摘や批判も誤認だった可能性があると思うのです…。
次回は、『子ども向け』という誤認についての記事を書こうと思います。
よろしければ、当アカウントをフォローしていただき、気長に続きをお待ちください。
それでは、また。