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宗教論➀(付録ウクライナ戦争とキリスト教)
1回目はキリスト教について
➀ニーチェは「大工のイエス、漁夫のペトロ、天幕造りのパウロ」などと侮辱している。
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マリアが処女だったというのは単なる神聖視のための創作ではなく、イエスの実父はマリアの夫ではなかったという解釈が可能である。イエスは素朴な生まれだったが、実父は偉い人で、あのようなオリジナルな教えを説くことが出来たのかもしれない。
➁イエスという名前
ヨセフスの『ユダヤ戦記』にイエスの名前が出てくるが、これは後世の挿入説がある。イエスという名前は、古代のイスラエルでは、日本で言うと太郎のような陳腐な名であって、イエスを名前から特定することはできない。
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同時代には、熱心党(ローマに対するイスラエルの独立を主張した民族主義の集団)のイエスという人物もおり、この人物は「哀しきかな、エルサレム」という言葉を残して、ローマとの戦いで散華した。当時のユダヤ人達は、イエスにローマからの解放を期待したので、イエスという名を借用したのかもしれない。
③イエスの復活
イエス処刑後、イエスとの関係を疑われた弟子たちは、いったん逃げ散ってしまうが、後に殉教するに到る。
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この書で、なぜ弟子たちは強くなれたのかという疑問が提出されている。信者の答えは、キリストの復活を目撃したからだというものだが、信者でない人間には、それは答えにならない。
弟子たちは苦悶の日々を送っていたので、集団幻覚を見た可能性がある。
④ウクライナ戦争
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日本では、あまり読まれていないようだが、ドストエフスキーには政治論文集がある。ドストエフスキーの立場は、土壌主義といわれ、ロシアへの愛とキリストの信仰から、近代ヨーロッパ文明を拒絶するというものである。これは、ウクライナ戦争のイデオローグ達に、何らかの影響を及ぼしているかもしれない。プーチンの政策は、反ポリコレとしてアメリカの右派によって評価されることもあり、プーチン体制をキリスト教ファシズムと呼ぶことも可能である。
ドストエフスキーは『カラマーゾフの兄弟』の有名な大審問官の章で、主人公にローマ法王庁を批判させているが、カトリック=普遍主義に対して、ロシア正教=地域主義であって、大審問官の章をグローバリズムに対する批判と考えれば、ウクライナ侵略を正当化する論理に使うこともできるだろう。ロシア国内では、実際に使われているかもしれない。
お読みいただき、ありがとうございました。